ToB SaaSプロダクトの営業プロセス変遷
今年の4月に新卒入社をし、配属された事業部は、ToB SaaSのプロダクトを提供している。そのため、このビジネスモデルでの各職種についての理解を深めるために、"The Model"を読んだ。今回は、自身のアウトプットと備忘録も兼ねて、内容の一部分である「ToB SaaSプロダクトの営業プロセス変遷」についてまとめた。
①従来の営業プロセス
営業担当がターゲットリストの作成から受注まで一人で行い、さらにクライアントからの問い合わせに対しても営業がフォローを行っていた。今で言う、マーケティング(以下、M)、インサイドセールス(以下、IS)、フィールドセールス(以下、FS)、カスタマーサポート(以下、CS)の役割を営業が全てをカバーしていた。
問題点)
1. 異なる多くの業務をしなければならないことで、リズムができず作業効率が低い
2. 全てのプロセスを営業が行っていることで、細かなKPIをたてられず、課題の特定や施策を打つことができない
②営業プロセスの分業化
営業がカバーしていた業務を以下のように職種別で分業化した。
1. M :リードの獲得
2. IS :商談化
3. FS:受注
4. CS:リテンション
従来の営業プロセスの問題点を解消)
1. 業務の専門化により、作業効率の向上
2. 各プロセスの部門に中間指標を置くことで、課題の特定と施策を講じることが可能
③One to Oneのマーケティング
スマホの普及が、消費者と企業に大きな変化を与えた。
1. 消費者に対して
・1日に1万以上のマーケティングメッセージを見る
・購買プロセスの内、前半の67%は営業担当者が接触する前に終わっている
→大量の情報の中から好きな方法で求める情報のみを入手し、信頼できる企業から購入を決めるようになった。
2. 企業に対して
・マーケティングテクノロジーの数は2011年に約150種、2018年には6829種
→オンラインの行動データを分析し顧客の行動や嗜好を読み取り、 One to Oneのマーケティングを実行するようになった。
これらの変化により企業のマーケティングは、
顧客一人一人のエンゲージメントを高め、営業接点を持つ前に選ばれる存在になることが重要になる。
営業プロセスの変化としては、
リード時点で、MAを用いて、検討ステージ別に分け、顧客が求める情報の出し分けを行うようになる。
④分業化から共業へ
分業の問題点)
1. 部門別にKPIを設定したことで、 各部門がそれぞれの目標達成のために行動することで、他部門に悪影響をあたえることがある
具体例)
Mの新規リードが枯渇した場合、大量のリードを簡単に獲得する手段として展示会などがあげられる。しかし、このような施策で獲得できるリードは検討ステージの低い層が大半を占めるため、ISにリードを渡してもISがすぐに商談化できず他の見込みの高いリードから着手する。 その内、見込みの高いリードが枯渇し、またMからのリード供給も見込めないことから、商談化数のKPIに追われて、まだFSに渡す基準に満たない検討ステージの低いリードを商談化し、FSへ渡すことになる。
共業に向けて
部門別のKPIだけでなく、事業部の売上目標を全員で目指す必要がある。そのための各部門の動きとして、M⇔IS⇔FS⇔CSのような相互のコミュニケーションをとり、パスした顧客に対するフィードバックを常時とれるような関係を作る必要がある。
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