日記(SNSアカウント削除/American Dirt騒動まとめ/残穢/きもの展/恐怖小説キリカ/暴力と破滅のスティーヴン・キングアンソロジー)
小説の執筆が滞っているので日記を書く。
『残穢』再視聴
いまこの文章を書きながら『残穢』の映画を再視聴している。一度観た映画なら流し観して文章も書くことができるんだが、小説はそうもいかないんだよな。『残穢』、映画だと語り手が竹内結子で、その淡々とした語り口がすっごく魅力的。とても良いです。
SNSアカウント削除
SNSを観てる時間が勿体ない&仕事が切羽詰まってきたので谷林守アカウント以外のTwitterアカウントを全部削除した。実際TLを見る時間が減ったので別の作業に集中できてる。今日はAmerican Dirt騒動のまとめ記事を書いた。
東京国立博物館訪問
昨日は東京国立博物館の「きもの展」に行ってきた。インターネットで検索したら空いてるって情報がガンガン出てきたので、一週間前に予約しておいたのだ。前日の晩まで「上野のミュージアムあたりでお盆なら激混みでは……」と後悔したのだけれど、実際に行ってみたら全然気にならなかった。お盆だから山手線は9時台でも全然人がいないし、国立博物館も30分につき150人までしか予約できない仕組みになっていて、あの規模の施設だったら混雑は緩和されてると言っていい。
肝心の中身だが、安土桃山~現代にいたるまでの着物全般の変遷をしっかり押さえててかなり面白かった。1600年代までは金糸とかをがっつり使った豪華な着物だったのが、「流石にお前ら金使いすぎ」って政府から豪華にするの禁止って命令が出た結果友禅染が発達した……とか。
柄と色の使い方も面白くて、特定の柄に対して「本来なら使わない色」をガンガン使う。たとえば銀杏の葉の刺繍を赤・青・薄緑・濃緑・ピンクの5色で表現してるものがあった。限られた条件下で色んな表現が生まれている……というのがはっきりわかるので、セレクションの妙が光る。
常設展も全部観たが、とにかく展示数が多い。日本美術史を追う展示・日本の考古史展示、テーマ別展示(仏像・漆工・刀剣・アイヌ・陶磁器・近代美術など)、東洋館のアジア展示等々。一番面白かったのは東洋のガンダーラコーナー。インドでも西側なのでギリシャ芸術の影響を大きく受けているので他の石像美術に比べて明らかに顔の彫りが深いし、なにより仏教芸術の中に「アトラス像」が混じってる。ギリシャ神話やんけ!それほど興味のない話題に触れるの、やっぱり大事なんだよな……。
『恐怖小説キリカ』
トーハクには5時間近くいた中で、昼食休憩中に手元にあった澤村伊智『恐怖小説キリカ』文庫版を読んだ(ぼぎわんとずうのめは既読)。澤村さんは自分の作品構造をしっかり意識してる方なんだな。あと、読んだひとにしかわからないんですが、過去に書いた作品で「文章がきつい」「大学の文芸誌レベル」「同じ同人誌に載ってる作品と比べて経験値が如実に足りてない」って総スカンくらったことが(その指摘の当否とまったく関係ないレイヤーで)ショックだったという経験を思い出して、変な感じにタイムリーになった。『恐怖小説キリカ』読んだひとにしかわからない発言ですが……。
本作を読んだ理由は斜線堂有紀さんが「毎日1冊本を読むために、『すぐに読める薄い本』をジャンル関係なくストックしておく」って仰ってるのを見て「わいも見習わな!」と手元の積ん読を手に取ったからでして、その斜線堂さんから8月になって作品感想のエアリプをいただいて、因果は巡るんですなぁ……という気持ちになった。これもまた『恐怖小説キリカ』を読んだひとにしかわからない発言ですが……。
『Outer Wilds』
『Outer Wilds』がおもしろかった。22分後に太陽が超新星爆発を起こしてしまう惑星系を旅するオープンワールドRPG。遺跡探索をおこなう宇宙飛行士の主人公は、古代文明のオーパーツに触れた事で、死ぬ瞬間に22分前に戻る=自分が死ぬまでの22分間を延々とループするようになってしまう。主人公は、惑星系を宇宙船で飛び回って「どうしてタイムループしてしまうのか」「どうして太陽が爆発するのか」「古代文明のひとたちは一体何をしようとしていたのか」の3つの謎をタイムループしながらひたすら探っていく。
惑星系の規模を「22分でプレイヤーが回れる」範囲にミクロ化したことが、プレイヤーのプレイ体験をものすごく向上させている。本当に絶妙なんですよ。1分で惑星を1周できるようなスケール感なのでミニチュアライクであり、一方でオープンワールドかつ惑星系を完全マニュアルで旅していくことができるのでスケール感がある。
SFガジェットとしても「宇宙の寿命よりも古い、宇宙の起源となる謎の惑星」「内部の空間が実際の数千倍もある惑星」「ブラックホールとホワイトホールを利用したワープ&タイムトラベル装置」「観測者の観測状況に応じて6つの惑星のどこかに常に移動しつづける『量子の月』」など、ワクワクする要素が断片的に散りばめられていてテンション上がる。
暴力と破滅のスティーヴン・キングアンソロジー
「ほら、虎がいる」
「芝刈り機の男」
「人間圧搾機」
「メイプル・ストリートの家」
「ゴーサム・カフェで昼食を」
「どんづまりの窮地」
「ドランのキャデラック」
「いかしたバンドのいる街で」
なんのこっちゃという人は「暴力と破滅のアンソロジー」でTwitter検索かけてください。
終わり
気が向いたらまた書きます。
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