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札幌から小樽まで37キロ徒歩の旅をしてみた「リベンジ編」
9月に札幌から小樽駅まで37キロを徒歩で行ってみようと思いつき、実行したものの、途中で左膝の痛みでリタイアした記事を書きました。
その後、膝の痛みが完全に回復するのに4週間くらいかかったり、10月初旬に旅行もあったりと、すぐにリベンジとはなりませんでしたが、10月の中旬に満を持してリベンジしてきました。
リベンジ当日、当初は早朝の5時に出発する予定でしたが、リベンジに向けて気持ちが高ぶっているからか、1時間おきに起きては寝てを繰り返し、結局、早朝の2時過ぎに目が覚めてからは寝れる気がしないので、予定より早く出発することにしました。
前回の左膝の故障の経験から、今回は出発時点から準備しておいた「膝サポーター」を左膝に装着します。
バンテリンさん、左膝をよろしくお願いします。
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あとは、あらかじめ購入しておいた水のペットボトルをリュックに入れて、スニーカーも前回のクッション性のないスニーカーではなく、足の負担を減らすために購入したウォーキング用のクッション性の高いスニーカーを履き、早朝の2時50分に準備万端で出発しました。
外は真っ暗で人通りもなく、気温も10度を下回って肌寒い感じでしたが、リベンジに燃えていたので、そんなのお構いなしに歩きます。
15分ほど歩き、札幌駅近くを通り過ぎます。
歩きながら写真と撮ったので、画像がブレていますが、まだまだ真っ暗な状態。
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札幌駅を通り過ぎて20分ほどで、以前も通ったJRAの前を横切ります。
前回は明るくはっきりとJRAの建物全体が見えましたが、今回は暗闇の中に青白く光るJRAの文字だけがぼんやりと見えます。
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1時間ほど歩き、気温も10度を下回っていたので徐々に寒くなり、コンビニで温かい缶コーヒーを買って、休憩がてら座りながら飲んで体を温めます。
寒さと疲れた体で飲むホットコーヒーは最高すぎる。
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家を出発してから、3時間ほど過ぎたあたりで明るくなり始め、始発の電車が横切り、「次こそは小樽駅からこの電車で帰って見せる!」と心の中で誓いつつ、電車を眺める。
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晴れた気持ちのいい早朝のウォーキングは最高。
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前回歩いたときにも見かけた、謎のアンティーク調の木のイスが置いてあるバス停。
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キレイに汚れをとって壊れている脚の部分を修理したら、すごく素敵なイスになりそうで「このイス欲しいなぁ」と思ったりしつつ横切る。
ここまで、家を出発してから4時間。
ちょくちょく休憩をはさみつつ歩き、「サポーター」と「ウォーキングシューズ」のおかげで、足の疲労も前回より圧倒的に少なく、膝の痛みもない状態です。
そして、前回悲劇に見舞われた横断歩道の前に到達。
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前回は、ここで小走りをした瞬間に左膝の痛みが爆発してリタイアする結果になりましたが、今回は足の疲労はあるものの、膝の痛みもなくすこぶる順調。
もちろん、横断歩道はゆっくり歩いて渡ります。
渡り切ったとき、前回の足の状態のことを考えると気分がよくなり、一人鼻歌を歌いながら歩き続ける。
少しの時間気持ちよく歩いていたとはいえ、ここから先はコンビニどころか、家や建物もないような山道を1時間以上、歩くことになるので、油断はせず慎重に行こうと気持ちを引き締める。
30分ほど歩き、前回リタイアしたバス停まで到着。
「約束通り再び戻ってきたぞ」とバス停に挨拶。
