【質問箱回答】クラウドソーシング以外、何から始めればいい?
ご質問ありがとうございます!
質問者様の状況が分からないので「これ!」という具体的なことをお答えできませんが、せっかくですので私なりに気づいた「何をすべきかを見つける方法」を書いてみようと思います。
ちょっと長い上にすごく遠回りですが、個人的に一番確実な方法だと思っていますので、どうかお付き合いください…!
3年後、どんな生活していたい?
まずここから考えます。めっちゃ広い視点で考えてみます。
どんな生活していたい?例えば、こんなところに住みたい。こんな服が着たい。車が欲しい。旅行に行きたい。たくさん本を読みたい。こんな絵を描きたい。
なんでも良いです。よりリアルに、生活感のある「迎えたい未来像」を沢山メモします。
え、なんでこんなことしてるか?
だって、例えば政治家も「こんな日本にします!」って言って選挙に出て、そしてそんな未来にするにはこんな政策をします!って言いますよね。まず未来を見定めてから、そこにどんな方法で行くかを考えます。何かをする方法を探すときは、必ずゴールから逆算して考えるのが鉄則(…と、教わりました。受け売りです笑)。
では、その生活に必要なものはなんでしょうか?
私の場合、生きる上で「有限コスト」だなーと感じている3つの軸で考えました。
1 お金
2 時間
3 体力
1 お金…どれくらい稼げば、望む生活ができるのか?というのを具体的な金額でシミュレーションします。生活費、家賃、保険、税金、娯楽…月々いくらかかるでしょうか?もし子供がいれば、教育費も必要です。さらに言うと、子供をどんなところに進学させたいかでもだいぶ変わります。もしかしたら本人が私立に行きたいと言うかも…?公立でも、受験のために塾に行くかも?そうしたら、地元の塾の月謝はいくらだろう?スマホで調べてみれば意外とポーンと出てくるので、よりリアルな計算ができます。
2 時間…毎日のタイムスケジュールです。朝早く起きるのか、ちょっと遅めに起きて夜遅くまで起きているのか。仕事は1日何時間するのか。12時間くらいバリバリ働くのか、6時間くらいに留めて家族との時間を大切にするのか。私はダイエットをはじめたので、1日の中に必ず1時間程度ダイエットの時間を組み込みました。人間には平等に24時間しか与えられていませんが、それをどう使うかは人それぞれです。一度、理想の1日のタイムスケジュールを割り振ってみます。
また、この生活はいつまでに達成すべきなのか、という期限もふわっと決めておきます。
3 体力…健康、とも言い換えることもできるかもしれません。人間の体力には限界があります。寝ないで働く!とか無理です。3年後、自分は今と同じように動けるでしょうか?普通に考えれば、歳を取るので体力は下がります。徹夜ができなくなったり、もしかしたら持病で通院するようになるかもしれません。ここでは悲観的に捉えるのではなく、むしろ「未来もなるべく健全でいられる方法」を思いつく分だけ挙げてみます。私の場合だと最初からうつ病を持った状態でスタートしているので、「完治する未来」のために必要なものを考えました(薬と、通院と、日々の運動と、短い労働時間)。ちなみに最後の労働時間だけうっかり忘れて、初期はかなりの長時間労働をしていました。…結果、倒れて寝込みました。………出来るだけ思いつく限り挙げてみてください。
必要なものを手に入れるためには?
