プロセスの価値を最大化する

彼が最も愛したのは、そのプロセスだったのではないかと思います。計算のプロセス。物事を理解するプロセス・・・・・。出てきたものがビッグで重要かどうかは、彼にはあまり問題ではないようでした。奥義めいて風変わりかどうかも。彼にとって大事だったのは、それを見出すプロセスでした。・・・・・・一部の科学者たちは（たぶん、わたしも含めて）、壮大な知の体系を築き上げようという野心に突き動かされています。しかしファインマンは少なくともわたしが彼と接していた時期にはーむしろ、実際に科学をやるという純粋な喜びに突き動かされていたのだと思います。彼は物事を明らかにしようとして、とりわけ、計算をやりながら時間を過ごすのが一番好きでした。しかも彼は衛大な計算者だったのです。おそらくあらゆる点において、これまでに存在した最高の、計算者でしょう。いつ見ても、信じられないくらい見事だと思いましたね。何かの問題に取り組み始めると、どんどん何ページも計算で埋め尽くしていくんです。そして、最後に、ちゃんと正しい答えを出しているのです！しかし彼はいつも、それでは満足しませんでした。答えを出したら、また初めに戻って、どうしてそれが明白だったのかを理解しようとするのです。

ファインマンさんの流儀

ファインマンさんの流儀: すべてを自分で創り出した天才の物理学人生

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