ちゃんとみている
仕事とプライベートに忙殺されていて、大切なことをふと思い出したので、記事に書いています。ご存じの方はご存じだと思いますが、記事の表紙に掲載した写真は、そう、これは、映画「硫黄島からの手紙」です。
では、なぜ、これを出したかというと、この映画に登場する硫黄島の守備を任された小笠原方面陸海軍最高指揮官として、着任された栗林忠道少将(後、戦死認定され、2階級特進し、大将へ)を尊敬しているからです。
この映画では、太平洋戦争末期、日本が敗戦している中、本土防衛の準備時間を稼ぐために、東京から約1,250km離れた孤島に兵を22,786名を配置。米軍の海兵隊が到着するまでの間、航空優勢(制空権のこと)、海上優勢(制海権のこと)が確立できず、この島に居る兵力だけではとても持たないと判断した栗林少将は、従来の水際で防御を築くのではなく、内陸奥深くに敵を誘い込み、徹底的なゲリラ戦に切り替えた方が、もっとも長く時間を稼げると判断。水際での防御陣地構築ではなく、島の内陸に強固な陣地構築に切り替えました。が、硫黄島では、水が手に入りにくく、また、強固な陣地構築を実施するには、難しく、特に塹壕内部を掘り進めていくには、硫黄ガスの濃度が高く、内部の気温がかなり高温であったため、一回の作業時間が約5分で、作業員を交替させながらでないとできないほど、人が住むには過酷な環境でした。そのような状況の中でも、島全体の陣地構築は、60%出来上がったそうです。
↓栗林忠道少将
では、なぜ、このような状況まで持って来れたのかを考えたときに、映画及び書籍では、必ず、毎日島を徒歩で歩き、陣地構築の進捗状況、兵の士気、健康状態や精神状態を把握して、自分の指揮所に戻っていったそうです。
また、水が手に入りにくい状況では節水をしなければなりません。その為、朝の洗面はコップ一杯の水と決められていたそうです。実際にこのルールを破ったものは、階級関係なく、罰したのと、命令を発した本人も、コップ一杯の水で、洗面から歯磨きまで済ませたそうです。これは、当時の栗林少将の側近がそう証言しています。
これらの状況から考察するにあたり、部下の士気を高めるためには、必ず、あなたのことを見ていますよ、言ったことは必ず、実行する有言実行でなければならないと思います。雲の上の存在の方が、現場に来られ、必ず、一人一人の状況を確認しに来られれば、ちゃんと気にしてくれているんだ、気にかけてくれているんだという気持ちと、言ったことは必ず実行するということは口先だけなく、本当にやっているというのは、安心感に繋がるのではないかと考えています。
実際、この島に着任する前に懇意にされていた秘書の方を内地(本島のこと)に残させていたのですが、その方は、実際に栗林少将に会いに硫黄島まで追いかけてくるほど、その人がとても人間味があり、暖かい方なんだと思いました。
自分も、栗林少将のような立派な人になりたいと思っています。
追記:某公的機関に所属する前に一度、栗林少将のお墓を訪ねたことがあります。尊敬しているお墓の前で、自分の志と目指す目標を話すために訪れました。お墓の前に行くと、気持ちが引き締められるような感じになりましたね。