コロナ感染の友人の話

「実は先週、コロナにかかった…」
友人が小さな声で打ち明けた。もともとは旦那さんが発熱。彼はいくつも持病を抱えているから、かかりつけ医に飛んでいったそうだ。発熱者はクリニックの中に入れず、駐車場の車の中で検査と診察、案の定のコロナ陽性で、5日間は外出禁止と言われたと。処方箋を持って薬局に走ったのは彼女。幸い熱はそれほど上がらず、寝込むほどではない。でも咳がひどい。
「それなのに危機感ゼロの旦那は、家の中では自由自在の生活だもん。マスクもしてくれないし…」
日ごろからかなりの横暴亭主だから、何を言ってもききやしない。健康でおおらかな友人は特に発熱などなかったけれど、のどが痛くなったので、旦那とは別の自分のかかりつけ医に電話したそう。こっちの診療所も外で検査をして、やっぱり陽性と出た。うがいしてくださいとだけ言われた彼女、特に薬も出ずに「念のため、あと3日間は外出禁止です」。同居人の隔離生活は5日間じゃないんだ。
幸い仲良しのご近所さんが入れ替わり立ち替わり、食べ物や必要なものの差し入れをしてくれたので「たすかったわ~」と彼女。
老夫婦2人暮らしは大変だ。特にこの世代にありがちのわがまま亭主の、食をはじめ生活のすべてを担っている妻は、おちおち病気もしていられない。文句を言いつつ、結局世話をしてあげちゃうのだから…、「ハイハイと言ってやってあげている方がラクだから」と妻たちは言うけれど、ひとり暮らしでほんとうによかった、と思ってしまう私だ。

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