#7 - Hannah Antalek "Superseed" (550 Gallery)
550 Galleryは、NY、クイーンズのロング・アイランド・シティーにある、ガレージスタイルのギャラリーだ。
いわば、ガレージの中をギャラリーとして綺麗に改装したような空間で、玄関扉もなく、営業時間はスペースが外に向かって開け放たれているという、なんとも開放的なギャラリーなのだ。
外から見たギャラリー。作品がすぐ見える。
作品を展示しているHannah Antalek(ハンナ・アンタレック)はNYブルックリンを拠点にしているアーティスト。個人的にも友人なので、たまに会ったり彼女のスタジオで他のアーティストも含めて作品の講評会などをやったこともある。とても気さくで素敵なアーティストである。
彼女は(キノコを生み出す)菌糸体などからインスピレーションを受け、放射能などの重大な汚染を受けた時に地球上の自然がどのような異質な進化を遂げて生存していくかという仮想の世界を描く。
薄暗い場所でその植物は光っている。
キノコのようなソフトな形状をした花や葉っぱたちがモチーフで、独特の色彩。薄暗い退廃した森の中でそれは光を放っている。
この色彩、クセになる〜!!!!
とても鮮やかだけど、ちゃんと綺麗な中間色も使っていて、グラデーションが綺麗。
絵画の制作に入る前に、モチーフのミニチュアのジオラマを作って作品のモデルにしているらしい。
下の作品もジオラマを作って描いたのだろうか。
色域をあえて絞っていることがとても効果的で、どの作品にも謎めいた雰囲気があり、どこか惹きつけるものがある。
この暗がりの中で内側から光を放つ、何か生物的な化学反応が起きているような情景は想像力を掻き立てるし、見ていて気持ちいい。
シンプルだけど上の赤い絵も好き。同じモチーフだけど、抽象化に向かっているような感じがある。
こんな感じで小さいけど見応えのある展示だった。私が大金持ちなら全部買い占めたいと思った。
ハンナについてもっと知りたい人の為に彼女のインスタグラムを貼っておく
この展示に関するレビュー記事はこちら
1 - WHITEHOT MAGAZINE
2 - Two Coast of Paint