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型・その4 応用型➁(春鹿・白魚)
季語は、上五か中七・下五〔動詞+「けり」〕
季語との断絶のない、季語に関わっているフレーズ
木立へと春鹿二頭去りにけり
季語:春鹿(三春)
透きとほる白魚かるく茹でにけり
季語:白魚(初春)
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二句目はレシピ調ですね💦 動詞は難しい。
そして、白魚と素魚は、似て非なる魚です。
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さて、これにて、型の投稿は終了となりますが、「20週俳句入門」では、型・その4の応用型「けり」と似た切り方に「をり」「なり」「たり」が提示されています。
以下に、その例句と説明を挙げておきます。
(「20週俳句入門」は初心者向けの書なので、別の文法書などには、別の解説もあるかもしれません)
野分あと口のゆるびて睡りをり 石田波郷
囀りの下に僧の子遊びをり 角川春樹
「をり」は口語でいえば「ゐる」だから、今そのことがそこで行われている、その状態がそのままつづいている、といったことを表すときに用いる。
おおむね穏やかな情趣である。
かりがねのあまりに高く帰るなり 前田普羅
雪催末の生傷匂ふなり 上田五千石
「なり」は口語で「だ」「である」という断定の意。次の「たり」と同じだが、「たり」とくらべて自然ですんなりしている。
しかし、使い方一つで「たり」よりつよくひびく場合もある。
大寒と敵のごとく対ひたり 富安風生
羅も下きびしくも縛したり 山口青邨
「たり」は「なり」と同じ意だが、この語感から察せられるように、重くつよいひびきがある。
したがって、内容のやわらかいもの、穏やかなものを表現するには、ふさわしくない。
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長々と続きました、型の練習、お疲れさまでした。
今後、自分が詠みたい景、思い、をどう詠めば一番それに近い句になるか、に迷ったら、これまでの型、切字のあれこれを思い出していただくと、「お!これならいけるかも」に繋がるかもしれません。
少なくとも、私自身は、この型と切字をしっかりと学んだことで、以前より俳句を詠むのがより楽しく、まだ不思議なことに「自由」になりました。
最後まで、お付き合い、本当にありがとうございました。
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明日からは、庵さんのお言葉をお借りするなら、フリースタイル!
春の季語を使って自由に詠んでいこうと思います。
お時間がありましたら、詠んでみてください。
「切字」や「型」に拘らず、自由に詠んでくださっても、また、私の使った季語で詠んでくださっても全くかまいません😊
※決してお題(必ず詠む)ではありません。
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