スコットランド日記 第九回
アイリーンドナン城をあとにし、
カイルオブロカルシュにある数少ないB&Bに到着。
仲睦まじい老夫婦がお出迎えしてくれ、
嬉しい言葉をかけてくれました。
「日本人はあなた達が初めてよ!」
日本人第一号だ!
なかなか生きててそんな体験出来るもんじゃない。
めちゃくちゃ誇らしかった。
この時点で13:30。
旅の最大の目的、スカイ島に入りfairy poolsに行きたかったので談笑も早めに切り上げ、
いざ、スカイ島へ!
このカイルオブロカルシュは本島の列車の終着点でスカイ島の玄関口なのでスカイ島まではそうは遠くはない。ちなみにカイルオブロカルシュはここです。だいぶ来ましたね笑
車を走らせる。
スカイブリッジが見えてきた。
いよいよスカイ島だ。
心を整えて、橋を渡る。
魂が燃えていた。
14:00
遂に念願だったスカイ島に入り、
ぐんぐん進む。
つくづく島だ。
本当になにもないのだが、なにかを感じる。
感情のパワースポットなのだろう。
だんだんGPSの様子がおかしくなり、
勘で進む。
15:00
なんとかfairy poolsの駐車場になっているであろう敷地に着いたはいいが、
辺りは少し薄暗くなりかけていた。
WiFiも入らず、もちろん電波もない。
Google Mapも作動しない。
どうしたものか。
あたりを見回すと遠くからこちらに向かって歩いてくる人がいた。
きっとfairy poolsへ行った帰りなのだろう。
よし、行ってみよう。
凍えそうな寒さだったが不思議と大丈夫だった。
胸躍らせ歩いていると目の前に川が現れた。
渡ろうとしても流れが早くて渡れない。
しかも靴脱いでズボン捲り上げないとびしょ濡れになる感じだった。
この極寒の中で裸足になるという苦行に耐えかねて、渡れずにいた。
さらに暗くなってくる。
16:00
足を踏み外すことなく渡れるだろうか。
ここからどれくらい歩くのだろうか。
日が落ち切る前に辿り着けるだろうか。
ここまできてネガティブな感情だけが僕を支配していた。
16:30
更に辺りは暗くなってきていた。
すると向こうからまた2組、小走りで戻ってきた。
渡れずにいた僕らを見て彼らは言った。
「もう暗くなるから戻った方がいい、
出直しだ!」
そうだよな、こんな真冬の異国の孤島に生身の人間がとり残され、辺り真っ暗になったらどうしたものか。街灯1つすらないのだ
想像するだけでゾッとした。
旅の目的の1つだったこのfairy poolsを見れないことは本当に悔しかったが、生きて帰る方が先決だ。
生きてさえいればまたチャンスはきっと訪れる。
必ずリベンジする。そう誓った。
捲り上げていたズボンを戻し、濡れて固まった足をズボンで拭い、靴下を履き、泥だらけの靴を履いた時、目の前の光景に唖然とした!
なんと、先程の2組が女性をお姫様だっこしてワイルドに川を渡り始めたのだ。
「Amazing!!」
心の中で叫んだ。
当たり前にこんな行動ができる人は世の中にどれくらいいるだろうか。
自分にガッカリしながら、b&bがあるカイルオブロカルシュまで帰るのであった。