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バス停到着時点で、ほんの少しだけ左膝に違和感があるかなぁ程度で、あとはふくらはぎの疲労のみといい感じな状態で、「これなら小樽駅まで行ける!」と気合が入ります。
山道の途中で長めのトンネルが出現。
車の音が響いてうるさいし、空気もほこりっぱく、早く通り過ぎたかったですが、足の負担を考えてペースは速めず歩きます。
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なかなかの苦痛を与えてきたトンネルを抜けると、そこには海が広がり気分は最高。
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苦難のあと、この景色を用意してくる小樽の粋な計らいに感謝。
山道も終わり、前方に久しぶりのコンビニが見えてきたので、トイレ休憩と飲み物を買います。
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コンビニから少し歩き、当初、この少し先にある小樽の有名店「なると」の朝里町本店で、「若鳥半身揚げ定食」を食べつつ長めの休憩をとる計画でしたが、予定より早く出発することになったので、この時点でまだオープンしておらず、どこで食事休憩をとるか悩みつつ歩き続けます。
そんな矢先、体に異変が。
手足の指先、それとあごにピリピリと痺れが出てきました。
僕は昔から、極度の疲労状態になると、指先やあごに痺れが出ることがあります。
普通はどこか一か所が痺れだしますが、今回は全箇所に痺れが出てきたので、これはまずいと思い、急いで休憩場所を探します。
ちょうど少し先にコンビニがあったので、そこでおにぎりでも買って、コンビニ前で長めの休憩に入ろうと向かっていたら、ふと左手におしゃれなカフェレストランのようなお店があり、やっているか店の前を覗いてみたら、「OPEN」の看板が出ていたのでさっそく中にはいります。
訪れたのは「CalmClutch」という名前のカフェレストラン。
お店は11時にオープンのようで、ちょうど訪れたのが11時だったので、お客さんはまだ誰もいません。
テーブル席に座ろうとしたところ、「奥に海が見えるカウンター席があるので、よろしければそちらへどうぞ」とのことで、奥へ行く。
そこには、海を見ながら食事ができる素敵なカウンター席が確かにありました。
食事を注文し、コーヒーは先に持ってきてもらうようお願いし、一息つきます。
食事が来るまで、ゆっくりとコーヒーを飲みながら海を眺めて癒されます。
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注文した大好きなペペロンチーノが届きます。
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「ウインナー入りは珍しい!」と思いつつ食べてみると、ペペロンチーノとウインナーの組み合わせが最高に美味しく、あっという間に完食して、少しまったりし、スマホで今後のルートを軽く確認し、お店を後にしました。
すごく素敵なお店だったので、また必ずここに訪れたいですね。
お店を出たときには体の痺れはなくなっていましたが、この辺から右足の膝と、右足の膝裏のスジが少し痛み出し、今まで以上に慎重に歩き、ゴールの小樽駅を目指します。
現時点からゴールまでは「小樽築港駅」「南小樽駅」「小樽駅」の3駅のみ。
とくにトラブルもなく30分くらい歩き、「小樽築港駅」に到着します。
残すは「南小樽駅」とゴールの「小樽駅」。
足は結構痛みも出てきてますが、なんとかなりそうな状態。
ゴールの小樽駅まで残り1時間くらいかなと考えつつ歩いてたところ、ここで頭を悩ます出来事が起きます。
スマホのグーグルマップを確認しつつ歩いていたんですが、この先の道を進むには線路を越えなければいけず、そのためには目の前にある「歩道橋」を渡らなければいけません。
前回の膝を痛めた経験から、今回の旅で回避していた行動が2つあり、「走る」ことと、「階段を使う」ことです。
「走る」は、それがきっかけで前回膝の痛みが爆発したので、絶対に走らないと決めていました。
もう一つ「階段を使う」に関しては、膝を壊してからは、しばらくの間、階段を使うと膝の痛みがひどくなることがわかったので、その経験から膝に負担をかけないため、ここまで階段を回避していました。
