アドバイスを聞け!聞くな! の巻
こんにちは、壁画とライブペイントでメイクマネーしながらメルボルンで生活しているペインターのhitchです。
やばい、前回の投稿からひと月くらい経ってましたね。ずっと考えてたんですが、言葉にまとめるのは大変だ...
えー、今回の内容は人から受ける「アドバイス」についてです。
絵で食えない頃って、何をどうしたら良いか分からないから、誰かから「アドバイス」を聞くこと/受けることって多くないですか?僕は不安からか、なんなら積極的に人の意見を取り入れていたんですが、長い間これこそが悩みのタネでした。
前回と同じように、もし自分と同じようなことを感じていれば少しその人の救いになればと思って書いてみます。
では順に。
そもそも正解がない
絵を描く世界、特に僕がやっているような感じだと、他の職業と比べると大正解のキャリアアップというものはほとんど存在しないと思います。出自や学歴はもちろん、技術や営業力ですら一要素に過ぎません。もちろん進む道が超明確であれば手札をどう切ればいいか考えられるけど、若くて選択肢が多ければ多いほど却って進む道が見えないものです。
となると、何を信じてどこに向かって進んでいけばこれで飯が食えるようになるのか分かりません。この状況こそがアドバイスを求める素地になります。
アドバイスであふれている
一方で今の時代、何かのやり方を学ぼうと思えばいくらでもハウトゥーはネットで調べられるし、センパイは直接アドバイスだってしてくれるでしょう。そりゃ誰だって避けられる失敗はしたくないし、答えが分かれば安心です。
でもなぜか人のアドバイスを受けたせいで失敗したことはありませんか?あるいは、アドバイスに傷ついた経験はありませんか?なんか僕はずっとそうでした。
アドバイスを受ける前に
役に立つはずのアドバイスなのに却って不安が広がってしまうようでは本末転倒。それに輪をかけて絵を描くのが億劫になってしまうのではマジで最悪です。
さて。これは僕の経験則ですが、アドバイスを受け取るためには多分②つの事前準備が必要です。これをせずに世の中に数多あるベクトルの異なる「アドバイス」を受け止めてしまうと、タメになるどころが変なバイアスがかかっちゃいます。
…今からその「アドバイス」的な風呂敷を広げる自分としては、とても大きなブーメランを投げちゃったフシもありますが、その実この記事は「当時大学生の時の自分に教えてあげたいこと」が根っこにあるからです。
僕の実体験
僕が大学生の頃は、将来なんて見えないから、ずーーーっとうっすら不安でした。(たぶん全美大生、っつーか大学生はそういうもんなのか)日々楽しく絵を描いているし充実してる、けど絵で食べてる人って少ないから、そもそも何を頑張ればいいのか分からない。
不安から幾冊もの本や、数少なかった先輩達から好んでアドバイスを聞くようにしました。その都度、得心がいったり真似してみたり、文字どおり右往左往しながら目の前の不安をやり過ごしていたように思います。
そこで得た経験則であり、先に書いた「アドバイスを受け取るための②つの事前準備」を答えから書くと、以下の2つです。
①自分について知ること、信じること
②相手について知ること、自分と比べること
順に説明しますね。
①自分のルーツを知ること、信じること
まずは絵を描くことがあなたにとって何なのかを知ることがすげー大事です。先が見えない中で続けていると、ふと自分がなんの為にこんなことやっているかが分かんなくなるからです。そしてこれが出来ていれば人のアドバイスを聞くときの基準、軸になります。
この「絵を描くようになった理由」はおそらく幼い頃の影響が大きいと思います。両親から褒められたから、とか家にいつもあったから、とか。あと、きっと個人的なことなので、人に説明するのが少し恥ずかしい理由であることもあるかも。
絵を描くことがあなたにとって、①好きなことなのか②楽なことなのか③やりがいがあることなのか、といった絵とあなたの関係性を知ることが、まずは全てのモチベーションの核になります。その理由がなんであれ、他の人にとってどうであれ、それを認めて自信を持つこと・楽しむことが、続ける上で何より大事なことだなと思います。
そもそもですが、あなたのことをあなた以上に詳しい人はいないので、あなたが自分なりに悩んで出した答えであれば、ひとまず自信を持って取り組んでみるべきです。僕の経験では、自分の成功体験の足跡が結果自分らしいやり方になっているので、継続さえしていれば自ずと自信を持てるようになっていきます。ペダルが重いのは漕ぎ始めだけ、的な感じです。
