【牛糞と闘え】修学旅行でファームステイした話 #1
私の通っていた高校は農業学校でも何でもない、ごく普通の高校だったのですが、修学旅行がファームステイという特殊なものでした。
【ファームステイとは】
留学の種類の1つ。海外の農園や牧場に滞在して、語学を学びながら、作物の収穫、動物の世話など、農園や牧場での仕事、生活を体験をする留学。
いわゆるホームステイの農家バージョンです。
留学の1つとして取り上げられていますが、
私の高校では海外ではなく、北海道各地の酪農家の方に3日間お世話になるシステムでした。
【お通夜状態の修学旅行】
私の高校の修学旅行はファームステイと沖縄旅行が交互に実施され、たまたま私の年次はファームステイでした。
高校生活の集大成と言っても良い修学旅行で、農家に泊まって牛の世話をするか、沖縄の綺麗な海でキャッキャウフフするか、どっちか選べと言われたらそりゃ沖縄ですよね。。。
もちろん、クラス全員が
「牛の世話なんてしたくない。臭そう。。。」
「わざわざ修学旅行でそんなことする必要あるの?」
「せっかく北海道に行くのに。。。観光したい。。。」
と、修学旅行を目前にしてお通夜状態でした。
そんな状態の中、私はクラスの人とペアを組まされ、釧路市の音別町という所の酪農家さんにお世話になることになりました。
【牛糞との闘い】
そんなこんなで修学旅行の日がやってきました。
音別町に着くと酪農家の方と対面。
とても優しそうで気さくな感じだったので、とりあえず一安心。
ステイ先に着くと早速つなぎに着替え、牛舎へ向かいます。
牛舎の中に牛がずらーっと並んでいる景色は圧巻でした。
まず気になったのは臭い。
都会育ちの私にとって、牛舎の中の臭いは長時間耐えられるか不安になるものでした。
(※酪農家の方ごめんなさい😭)
牛自体や糞の臭いもあるのですが、寝床に使う藁が発酵した酸味のある臭いが個人的には大ダメージでした。
ステイ先での私達に与えられた仕事は2つ。
・糞の処理
・餌やり
メインは糞の処理です。仕事中の9割は糞と闘ってました。
牛の後ろには横方向に走る溝があり、その底面がベルトコンベアーになっています。
ベルトコンベアーは常に動いているわけではなく、
一定時間経ったら動かすシステムです。
牛が糞をすると、直接溝に落ちるものもありますが、ほとんどは床に落ちるので、それをトンボを使って溝に落とします。
牛舎には牛が50頭近くいて、常にどこかの牛が糞をしているので、糞が落ちる「ボトボトッ」という音が聞こえたらすぐに駆けつけ、糞を落とす。これをひたすら繰り返します。
糞が溝に溜まるとベルトコンベアーを動かし、処理タンクのような所へ運ばれて行きます。
たまに一部に糞が引っ掛かり、糞の大渋滞が発生します。
この時、大渋滞から放たれた臭いは今でも忘れません。
糞や尿をする瞬間に居合わせると、こちらに跳ねてきます。その度にテンションガタ落ちでした。
酪農家の方は糞が跳ねても一切気にせずに搾乳作業を続けていて、大変な仕事だなぁと思いました。
この仕事があるから私達が日々、乳製品を食べることができていると考えると、酪農家の方に感謝しかありません。
超ありきたりな小学生並みの感想ですが、この時身をもって実感しました。
~つづく~
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