没入型演劇《不眠之夜》sleep no more を体験した
上海にある、没入型演劇の《不眠之夜》sleep no more に行ってきました。
夫からの「ニューヨークと上海にしかない」「セリフなしの没入型演劇」という前情報だけを頼りに当日を迎えました。
終わってから調べたところ、イギリスの劇団によって作られたイマーシブシアターで、ニューヨークと上海で公演しており、主にシェイクスピアの『マクベス』という戯曲に基づいてその世界に入り込んだように体験できるショーということでした。
南京西路駅の近くにある、
THE McKINNON HOTEL Shanghaiで行われていて、今年で7周年みたいです。
入口で荷物を預けたあと、真っ暗な通路にポツポツとある灯りを頼りに壁をつたって歩きました。辿り着いた先はバーになっていて、参加者が集まっており、フリードリンクもありました。一旦そこでトイレを済ませ、呼ばれるのを待ちました。
参加者にそれぞれトランプが渡されて、トランプの番号順に呼ばれて中に入ります。
夫はダイヤの3番、私はダイヤの4番で最後のグループとして中に入りました。
そこでスマートフォンなどの電子機器は預けて、マスクを渡されました。
ここから先は喋ってはだめ、マスクを外さない、演者の誰に付いて行ってもいい、もし迷子になったらここのバーに戻ってくることを言われてエレベーターに乗り込みました。そこでランダムに数名ずつ下ろされて演劇の世界が始まりました。
私はもうどこに行っていいか分からなかったのですが、とりあえず音がする方へ行ってみると、演者の方々がいてもうその世界の物語が始まっていました。
どんどん演者の方が建物の中を移動するので、ひたすら付いて行きました。階段で上に行ったと思えば次は下に降りて、辿り着く先でまた違う世界が繰り広げられます。
途中から、あれ?これさっき見たぞ、というシーンがあり、同じ公演を繰り返していることに気付きました。まだ付いて行っていない演者の方に付いていくとまた違う世界が広がっていました。
つまり、同じ公演を3回繰り返して、誰に付いて行って何を見るかは自分次第で、どう物語を解釈するかも自分次第というわけです。実際夫と私が見ていた世界は違ったので、物語の解釈も全く異なりました。
仕切りも一切ない目の前で劇が行われているので、見入っていると、違う演者の方がすぐ隣を通っていくなんてことも多々ありました。時折演者の方が、参加者と関わるということもありました。参加者は皆マスクをつけているので、演者と参加者の違いは分かりやすかったです。
実際に英語も中国語も一切なくて、国籍関係なく楽しめるのはいいなあと思いました。演者の方々の表情が近くで見れるので理解できます。
本当にその世界に入り込んだような感覚になりました。ホテル、バー、病院、森の中など色々な場所がありました。演者同士の関わり方も様々でした。爆音と光の中のシーンは圧巻でした。
3時間の公演時間の間、ずっと演者を追いかけて劇を見ていたのでクタクタになりました。所々に椅子があったので座らせてもらいながら楽しみました。
実際に見た範囲内で解釈するというエンターテイメントなので、こういうことなのかな?と自分なりに解釈しましたが、完全に全部を見て理解したい私にとってはなかなかスッキリとはしませんでした。
でも不完全さにも面白さがあるのだなという新たな発見でもありました。
貴重な体験ができたので、上海にいる方におすすめです。
友人や家族が上海に来た時のアテンド先にもいいなと思いました。
日本に戻ったらイマーシブ・フォート東京にも行ってみたいです。