が、終盤のここにきて「歩道橋」という階段を使う状態が目の前に立ちはだかる。
グーグルマップでは歩道橋を使わない少し遠回りルートもありましたが、早く着きたい一心で、歩道橋を使うルートを選択し、階段を上り始めます。
これが大失敗で、案の定、数歩階段を上った時点で結構右膝に痛みが出始め、少しでも膝に負担をかけないよう、一段一段ゆっくりと上り下りをし、なんとか痛みを最小限に抑えはできたものの、渡り終えたときには、右膝の痛みを悪化させてしまいました。
それでもゴールまでもう少しなので、あとは根性で痛みと疲労に対抗しながら歩きます。
足の状態は悪く、疲労もかなり溜まっている状態とはいえ、普通の平坦ならまだ問題はなかったんですが、最後の最後で小樽が牙をむきだします。
一度でも小樽に行ったことがある人ならわかるんですが、小樽の中心部は広い範囲で道が上ったり下ったりする箇所がものすごく多い土地です。
「南小樽駅」から「小樽駅」周辺も上り下りの道が多く、足の状態が悪い僕には最悪な環境です。
下り道で踏ん張りながら歩くのが、一番膝に負担をかけて痛みがひどくなるので、できるだけ下ったり上ったりを繰り返すような道は避け、ゆるやかな上り坂が続くような道を選ぶように進みます。
ゴール手前の「南小樽駅」に到着しましたが、疲労こんぱいで写真を撮る気力はなく、駅の入り口を横切ったときに、「ゴール手前の駅だし記念に撮るか」と立ち止まりますが、わざわざ駅の正面まで戻って撮る気力はなく、駅の横にあった小さい「南小樽駅」と書かれた看板をパシャリ。
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南小樽駅から小樽駅へは、元気な状態なら20分も歩けば着くくらいの距離で、何度も小樽に来たことがある僕は実際に歩いたこともあるし、全然楽勝な距離です。
ただし、今は膝の痛みと足の疲労で歩く速度はかなり遅くなっています。
それに加えて、ゆるやかな上りがずっと続く道。
元気な状態なら、あっという間に着くはずの小樽駅になかなか到着せず、心の中で「いつになったら小樽駅に着くんだ⁉」という言葉を何度も思考しつつ、それでも最後の気力を振り絞りながら歩き…。
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とうとうたどり着いた念願の小樽駅!
この瞬間、すべての苦労が報われ感無量。
駅前に腰を下ろし、久しく味わったことがなかったようなすごい達成感に浸る。
出発時間と到着時間から計算して、徒歩の旅に要した時間は10時間かからなかったくらいで、休憩時間を除いたら、歩いていた時間は8時間半くらいと、当初の予定通りでした。
到着時刻は昼を過ぎたくらいで、まだまだ観光する時間も十分にあったんですが、膝の痛みと疲労感でそんな気分というか、現実的に歩いての観光はむりなので、小樽駅から札幌に戻る電車を調べ、タイミングよく10分後くらいに発車する電車があったので乗り込みます。
10時間かけて訪れた「小樽駅」ですが、滞在時間わずか15分ほどでおさらば。
電車にゆられ、さっきまでツライ思いをしながら歩いていた道をあっという間に横切り、ときどき車窓から見える景色で、「あそこのコンビニで休んでたなぁ」とか旅を思い出しつつ、札幌駅から乗り継ぎをして50分もかからないで家の近くの駅に到着します。
10時間かけた徒歩の道のりを、たった50分しかかからない電車の凄さを思い知らされる。
家に到着してからはすぐにソファーに座り、「札幌から小樽駅まで徒歩の旅」のリベンジ達成した喜びに浸りながら、しばらくはぼーとした後、横になり疲れと寝不足から、いつのまにか深い眠りに落ちていました。
というわけで、リベンジ編は無事達成することができました。
他の人からしたら、「そんな意味のないことをして何になるの?」と思う人もいると思います。
というか、ほぼ全員がそう思うでしょう。
でもね、「意味がない」とか、そんなの僕の中ではどうでもいいんですよね。
「自分がやってみたい」と思うことをやって満足できればそれでいいんです。
今回の徒歩の旅に関しては、満足度120%で、いつか僕の人生が終わる日に、昔のことを思い出していたとしたら、間違いなく思い浮かぶくらい人生の1ページになる徒歩の旅でした。
長距離徒歩の旅も満足したので、次はどんなことをしようかなぁ。
やりたいことをやる人生。
いくつになっても楽しい。