【Reddit】ディズニーワールドであった魔法のようなお話
みなさんこんにちは。WBです。
Reddit にはr/IAmA という、○○だけど質問ある? という会話を集めたサブレディットがあります。そこでディズニーワールドでグーフィーとして20 年働いている従業員が、質問ある? スレッドを立てました。
そこでとても心温まるお話があったのでご紹介します。(ソースリンク)
なお、投稿が5 年前なので、既に他のサイトで紹介されているかもしれませんね。
質問者「魔法のような瞬間とかのよいストーリーはある? 20 年も働いていたなら何かしらあると思うけど…。」
投稿者「一つだけ他よりずっといい話があるよ。誰かがこの質問をするのを待ってた。それがきっかけでVIP 向けのツアーガイドの職を辞めて、キャラクター本部に移ったんだ。
自分がシティ・ホール施設で働いていたとき、二人のゲストが二人の女の子を連れて現れた。一人の女の子は車椅子に乗っていて、もう一人の子は今さっき誰かが死ぬのを見たかのようなひどい有様だった。二人とも切り傷や打撲傷があって、車椅子に乗っている子は片腕がギプスで固められていた。二人の大人の女性は実は病院から来たナースで、女の子たちのチケットの返金を求めてきた。自分達としては、それはなんとしても断ることになっていたんだけどね。自分が理由を聞くと、教えてくれた。二人の女の子はエプコットに両親と来ていて、帰りにひどい自動車事故に遭った。母親は彼女たちの目の前で首をはねられ、父親も死んだけど二人にはまだそれが知らされていなかった。彼らは海外から来ていて、お金も知り合いの連絡先も持っていなかった。二人の女性は女の子たちが家に帰るためになんとしても必要なお金を得るためにチケットを持ってきたんだ。自分の心は沈んだね。実際に女の子たちを見たらそうなるよ。本当にトラウマを負ったようだった。自分はチケットを返金して、その日の残りは彼らのプライベート・ツアーガイドになるための許可を取った(彼らは予想してなかったみたいだけどね)。自分は彼らをVIP 用のパレード観覧エリアに連れて行った。シティ・ホールで自分が着ていたコスチュームだとそこまで行くのが限界だったんだ。そこで彼らはしばらく待ち、自分はVIP 向けのコスチュームに着替えた。それから彼らを連れ出し、考えつく限りの子ども向けジョークを言った。自分は優秀なツアーガイドだったし(一部の台本は自分が考えたし)子どもを笑わせる方法も知っていた。何も効かなかった。二人の女の子は心ここにあらずだった。自分は彼女たちを橋のところに残して着替えに戻り、バックステージに行って大声で泣いた。こんなにひどい経験は初めてだった。自分はひどく動揺していて、この状況をどうにもできないことに対する無力感で惨めな気持ちだった。自分は戻って彼女たちにアイスクリームを買ってやり、乗り物に乗せたりしたけど決して笑ってくれなかった。一度もね。ナースたちは喜んでくれて、盛り上げようとしてくれていたけど何も効かなかった。自分たちは橋に戻ってパレードを見ることにした。そこで自分は本物の魔法を見ることになった。本物だよ、嘘じゃない。自分はパレード本部の人を呼んで何が起こっているか説明し、パレードの後にプライベートな交流会を企画した。パレードがリバティー・スクエアに近づくと、自分は女の子たちにミッキーを呼んで女の子たちのことを伝えたと言った。それからミッキーがパレードの後に女の子たちに会いたいってお願いしていたと言った。
車椅子の子がニコッて笑った。
「本当に?」彼女は尋ねた。自分の心臓がとび跳ねた。「うん、そうだよ! ミッキーは君たちに、パレードの中でミッキーを探しだして、シティ・ホールまでついてきてと言ってた。」
もう一人の子も笑った。
「今探すの?」彼女は尋ねた。
うまくいった。話してくれている。声を出して笑っているわけじゃないけど、話してくれる。彼女たちが話すのを聞いたのは初めてだった。パレードのパフォーマーの人が一人ずつ橋の上に来て、ミッキーを探し出してと言った。一人ひとりみんながそう言ってくれた。ミッキーのフロートが来た時、ミッキーは(フロートのトップにあるポールに掴まってたんだけど)身体を回転させて、女の子たちを見降ろしてメイン・ストリートの方向を指さした。それだけだったけど、女の子たちは喜んでくれた。死のことは忘れているようだった。魔法の世界に包まれていて、自分は目の前で起こっていることが信じられなかった。自分たちはフロートの後を追い、やっとシティ・ホールに戻った。その間中「ミッキー・マニア」を歌っていた。そのころシティ・ホールには受付の後ろにVIP ラウンジがあって、問題が発生したときやセレブを受け入れるときに使っていた。自分はそこに彼らを連れて行って、サインが沢山書かれた本を見せた。彼らは食い入るように見つめていた。
その日にミッキーの役だった女の子がフロートから降りてきて、頭も取らずにバックステージにいる自分のところに来て、「行こう」と言った。自分はミッキーを後ろに従えて、女の子たちが新しい友達と会うタイミングを見計らった。彼女たちは恥ずかしがっていたが、今はもうミッキーが場をコントロールしていた。女の子たちはその日に本物のミッキー・マウスに会ったんだ。パレードのキャラクター一人ひとりが、コスチュームを着たまま女の子たちに会った。一人ひとり彼らは来て、少し演技をしてから去った。そのラウンジに一時間以上はいたかな。ミッキーはその間ずっとコスチューム姿だった(パレード後には辛いことだったけど)。最後にミッキーがさよならを言ったとき、自分のところにはずっとニコニコしている二人の女の子が残った。いっぱい喋ってくれた。その後はすばらしい一日を過ごしたけど、自分が一番覚えているのはローズ・ガーデンに差し掛かった時、年上の子が「あ、お母さんが好きなバラだ!えっと…」と言って止まったこと。自分は手を差し伸べて彼女をゲートのところまで連れて行って、彼女を持ち上げて反対側に降ろして「一本取っていいよ!」と言った。彼女は楽しそうにお気に入りのバラを摘み取った。彼女は何も言わなかったし、言う必要もなかった。自分は素晴らしいナースたちと女の子たちにさよならを言って、ステーションの後ろにあるバックステージに向かった。今度は泣かなかった。こんなことの一部になれて、本当に気持ちがよかった。自分はシティ・ホールでゲストのお手伝いをするのも好きだったけど、ディズニーの本当の魔法はキャラクター本部にあると悟った。自分はオーディションを受け、異動して二度と戻らなかった。この話をもう一度させてくれてありがとう。今日は特別な日だな。
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ディズニー従業員のプロフェッショナル精神、思い入れが強く感じられる、迫真の内容でした。楽しんでいただけたら幸いです。
また何か面白い内容があったらご紹介したいと思います。
では、また。