「俳句界」ZOOM句会報告 ➁
2月25日に行われた雑誌「俳句界」ZOOM句会報告。
二回目の句会。自分の中で、違う印象の句を選んだ。
以下、投句した五句についていただいた講評を自分の記録と、ご参考のために記します。
【雑詠三句・初春、中春、三春】
寒戻る血圧計の鈍き音
*並選1点いただく。
*選んでくださったのが仙田先生。
「大変よく考えられた句」との講評をいただき大変嬉しく思った。
春の日をつかもうとする赤子の手
*並選ふたつ2点をいただく。
*類想がありそう。
*春の明るさと未来への希望に満ちた句、との講評。
花びらのやがてはらりと薄氷に
*点数、講評ともになし。
【卒業・雛祭 二句】
卒業の写真撮影泣き笑い
*並選1点いただく。
*ありがちな卒業光景だけれど「泣き笑い」に共感。
*現代仮名遣いについては言及なし。
ひとりっ子父の遺影と雛祭
*講評にて「悩んだ」との意見いくつか。
*ひとりっこ、そして父の遺影ときての雛祭に違和感。
雛人形ならばあり。
→ 非常に納得の意見。
何せこの句は俳句ポスト「雛祭」兼題用の予備句。
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今回は、2点句2句、1点句1句をいただけ、正直嬉しかった。
高得点(5点句、4点句等)の句の印象は、俳句ポストなどに入選の句と比べると、やはり誰にでもわかりやすい句の印象が強い。
他の方の句なので紹介ができず、具体的な説明がここではできないのだが、仙田先生からの「俳句でしか詠めない時間」というお言葉が印象的であった。
一句「メルカリ」を入れた句が詠まれたけれど、そのような現代の流行りを入れ込む句については、仙田先生より「句の寿命を考える必要も時にはあり」との意見があった。
詠む句は何年たっても通用する内容が好ましい、という意味。
「メルカリ」は、その寿命という点で判断が難しい言葉だということ。
(追記:そわかちゃんより、夏井先生に「メルカリ」を使用の句を選んでいただいたとの情報を得た。それぞれの先生の好みも、お考えもそれぞれなのだなと思った次第。
大切なのは、流行りの言葉を使うときには、受け取られ方はそれぞれだということを念頭に置いて詠む、ということであろう。
また、雑詠三句に選ばれた句のうち、二句が私の判断からは「三段切れ」と思われる句であったので「三段切れ」についてをどう考えるかを質問してみた。
仙田先生ご自身は、三段切れっぽい句(変な言い方ですみません)は選んでいなかったけれど、それらの句を選んだ他の方の説明で納得できたのは「助詞の省略が考えられるものは三段切れとは言い難い」とのご意見も。
俳句をたくさん詠み、多くの句を鑑賞する。
そして、俳句の感覚を掴み、たとえ三段切れであったにせよ「私はこう詠みたいのだ」という感覚と自信をもてるようになること、それが大事なのではだろうか、との仙田先生の締めくくりとなった。
・・・・・ end ・・・・・
タイトル画像:奥入瀬渓谷の氷瀑
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