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ぱたぱた写真録vol.1【高柴デコ屋敷】
気まぐれ更新の写真録。vol.2が出るかはわかりません。
いざ民芸!三春駒の里へ
久しぶりの訪問
流行り病にかかり出勤停止の末、そのまま迎えてしまった年末休暇。
眠りすぎて苔が生えそうだったので、気楽な撮影小旅行に出ることにした。
(2024/12/30)
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春来たらきれいだろうなあ…
行先に選んだのは高柴デコ屋敷。「デコ」というのは「人形」の方言で、言い換えると人形屋敷となる。その名の通り、三春駒や張り子人形など数百年続く民芸品作りを今に伝える小さな集落だ。訪問するのは十数年ぶりだろうか。10歳にも満たない頃、祖父母に連れて行ってもらいコマを買ったことを憶えている。今回は彼女さんにお供いただいた。コマは買わなかった。
橋本広司民芸
広さの割に少し寂しい様子の大駐車場を後にして、最初に足を運んだのは橋本広司民芸さん。他の工房とは少し離れた場所にあるため、地図をよく見ないと見落としてしまいそうだ。縁側には作品が所狭しと飾ってあり、中に入る前から目を楽しませてくれる。
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縁側のだるま
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ひょっとこ
工房へ
二人で外回りをパシャパシャしていると、工房の方が入って見ていくよう声をかけてくれた。お言葉に甘えてお邪魔すると、たくさんの色鮮やかな作品が出迎えてくれた。他の工房と比べるとカラフルな作風だ。シックな古民家の内装と、ヴィヴィッドな作品のコントラストが非常に美しい。
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天井に飾ってあったお面
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かわいい置物
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大迫力のだるま
デコ屋敷の中心部
橋本広司民芸さんを後にしてデコ屋敷の中心部に向かう。
景色はのどかそのもの。少し眩しい日差しを浴びながら、冬枯れの里山をてくてくと歩く。生まれも育ちも別の街なのに、どこか懐かしい景色が続いている。しばらく進むと大きな茅葺き屋根が見えてきた。
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彦治民芸
茅葺き屋根の正体は彦治民芸さん。デコ屋敷で唯一、木彫りの三春駒を作り続けている工房だ。横道から敷地に入るとニッコニコのフクロウが。民芸とは関係ない置物だと思うが、可愛いので記念に一枚。持って帰りたい。
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なんだこれは…可愛すぎる…
工房内では作品だけではなく、昔の暮らしの道具が陳列されていた。
ノスタルジックな雰囲気が漂う空間で、一際目を引くのは「となりのトトロ」に出てくるような、人の顔より大きい木箱の電話機だ。現代のものとは似ても似つかないその形に、この建物が見守ってきた時の長さをしみじみと感じる。屋内撮影禁止なのが少しもどかしい。
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彦治民芸さんの敷地は豪華で賑やか
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巨大三春駒 干支に合わせてだるまは巳カラー
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だるまが生えたザル
三春駒神社と道六館
彦治民芸さんから坂を登った先には三春駒神社が鎮座している。夫婦円満、家庭円満、良縁に子宝。個人的にはあやかりたいご利益ばかりだ。隣で手を合わせた人が、同じように考えていてくれたらいいなと思う。
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さて、神社へ登る坂道の左手に、何やら珍妙(他意はない)な建物が見えるではないか。
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珍妙な建物(他意はない)
古民家風の建物にはチグハグな超厳重セキュリティ。ここは道六館。
観光マップに載っていないオトナの博物館だ。何を陳列(他意はない)しているかは見ての通り。う~ん、すばらしい!
彦治民芸さんに戻り、入場用のコインを購入する。コインを入れて、円盤をぐるりと回して入った先に広がるのは、整然と展示されたドスケベコレクションだ。博物館内も撮影禁止なのだが、そもそも撮影して他人に見せられるような写真は撮れないのではと思った。
コレクションを眺めていると、人類の性に対する「おおらかさ」みたいなものを感じることができる。特に江戸以前の日本では、性の話題は大っぴらに語ることはないにしろ、タブー視するものではなかったらしい。生まれてもいない時代を理想化するつもりはないが、そこには現代とは違うオープンな視点があったのではなかろうか。
それはそれとして、あの100円装置にはもうちょっと頑張ってほしかった。もっとこう… ブァアアアアアッて感じでお願いします… ブアアアってね。
気になる方はぜひ実地でご確認を。
なんだかんだで、ここには一時間ほど滞在していた。
彼女さんは四十八手手ぬぐいが品切れで悔しかったらしく、少し残念そうに道六館を後にしたのであった。
大黒屋
続いては坂を下り、3つ目の工房、大黒屋さんへ。
こちらの作品は全体的に現代的な可愛さがあり、ついついお持ち帰りしたくなる魔力が宿っていた。
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オコジョかと思ったら鼠でした
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こちらは牛、もしくはオコジョ
なんとも撫でたくなるフォルムをしておる。ちなみに人気作品は十二支に遅れてしまった猫をモチーフにした「うっかり猫シリーズ」。ネットでも購入できるようなので、この写真のフォルムに心惹かれる方は検索してみてはいかがだろうか。
本家恵比寿屋
最後に本家恵比寿屋さんへお邪魔した。
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天狗のお面 渋くてカッコイイ
残念ながら恵比寿屋さんの写真はあまり撮影できなかった。というのもの、自分好みの作品が多いことに加え、幼少期にコマを買ったお店だったことを思い出したからだ。懐かしさのあまり見て回ることに夢中で、シャッターを切るのをすっかり忘れていた。
黒地に銀で描かれた烏天狗のお面ですよ?男の子なら誰でもはしゃいじゃうでしょ。コマやけん玉など、おもちゃが多いのも嬉しいところ。お子さんを連れてくるならこちらがおすすめ。ぜひ古のベイブレードで遊んでみてほしい。シューターは紐です。
おいち茶屋
ご当地メニュー
本家恵比寿屋さんで物欲との激しい戦いを繰り広げたせいか、お腹が減ったのでおいち茶屋さんで少し遅めの昼食をとることにした。
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お店に入ると優しい蕎麦と出汁の香りに包まれる。カメラをおいて椅子に座ると、これまた優しそうな店員さんがダッタンそば茶を注いでくれた。
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自分は「おいち蕎麦」、彼女さんは「けんちん蕎麦」を注文。珍しいことにお餅が乗っている。うどんに入っているのはよく見かけるが、蕎麦に入っているのは初めてだ。ここ以外では食べたことがない組み合わせと、その相性の良さに驚きながら蕎麦をすする。ちなみに、写真は撮り忘れてしまったが、「おいち蕎麦」に乗せてあったのは揚げ餅だった。初めはサクサクで、汁を吸うと味がしみて、しっとりとした衣を味わえる。お店の名前を冠しているメニューにはハズレがない。たぶん。
デザートにはダッタンソフトクリームを食べて、デコ屋敷を満喫したのであった。
まとめ
散歩して写真を撮るには素晴らしいロケーションだった。田舎の素朴さを残しながらも、いたるところに飾られた民芸品が景色に鮮やかさを加えている。もしかしたら、自然が眠りについている冬だからこそ、人間の営みの色がよりはっきり見えているのかもしれない。次は4月頃に訪問してみようと思う。