SaaSビジネスの重要指標一部まとめ
今年の4月に新卒入社をし、配属された事業部は、ToB SaaSのプロダクトを提供している。今回は、SaaSビジネスに携わる上で共通言語となっている基本的な指標について理解を深めるために、SaaSビジネスの損益計算書を用いてまとめてみた。参考として、「SaaSスタートアップ創業者向けガイド 」を読んだ。
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▼SaaSビジネスの損益計算書
●ARR(経常利益)
<収益の種別>
A:毎月決まって発生する売上
B:上記以外の「1回だけ」 発生する売上
ARRは既存の顧客から毎年継続的に得られる収益(Aからの収益のこと)
※全ての収益を収益としてカウントしない
<ARRを指標とするメリット>
・どれだけの収益を当年に得られるのかを把握できるため、計画が立てやすい
●チャーン
サブスクリプション契約を更新しない顧客による減収益
●Net ARR
Net ARR=ARR-予想されるチャーン
●費用
1. 収益原価=COGS(売上原価)
サービスを提供するのに実際にかかった金額
(SaaS企業の場合、データセンターやハードウェア、データセンターとテクニカルサポートの人員など)
2. 研究開発
開発者と製品マネージャーの費用
3. 一般管理費
主に、経理や人事の人件費
4. 営業およびマーケティング
営業部門(カスタマーサクセスを含む)、マーケティング部門、サポートスタッフの人件費と、マーケティングプログラムにかかった費用
●収益と費用の関係性
①ARR
ARR:繰り返し発生を見込める現在の利益
したがって、既に契約している顧客に対してかかる費用として、 1. 収益原価=COGS(売上原価)、 2. 研究開発、 3. 一般管理費の3つの費用をARRとマッチングして考える。
※なぜ、研究開発費用をARRとマッチングさせるのか?
顧客はより便利な商品を望むため、それに応えるために研究開発が必要
②経常利益
費用の内、 4. 営業およびマーケティングは、まだARRに含まれていない将来の収益獲得のための費用なので、経常利益とマッチングして考える。
●経常利益率
経常利益率(RPM)=ARR- (1. 収益原価=COGS(売上原価)+ 2. 研究開発+ 3. 一般管理費)
成長の元手となる資金
使い道①:成長への投資
使い道②:採算性のために純利益を確保
<RPMと 4. 営業およびマーケティング費用>
(RPM - 4. 営業およびマーケティング費用)の値が小さくなればなるほど、成長への投資を行っていることになる。
●成長効率性指標(GEI)
成長への投資に対する効果を計る指標
GEI= (4. 営業およびマーケティング費用/新規ACV)
ACV:顧客の契約期間が12ヶ月を超える場合、12ヶ月の間に顧客が払うと契約した金額
新規ACV:ACVは、新規顧客や現在の契約をアップグレードまたは更新した顧客から生み出される収益
GEIの見方
GEI > 1 :獲得する金額以上の額を事業に費やしている
GEI < 1 :獲得する金額よりも支出が低い
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