ないてないてないて仰げば鱗雲
ラベンダーさん企画「わたしの代表句・渾身一句」の投票にて、第三位に選んでいただきました。
本当にありがとうございます。
ないてないてないて仰げば鱗雲
今後の鑑賞会に向けて、ご依頼いただいた質問にお答えいたします。
よろしくお願いいたします。
正直驚いています。
そして、ありがたいなあと心から思っております。
この句を詠んだのは、今から7年くらい前のことで、句のあの空と鱗雲を見たのはそのまた1年くらい前。
ですが、未だにあの空も、その時の心境も涙もしっかりと覚えています。
また、詠んだときのことも。
ほとんど考えることなく、するするっと言葉は出てきました。
その頃の自分は、かなり深刻な状態であったので、現在と比べると、まさに天国と地獄ほどの差、といっても過言ではありません。
ひとはここまで変われるんだなあ、と感慨深いです。
この句の特徴は「ないてないてないて」のないてが三回くりかえされるリフレインだと思います。
その頃は、俳句の詠み方もほとんど知らず、この詠み方がいいのかどうかすらわからなかったけれど、とにかく頬に流れ、止まらなかったあの涙を表現するには、17音のなかでできるだけ多くの音をつかって「ないて」を表すしかなかった、わけです。
見上げる、の意味の言葉は、音数からいっても「仰ぐ」しかありませんでした。
そして雲は、「鰯雲」と「鱗雲」のどちらを使うか迷いました。
結局、音として「う」の方がよかったこと、文字的にも「鱗」がいいなあと思い決めました。
案外覚えているものですね(笑)
そのことにも今、驚いています。
この句を詠んだことが始まりです。
自分のどうにもならない、行き場を失った気持ちを、俳句を使って吐き出しました。
この句と合わせて、100句ほど詠みました。
もう、ドロドロな句ばかりだったと思います(笑)
自分の色々をふっきるひとつの手段として「角川俳句大賞」に応募する50句を選ぶためでした。(もちろん無謀も無謀、だけれども、それに応募することに意義があったのです)
はい、とても楽しいです。
もちろん文章での創作全般が好きだし、絵も写真も好き。
華道も書道も好きです。
私のなかでは、それらの「書く、描く、創る」の集大成が俳句だ、という感じです。
自分のこれまでの経験、想い、全てが17音の礎になる。
季語という括りのある17音に「全てをおさめる」ということにゾクゾクします。
17音の中の1音の貴重さ。その1音が負う重さ。
その1音を探す楽しさ。
(なんていいながらしょっちゅう自然に中八してしまうんですが💦)
そして、まだ先が見えないことも非常に面白いです。
私はまだまだ入口にいるに過ぎない。
人生が終わるまでにどの程度の句が詠めるようになるか、それが楽しみです。
以上
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今回のラベンダーさんのこの企画。
自分の俳句を、そして自分自身を改めて見直すきっかけになりました。
本日のこのインタビューも然りです。
心からありがとう💜
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早速、ラベンダーさんからの鑑賞会講評をいただきました。
ありがとうございました!
お気持ちありがとうございます!