軍事学を学ぶことの重要性
軍事学とは、軍事に関すること、もしくは、国防に関することです。英語では、Military Scienceになります。
なぜ、こんなことを言っているのかというと、どこの国でも軍事力を整備し、運用しています。その軍事力を利用して、外交戦略として使用しているわけですね。そもそも、軍事知識及び運用部分について、何も知らなければ、なぜ、そういう行動をするのか理解できないと考えています。まぁ、ミリオタなので、半分趣味で、勉強しているものもありますが、自分の中で、軍事学とは、国防だけでなく、広く安全保障に関わる内容のことを指すと認識しています。
では、具体的にどんな勉強をしているのか?一例として、自分が尊敬している一人である軍事アナリストの小川和久さんのメルマガ「Newsを疑え!」を購読しています。毎月1,000円で、週2回(月曜日と木曜日)配信されます。旬な話題から、兵器運用や知識、都市災害、医療問題など、国家の安全保障に関わる内容を配信しています。ちなみに小川さんは、静岡県のドクターヘリ導入に際し、尽力された方の一人です。
今週の月曜日(2/22)に配信された内容の一部をご紹介致します。
『NEWSを疑え!』第935号(2021年2月22日特別号)
【今回の目次】
◎テクノ・アイ(Techno Eye)
・米特殊部隊の手投げ式電子戦機
(静岡県立大学グローバル地域センター特任准教授・西恭之)
◎編集後記
・ワクチン接種、どこに行った「率先垂範」(小川和久)
◎テクノ・アイ(Techno Eye)
・米特殊部隊の手投げ式電子戦機
静岡県立大学グローバル地域センター特任准教授・西恭之
米軍は特殊部隊員が手で投げて発進させる、電波妨害用の小型無人航空機を開発した。国防総省が2月7日発表した、2021年度(21年10月-22年9月)の研究開発・試験・評価予算見積書に、「プロジェクト・ホーネット」として記述されており、明らかになった。
プロジェクト・ホーネットは、「前方展開した兵員が、紛争中の環境で敵の電磁波利用能力を遮断・妨害するため使用できる、先進的な手投げ式無人航空機システムを開発し、テストした」と記述されている。
「紛争中の環境」は、米軍が航空優勢を確立しておらず、従来の電子戦機を投入できない空域を指す。米空軍のEC-130Hコンパス・コールは、敵の電波を探知し、発信地を割り出して妨害し、敵の通信を改変することもできるが、機体は大型で速度が遅く、乗員13人を乗せて戦闘が行われている環境に投入することはできない。MQ-9リーパー無人攻撃機も電子戦ポッドを搭載して通信を妨害できるが、航空機への脅威が高ければ、目標へ接近できない。
↑EC-130H電子戦機(2015年、米空軍撮影)
そのような環境で特殊作戦に必要な航空機は、特殊部隊が持ち込まなければならない。米特殊作戦軍は、全長10センチのノルウェー製ヘリコプター「ブラック・ホーネット・ナノ」、カタパルトで発射する全長155センチの固定翼機「スキャンイーグル」など、大小さまざまな無人偵察機を配備している。長さ60センチの筒から発射する、カメラ誘導・自爆突入型無人機「スイッチブレード」も使用している。
プロジェクト・ホーネットの機体は、手投げ式無人偵察機のRQ-11レイブン、RQ-12ワスプAE、またはRQ-20ピューマの派生型かもしれない。この3機種もスイッチブレードも、米エアロバイロメント社が製造している。
RQ-11は翼幅137センチ、全長92センチ、重量1.9キロの固定翼機で、電動モーターによって主翼の後ろのプロペラを回して推力を得る。巡航速度は時速42キロで、1-1.5時間飛行できるが、通信範囲は10キロメートルに限られる。2003年以後、西側の軍用無人機のベストセラーとなっている。
↑RQ-11無人偵察機 (2008年、イラク・キルクーク基地、米空軍撮影)
RQ-12はさらに小さく、翼幅72センチ、全長25センチ、重量500グラムの機体を分解するとリュックサックに収まる。時速32-64キロで最大50分間飛行し、半径5キロの範囲で通信する。米海兵隊は大隊・中隊にRQ-11、小隊にRQ-12を配備している。
↑RQ-12無人偵察機(米空軍撮影)
RQ-20は翼幅2.8メートル、全長1.4メートル、重量は5.9キロあり、手で投げて発進させる無人機の中では大きい。気温はマイナス29度からプラス49度、風速13メートル、降水量1時間25ミリまでというさまざまな気象条件の下で飛行できる。RQ-20は電動モーターで機首のプロペラを回して、時速37-83キロで最大2時間飛行し、半径15キロの範囲で通信する。
↑RQ-20無人偵察機(2018年、カリフォルニア州 キャンプ・ペンドルトン、米海兵隊撮影)
国防総省の予算見積書は、プロジェクト・ホーネットの無人機が「さまざまな電子的脅威に対して使用可能な、多用途で適応性のある能力を提供する」と述べている。通信だけでなく、衛星測位システム(米軍のものをGPSという)やレーダーも妨害できるということだ。
電波の強さは発信源からの距離の2乗に反比例するので、敵のアンテナから10キロ離れている電波妨害装置を1キロまで近づけると、効果は100倍となる。また、電波妨害装置を小型化して特殊部隊に携帯させることによって、敵のアンテナへ接近する距離を従来の10分の1に縮めると、妨害電波の強さが従来の100分の1でも同じ効果を発揮する。
衛星測位システムに対する妨害装置を航空機に搭載すれば、見通し線内の地域が広がり、敵の多数の受信機を妨害することができる。また、敵の無人機の測位と通信を妨害することで、味方に対する偵察や空爆を阻止することができる。
プロジェクト・ホーネットの無人電子戦機はすでに運用中と考えられる。予算見積書によると、「実証飛行に成功後、陸軍特殊作戦コマンドに移管されており、同コマンドは、装備を柔軟に調達する権限を行使して、その能力を米軍全体の特殊作戦コミュニティに広めるつもり」だという。
もっとも、小型無人機も電波妨害装置も世界に普及している。敵味方の無人機が互いに電子攻撃を行うようになるのは時間の問題だろう。
(参考文献)
Department of Defense Fiscal Year (FY) 2021 Budget Estimates: Defense-Wide Justification Book Volume 3 of 5: Research, Development, Test & Evaluation, Defense-Wide, p. 346. 2020年2月.
上記メルマガの内容を拝読しつつも、こういうのは、災害に使えないのか?ということを考えています。一番重要なのは、国民一人一人が、軍事に関心を持ち、国家の安全保障はどうなっているのか?に疑問を持つことによって、自分たちの暮らしが向上していくのは間違いないはずです。
例えば、先の無人偵察機を導入することで、警察官の負担が減らせるかも?考えることは必要かと考えています。
より、多くの方が、軍事に関心を持っていただければ幸いです。
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