まかない攻略
はじめに
これから料理屋で働きたい。
そう思ったとき、1番不安なのがまかないです。
仕事は決められたことを毎日こなすだけですが、まかないはそうはいきません。
毎日メニューを考え、食材を揃え、仕込みをして作ります。
料理を作り慣れているなら難易度は低くなりますが、初めたての頃は本当に苦労します。
わたしも高校生のときは部活ばっかりしていたので、料理なんて授業や家で少しくらいしか作っていませんでした。
そんな状態で、いきなりまかないを作ることになったので多くの失敗をしました。
下手なのに調味料を量らずなんとなくで味付けしてみたり、準備をせずにいきなり料理を作ったりなど。
最初の頃は、時間がかかったり美味しいものを作れませんでした。
料理ができたとき「うわっ、この料理出したくないな」と思うくらい。
という風に最初の頃は、大変でした。
そんなに大変な仕事なら、入ったばかりの新人がするのではなくて、ベテランの人がすればいいと思いますが上の人は忙しいです。
仕事がいっぱいあるので、まかないをしている暇はありません。
それに、新人がまかないを作ることに意味があります。
まかないを通して、いろいろな食材に触ったり、切ったり、味付けをすることで腕を上げ、仕事もさせてもらえるようになっていくんです。
まかないを作るのは、仕事で使う食材を触るための、見習い期間という感じですね。
そのため、まかないは適当に済ませていいものではないんです。
ちなみにわたしは、3年以上まかないをしていました。
ずっと見習い期間だったわけではありません。
1年目勤めていた旅館を辞めて、他の料理屋に行ったからです。
そこに新人がこなかったため、一番下の自分が作り続けることになりました。
旅館では同期が何人かいたり歳の近い先輩がいたため、まかないは週に1、2回程度でした。
しかし、料理屋に行ってからは毎日自分でした。
それも、昼と夜2回作っている時期もあります。
まかないに関していうと普通の人以上に作っているんです。
その経験で得たコツなどをこの本を通して伝えていきたいと思います。