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半夏生(時候・仲夏)、三句。
常々、季語「半夏生(時候・仲夏)」を詠むのは難しい、と個人的に思っていたのですが、マー君の投稿記事にて、本日(夏至から11日目)より小暑の前日、7月5日までが、半夏生と気づきました。
ならば、良い機会なので、得意な季語にしてしまおうと、探ってみることに。
まず、気を付けないといけないことは、今回取り扱う「半夏生」は、時候の季語であるということ。
同じ夏の季語には、植物の項にも「半夏生」があるのです。
半夏生(仲夏・植物)
ドクダミ科の多年草。別名、片白草
名前は半夏生(夏至から十一日目)の頃に白い葉をつけることによる。また、葉の半分が白いから半分化粧の意も含むという。
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ですが、時候の季語は、「半夏」すなわち「カラスビシャク」が生え始める、という意味。
上の片白草とは、かなり様相の違う花です。(マムシグサに少し似ていますよね)
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そして、このカラスビシャクは、漢方薬の「半夏」であり、また、根本につくのが、食用の「ムカゴ」であります。
・・・・・
ということで、時候の季語としての半夏生の例句を。
バリウムの喉につかへる半夏生 脇本幸代
塩入れて湯の立ち上がる半夏生 正木ゆう子
平凡な雨の一日半夏生 宇多喜代子
病室に降る煤のあり半夏生 石田波郷
膝折つて爪切る妻や半夏雨 冨田みのる
これら例句でお気づきかと思いますが、今回発表のあった、俳句ポスト「薄暑」と同じく、時候の季語である、ということは、「景をできるだけ具体的に」が大切、ということです。
そして、個人的には、半夏が漢方薬でもあるので、何となく医療系の匂いを纏う、とか、田植えの終期、であること、も念頭に置きつつ、な感じがしています。
前置きが長くなりましたが、以下、即吟三句。
缶詰の蓋で指切る半夏かな
半夏雨主治医の顎に無精ひげ
型紙の深き襟ぐり半夏生 (「しりとり俳句」にて既出)
今日の学びを生かして、もう少し詠んでいこうと思います。
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