さて、いろいろ挙げてみたら、今度はそれらをさらに深掘りして考えてみます。
ここから考えるのは、先程挙げた「必要なもの」を手に入れるにはどうすれば良いか?ということ。
例えば、こんな例で考えてみます。
・諸々合計で月に最低20万円は必要。
・働く時間は週4、1日6時間以下にして、あとは家事や育児。寝る時間は8時間確保したい。
・腰痛があるので治したい。腰に負担があることはしたくない。
・そんな生活を1年以内に達成したい。
まず、月に20万円の売り上げ、というところから考えてみます。週4で働くので、稼働日は月に18日くらいでしょうか。ということは1日あたり約11,000円稼ぐ必要があります。と、いうことは1日6時間労働なので、1時間あたり1,851円以上は稼ぐ必要があります。もちろん、腰を痛める働き方はしません。過度に立ちっぱなしや座りっぱなしが必要な働き方は避けます。そして、それらを満たす生活を、1年以内に達成する。
えー、さて、お待たせいたしました、ここからが本題です。
これらの条件を満たす働き方を探す必要があります。これが、「何から始めるべきか」の答えに直結します。
質問の内容に戻りましょう。クラウドソーシング以外で何から始めるべきか、ということでした。
ご質問の動機として、さきほど挙げた理想をクラウドソーシングでは達成できない、と思っているからこそ他の手段を考えているのだと推察します。
では、なぜクラウドソーシングでは達成できないのか?単価が安かったり、なかなか受注が取れなかったり、トラブルが多かったり…限界を感じるところはそれぞれだと思います。
その限界を感じてる部分を解決できる働き方、それに向かう手段が「始めるべきこと」です。
単価が安いと感じているなら、高いところを探します。どこで?出版社に持ち込みに行ったり、異業種交流会でニーズを探してみたり。受注が取れないなら、その理由を見つけて埋める必要があります。実績がないことが理由なら、Twitterで100円で絵を描くモニターを募集して、それを実績にする。トラブルが多いなら、思い切ってエージェントに頼むのも良いかもしれません。営業の時間が取れないけど確実に安全な案件を、ということであれば仲介を挟んだほうが安心できるかもしれません。
方法としては、どれもありきたりです。正直どれも革新的なこともなければ新鮮な手段でもなんでもないです。これをすればバッチリ!みたいな裏技的な特効薬なんてないです。
でも、別の言い方をすれば王道です。私が重視すべきだと感じるのは、なんでそれをするのか、と自問したときにはっきり理由を答えられることです。「人にオススメされたから行く」「なんとなく流行ってるから乗ってみた」ではなく「どういった理由でどのくらい必要と感じるから行く」、その意識だけで結果はかなり変わってくると考えています。目的意識があるだけで人の立ち居振る舞いや発言、思考は変わります。きっと発注する側から見てもその差は明らかなんだろうなあ、とよく肌で感じます。
行動指針
ここまでずっと抽象的なことばかりだったので、最後に、私の「何から始めたか」を書かせてください。
私は大学を卒業して専業フリーランスになったときから、クラウドソーシングは全て封印しました。
理由は、単価の問題もありましたが、なにより競合が多いと感じたからです。コンペ1つに100案近くが集まる…その中で勝てるの?いや無理じゃん?と感じたのが決め手でした。
そこで、私は「競合がいない、あるいは少ないところに行くこと」を行動指針にしました。
…遥か昔、中国に有名な軍師がいたそうです。彼はこんな言葉を残しています。
「戦って勝つことは良いことだ。でも、戦わないで勝つのが一番良い」
いわゆる不戦勝、というやつです。ライバルがいなければそもそも戦いにすらなりません。
どんな小さい市場でも良い。ニーズがゼロでなければ、勝てます。だって自分しかいないんだから。ただお客さんがyesかnoかを判断するだけです。すごくシンプルに考えると、さっきのコンペは勝率100分の1でしたがこれなら勝率2分の1です。
…という発想のもとで、イラストレーターが行かなそうなところに積極的に行きました。プログラマー、エンジニアさんたちによる技術書の出版記念パーティとか。…他のイラストレーターなんて見渡す限りいませんでした。おそこで会いした方の半分くらいには「君なんでいるの??」みたいな反応をいただきました(そりゃそうだ…)。でも、そこには確かに本の表紙イラストのニーズありました。結果、今でもそこれ繋がった方からたくさんお仕事を頂いています。
そうして実績を積んでいくと、次第にライバルと戦っても勝てるようになってきます。経験や実績が積まれて、勝機が出てくる。そこではじめて、他のイラストレーターがいる市場にも行くようになりました。
勝てる見込みのある勝負しかしない。なるべくライバルは少ないほうがいい。という行動指針を持つことで、すべきこと、すべきでないことが見えてきました。
(私がストックイラストをしていないのも、この行動指針によるものです。ストックはライバルがいっぱいいるので…)
結論「ゴールを見据えて逆算」
始めるべきことは下記の通りです。
理想の生活を具体的に思い描いてみる
→必要なものをリストアップ
→行動指針が決まる
→具体案
もしどうしても具体策が思いつかない!という場合は、他の人を真似するのもアリです。その際は、必ず自分と行動指針が似ている人を参考にします。
よくTwitterのインフルエンサーの真似をしてあんまりうまくいかない…という話を聞きますが、恐らく行動指針が違うのに手段だけ真似してしまったケースなんじゃないかな、と思っています。もし短時間労働したいのに「寝ないで働くぜ!」みたいな人の真似をするとどう考えてもミスマッチです。
真似するなら、行動の理由までまるっと参考にしてしまったほうが後からおかしなことになりません。そして、参考にするなら絶対自分とすごく似てる人。でないと後々苦しくてなってしまいます。
…うーん、質問箱への回答として、これがふさわしいかどうか分かりませんが…かなり抽象的、概念的なことしか言えなくてすみません…!
現時点での私なりの精一杯ということで、どうかお許しください…!ご一読ありがとうございました!