+補足だけど、絵を描くことがあなた自身にとっての幸せじゃないなら、長く続けることが苦痛になるかもしれないです。例えば①人に褒めてもらえるから②誰かに勝ちたいからというモチベーションは、短期的には自分をブーストしてくれるけど、その先がないから虚しくなります(経験談)
ちなみに僕のルーツは、子どもの頃に母親がプラ板にウルトラマンの絵を描いてくれた記憶が絵を好きになった原体験でした。結構絵が下手な母親だったけど、なぜかウルトラマンは上手く描けて。描いた絵が膨らんで硬くなってキーホルダーになるのがうれしくて、「絵をかけると楽しいな」と思ったのが初期衝動でした。
そして、今の自分にとって絵を描くことは、楽だから50,好きだから30,需要・お金20って感じです。もちろんかなり好きだからやってるけど、強いて正確に言えば、「他の人は辛いって感じるくらいでもずーーーーっと描いてて苦じゃない、これが自然で楽だ」っていうストレスがないってポイントが高くて続けられていると思う。
②相手について知ること、自分と比べること
アドバイスの事前準備、2つ目はこれです。①どういう人が語っているのか②その人は自分とどう違うのかを検討してから情報を取捨選択した方がいいと思います。
なぜならいくら魅力的なアドバイスであっても自分とタイプの違う人のアドバイスは自分の身には活かせないことが多いからです。
思いつきの例えですが、宮崎駿と押井守はどちらも最高だけど両者が同じ美学で創作活動をしているわけではないですもんね。
ちなみに僕がよく聞いた間違ったアドバイスというのは、その人の自己弁護・自己顕示みたいな話。みんな自分が歩いてきた道は肯定したいし肯定すべきだと思うけど、「こうしないとダメ、あなたは間違ってる」ってアドバイスは僕は苦手です。
ま、あんま無いですけどね。数年に一度大きいのにブツかって、なぜか自分がすげー傷つくってことがあるから、これは俺にとっての教訓です。そう言う時だいたい酔ってるから傷つくのかも。
愛のないアドバイスはクソだし、愛があっても受け入れらればいアドバイスなんて腐る程ほどあると思います。
③アドバイスの消化
さて。以上の②つが出来ていればあとは簡単です。
まずはアドバイスなんて忘れて寝たりゴロゴロしたのち、一人で銭湯にでもいってゼロから考えてみるです。
要するに、アドバイスを消化するためには一度素の自分・ルーツに立ち返り、そこを出発点に一人で落ち着いて方針を考えることが肝心です。
鉄は熱いうちに打った方がいいけれど、一旦冷ましてからじゃないと長続きしないし、自分らしい形には変えらないんじゃないかな。
長くなりましたね〜。。まとめます!
とにもかくにもまずは①自分について知ること、信じることこそが何よりも大切です。そのうえで誰かに意見を聞きたいときは、次にその②相手について知ること、自分と比べることです。そのひとのアドバイスが①に矛盾しなければ参考になるかも。矛盾する・なんか直感的に違うなら忘れてok。最後は③アドバイスの消化をするためにも一旦距離を置きましょう。自分一人で①②を反復し、最終的には自分が後悔しない道を選び人になんと言われてもしばらく続けて見ること。不安になったらまた繰り返し。
はい。人の意見は(たまに)大切だけど、まずは自分が、って話でした。
人との違いはむしろ美点です。今はまだ無い価値観なんだから、不安はもちろん風当たりは強くて当然です。まずはあなたがそれを信じてあげて、作品を通じて世界の価値観を変えられたら最高でしょう。
俺は思うんですが、多分その先には美意識が違っても人との違いを尊重できるし、むしろ楽しめるようになると思うんですよね。「俺とは全然違うけどやってる事すごいかっこいい」って最高です。
他の人はわかんないけど、もう何年もそれを信じて絵を描いてきました。少しでも、同じ境遇でくらってる誰かのためになればいいな〜。
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以上っす。長いから書くのが大変なんだな。。
もっと短くしよう、、すいません。
えーメルボルンの今の気候はどうなんだろう?よくわかんないですが、まだコートが必要な感じあるんじゃないかな。ではまた!
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