日本料理屋で働く常識37選
はじめに
仕事はそれぞれの世界が広がっている。
その分野で当たり前に行われているものも、初めたばかりの人は苦労する。
最初の一年は、学ぶことの連続だ。
それは、料理も同じである。
わからないことだらけで、少しづつ学んでいくのだ。
これから料理屋で働く人の中には、料理の専門学校に行って調理師免許をとった人もいるだろう。
そんな人なら、即戦力で活躍できると思っているかもしれない。
しかし、料理をする以前に仕事なのだ。
いくら料理がうまくできるからといって仕事ができるわけではない。
わたしも高校で調理師免許が取れる学校に通ってから、京都の料理屋に就職した。
一年目は料亭で働いて、ニ年目からは個人で経営する割烹料理屋で働いた。
しかし、一年目が大変だった。
当然学校みたいに先生が丁寧に教えてくれるわけではなく、何度も失敗して怒られながら学んでいった。
友達に高校で調理師免許をとって、スーパーの惣菜のバイトリーダーしていたと言う人もいた。
しかし、一年目の最初の頃はほとんど動けていなかった。
多少料理とバイトができたところで、実際の仕事で即戦力で動けるわけではないのだ。
だが、一年間しっかりと料理屋で働くことで他のお店でも通用するようになる。
わたしは2年目で働いているとき、料理の世界での常識を学んだら同じお店だけではなく、他のお店でも通用したのだ。
料理をすると職を身につけられるというが、本当にそうだと思う。
最初に頑張れば、一生の力をつけられる。
普通の社会人なら40歳で会社を辞めて他の会社に就職したとすると、また1からやり直すことになる。
そうすると、20代の人が先輩になったりし、気まずかったりすることもあるだろう。
しかし、料理では途中で辞めたくなったとしても、他のところでまた一から始めるのではなく、頑張ったところから始められる。
そこが他の社会人とは違い、料理を仕事にする人のメリットである。
この本は、これから料理を始める人に向けて書きました。
大変な一年目を乗り超えるために、常識を通して料理の世界を感じられたらと思います。