狂い咲き
砧公園の桜が咲いたと、狂い咲きの話題には事欠かないが、わが家のツツジも今、この時季に赤い花をつけている。初夏に向かって咲くはずの花…。毒々しい紅色が、気のせいかなまめかしい。
あまりの高温のせいか、今年は不作だったわが家のゴーヤ、今頃になって実をつけはじめた。10センチほどの栄養不足気味の実ではあるけれど、10月も中旬過ぎたというのに、黄色い花はまだんどん開いているし、蜂や小さな蝶の類いが次々にやってくる。⒉階のベランダに届いている蔓は、枯れることなくまだ伸びる。ゴーヤの蔓に混ざって、朝顔もまだ咲いている。
さらに、時計草の花が満開だ。一年中花をつける時計草とはいえ、こんなに華々しく咲いているのも珍しい。つぼみもまだまだたくさんあるし、枯れ始めた葉っぱの中で、薄紫のユニークな花は勢いを増している。四季に咲く花の順番は、もうめちゃくちゃだ。
それでも窓を開けると、ほんのりキンモクセイの香りがし始めた。わが家には植わってないけれど、近隣から漂ってくるくらいの香りがちょうどいい。立川の家に留守番に行った先日、息子に嫌がられるくらい、ありとあらゆる庭木の枝を切り落とした。「花がつき始めてるのに、そんなに切らなくたっていいじゃんー」と、不服そうだったけれど、「いい匂いがしはじめたよ~」。電話で要件のついでに、昨日、ポツリと息子は言った。
秋は確実にやって来ている。