『FREDERICA(フレデリカ)』こんなハクスラを待っていた
2023年9月28日Nintendo Switchで発売、その後Steamで10月4日に発売されたアクションRPG「FREDERICA(フレデリカ)」。
いわゆるフルプライスと比べて少々手頃な値段とやや地味な画面映像から発売前は不安視する声も聞かれましたが発売後は一定の支持を集めているといって良いでしょう。
実はフレデリカにははっきりとしたコンセプトがありそれを理解せずにプレイすると単なる大味なアクションRPGに見えてしまうかもしれません。
フレデリカが単なるアクションRPGでないのなら一体何なのでしょうか?
・まずはハクスラRPGについて
ハクスラという単語をご存知でしょうか。
「ハック&スラッシュ」の略で広義においては敵を戦闘で倒し進むゲームを指してこう呼びます。ジャンルはRPGやアクションなどになります。
しかし狭義においては、
「強さや特殊効果が様々なランダム装備を集め」「キャラを強化し敵を倒しステージを攻略する」
といった作りのゲームをハクスラと呼びます。
たとえRPGであってもストーリーはメインではなく同じようなステージを繰り返し攻略して徐々に先のステージに進むのが目的となります。
ハクスラの醍醐味といえばやはり新しい装備を手に入れて一気に強くなったキャラで敵を蹂躙することでしょうか。
苦戦した敵キャラを軽々となぎ倒す気持ち良さを楽しむのがハクスラの醍醐味だと言えます。
・選択肢の乏しかったハクスラRPG
Nintendo Switchのソフトとしてはやはり「Diablo(ディアブロ)」シリーズがハクスラの主流だと言われています。
しかしディアブロは元々アメリカのゲームであり日本的なとっつきやすいグラフィックやキャラで楽しみたいという声が上がっていました。
一方日本のメーカーではレベルファイブや日本一ソフトウェアなどがハクスラを意識したゲームをいくつか発売するものの独自のアレンジを加えた作品が多く「シンプルにハクスラをやりたいなら結局ディアブロしかない」(あるいはインディーゲームなど)と言われていました。
そこへしれっとシンプルなハクスラを出してきたのがマーベラスです。日本的なかわいいキャラでありながらゲーム性自体はシンプルであり装備を「掘る」楽しみに特化した良作でした。
・フレデリカはハクスラRPGである
フレデリカをやると随所に「わかっている」箇所が見られます。
アクション部分はあっさりしておりアクションの腕でゴリ押し出来ないバランスになっています。アクションが上手いだけで先に進めてしまっては装備を集める楽しみが十分に味わえないのでこれはデザインとして間違っていないと思います。
あるいは、7人のキャラを切り替えて使うというデザインも秀逸です。1人のキャラを育てていても装備のバリエーションには限界があります。
そこへ「大人数を切り替えて使った方が有利」という方式にしたことでそれぞれの装備をあつめる必然性が出てきたのです。
またハクスラと相性のいいローグライクの要素を取り入れたり素材の加工などソシャゲっぽい要素も取り入れています。
これらを総合してフレデリカは最大限にハクスラRPGを楽しむことをコンセプトとした作品であると結論づけることが出来ます。
・ハクスラRPGの新たな選択肢
これからは「 Switchでハクスラやりたいんだけど何がオススメ?」という問いにディアブロと並び「フレデリカがオススメだよ」という返しが出てくることでしょう。
これこそが我々の待ち望んでいた日本産ハクスラRPGの決定版なのです。