見えぬ虫退治呪術
日本と中国には古代から伝わる医学があって
その考え方が面白い。
古神道を研究している中で、出会うのは見えない世界で何が起こっているのかを
知ることでもあって、その中のひとつにあるのが人の身体を通して大昔から研究してきた記録が残されています。
昔の人の病気に対する考え方が今、新鮮に感じるものがあるのです。
例えば、大人の場合、次のセリフが出てきたとしたら身体の中に入っている目に見えない妖怪的な働きをする虫のしわざとほぼ間違いないとされてる。
「虫が好かない」や「気に入らない」。
「虫の居場所が悪い」や「機嫌が悪い」。
「ムカムカして腹の虫がおさまらない」や「イライラする」。
「憂鬱だ」
「じっとこらえて虫を殺す」
「虫のしらせ」
「腹の虫が承知しない」等々などだ。
日本は言霊が幸わう国といわれるけれども、日常生活で使用する言葉の中にも
しっかりと今でも虫が身体の中にいるということを、諺のように使っているではありませんか!ここを見逃してはいけませんな。(笑)
症状としても色々あるので、少し例を上げてみますと、
癇癪持ち・ヒステリック・突発的なおかしは行動・腹痛・嘔吐・涎沫を嘔吐する・
顔が痺れて黄色い・目を見張って睨む・下から睨む・鼻の下が青黒い・小食・色黒い・痩せる・咳を激しくする・人をわずらわせる・うるさい・弱虫・痔・伝染病・膝に人面瘡・夜泣き・等々がある。
これら全て虫のしわざということになっているのは面白い。
虫の仕業であるなら、その虫を体外へ出して消してしまえば
元通りの自分に戻るので、それでいいのである。
中国においては道教者・葛洪(かっこう)が残した書「肘後備急方」には、『長江の南に住む人々は山で水を浴び、そのために虫がわいている』と記している。
道家説によれば人の腹の中にいる虫は、小さな悪も感知し、庚申の日(六十日毎にくる)の夜に寝ているときに体外へ出る。人の行動を監視する三尸(上尸・中尸・小尸)の虫がいて、悪事を天帝に告げる。天帝の記録される鬼籍に五百条に達するとその人の死が決まるとされ、恐れられていました。
日本においても中国と同様に三尸九蟲と呼ばれた霊的な病原体がいるとされ、また鬼と邪気と重なって独自に進化した虫の考えがありました。その虫たちの記録が肉筆で絵が描かれていて、これがなんともゲゲゲの鬼太郎に出てくる妖怪にそっくりな虫たちが記されていて面白い。
さらに面白いことに、九州の太宰府天満宮の近くにある九州国立博物館には医学書「針聞書」に描かれている腹の虫の図が描かれた、腹の虫をモチーフにしてぬいぐるみやキーホルダー、オブジェなどが売っているらしい!(マジか!!)
日本人気質というのはギャグセンスは高いのだろうか〜(笑)
また日本では昔「更新御遊」というコミュニティーが神社や寺内で行われて、人々の不安や危機を乗り越えるための情報交換などをしてきました。
京都の「八坂庚申堂」では庚申の日にご祈祷していただけるようです。
本郷正豊は1917年に出版した「鍼灸重宝記」で身体の中にいる見えない虫による病気などについて姿形や特徴や症状などが細かく説明されています。
鍼灸治療を施し数日後には、体内にいた虫たちが肛門から出てきて、角がある虫のようなものが肉眼でも見えると記されています。
中世から近世の日本医書には諸々の虫が記されています。
汗の虫・大酒の虫・陰虫・噛み寸白(すはく)・クツチの虫・気絶の肝虫・胸虫・欠伸(あくび)の虫・黒虫・腰痛の虫・腰抜虫・耳の虫・腎臓のひげ虫・腎冷の虫・ソリの虫・頓死の肝虫・昼寝の虫・はらわたの虫・悩みの虫・肺の虫・風邪の虫・由虫(ゆうちゅう)・脾臓の笠虫・脾臓の虫・蟯虫・霍乱(かくらん)の虫等々。
庚申の日に寝ると出てくる虫たちにたいして、どうすれば対処できるかを研究していたのは医師だけでなある神道家、古神道家、神仙道家、僧侶などの間で禁厭や術を使い、秘伝霊符と呪文を唱えて三尸九蟲は自ら去っていくという術が行われていました。
気難しい人
むやみに怒る・泣く人
搔きむしる癖の人
鼻眼耳が急に悪くなった
顔色が悪く活気がない人
下痢が続く人
原因不明で悩んでいる状態の方など、
それはもしかしたら「虫のしわざ」なのかもしれませんよ〜!
それらに対処することができる秘儀霊法がありまして
講座にて伝授することができます。
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