読まなくていいんだ。でも竹内結子はスゲー女優だったってことを言いたいんだ。
本当は明るい話題を書こうと思っていたんだけれど、今朝のニュースでぼくの心は地獄の底まで落とされた。
女優の竹内結子さんが亡くなった。40歳だった。
彼女を意識してテレビを見るようになったのは恐らく「ランチの女王」からだと思う。
その前にも「映画版リング」で女子高生役で出演されていて「可愛くて綺麗な人だなぁ」と気になってはいたんだけれど。
あれよあれよと言う間に彼女は大女優への階段をピョンピョンと駆け上って行った。
代表作を挙げたらキリがない。
特に印象深い作品は「いま会いにゆきます」だ。
ORANGE RANGEが歌った主題歌も大ヒットしたし、中村獅童さんと出会うキッカケになった作品で、のちにご結婚された。
その当時のぼくは心底、中村獅童さんを恨んだ。これは冗談抜きで。
誰かのファンならこの感覚はわかるであろうが、わからない人には大概気味悪がられる。だって実際にお会いできる事なんてそうそう無いし、ましてやお付き合いして結婚するなんて、100メートル先にいるおじいちゃんの耳の穴の中にティッシュで作った小さなボールを詰めるくらいだろう。
そんな事、ぼくにだってわかってるわ。
だけど、若者の可能性は無限大だし、何かのきっかけでお会いできるかもしれないと当時は本気で思っていた。
実際、ぼくは都内某所でドラマの撮影をしている彼女を見ることができた。少し先、ほんの5メートル先に彼女はいた。
綺麗だったし、可愛らしかった。ぼくはますます彼女のファンになった。
2014年8月、渋谷パルコ劇場で三谷幸喜さん作の舞台「君となら」が上演された。どうしてももう一度本物の彼女が見たくて、チケットを必死で入手した。
これを書いている今、改めて調べたのだが、これが彼女の初舞台だったそうだ。そんな雰囲気を微塵も感じさせることのない演技は圧巻だったし、笑いあり涙ありの三谷幸喜さんの喜劇にはピッタリの女優さんだなと言う思いがぼくの中で核心に変わった舞台だった。
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「好きな女優さんは誰ですか?」
合コンや初めて会った異性からの常套句である。
ぼくの答えは決まっている。
「竹内結子です」と。
で、こう返される。
「彼女のどんなところが良いんですか?顔?」
そりゃ顔は整っているしとっても綺麗だと思うんです。だけどね、彼女の泣く演技にぼくは魅了され続けたんです。
今にも泣きそうな表情をした彼女の、その切ない目は、この世界中の悪を一手に引き受けてしまった人の表情のような悲しみと怒りと罪悪感がいっしょくたに表現されている。
うって変わって笑顔の彼女は、この世の全ての善を凝縮したような、まるで太陽のような、そんな明るさを持っていた。
そんな彼女をもう見れないと思うと、友人でもないのに何とも形容しがたい気持ちになる。
だから、そんな気持ちを振り切るように朝から晩まで働いてしまった。
おかげで懐は潤うのだが、心はカッサカサのままで、ファンケルのちょっと高めの化粧水と乳液でも潤わないんじゃなかろうかと思う。
本当に参った。
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残念なことに今年に入って芸能人の訃報が絶えない。多すぎる。
新型コロナウイルスの影響でお亡くなりになった志村けんさんと岡江久美子さん。未だに信じられない自分がいる。
そして三浦春馬さんや芦名星さん、そして竹内結子さんだ。
全て事実であり現実なんだけど、ぼくたち一般市民からしてみれば、どうしてもフィクションのように感じてしまう。
これはもうしょうがないことなんだろうけれど。だってそもそも住む世界は同じだけれど遠い存在の人たちであるから。
だけど、同じ人間であって、彼らもぼくらと同じように悩み、苦しみ、もがきながら日々生きていたはずだ。
自ら命を断つ事への「なんでだよー!」は、ぼくは言えない。
だってその人の苦しみや不安を100%理解できないだろうし、もし近くにいれば何かしらできることがあったかもしれないと思うが、当人にしかわからない「生きている辛さ」が間違いなく彼らの胸の奥底に巣食ってしまっていたんだと思うから。
とても悔しいけれど、しょうがないんだ、と自分に言い聞かせている。
ちょっとでも油断すると、泣いてしまいそうになる。
こんなことは初めてだ。
遠い存在の芸能人の訃報を聞いて涙するなんてキャラでぼくは売っていない。だから、泣かないと決めた。
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死者を弔うという行為は人それぞれだと思う。
その人が生きてきた証を振り返ることなのかな、とぼくは思っていて。
だから、もう少ししたら彼女が出ていた作品をたくさん観たいと思う。
つい先日も実家で彼女が主演を務めたシャーロックホームズを2話ほど見たばかりだ。
つづきは気になっているんだけど、ちょっと観れそうにないな。
彼女の演技、ぜひ見てください。
特に泣くシーン。たまんないです。ストロベリーナイトなんかオススメです。
そして笑顔の彼女も素敵です。だからたくさんの人に見てもらいたいです。
ぼくなりの弔いは、もう少し先になりそうだ。