見出し画像

Takanori Nishikawa LIVE TOUR 2022 IDIOSYNCRASY Zepp Osaka Bayside 2/13

2022年2月13日 16:55

Zepp Osaka Baysideにて行われる西川貴教のライブが間もなく開演とのアナウンスがあった

西川貴教と言えばT.M.Revolution
もしくはabingdon boys school
もしかしたら消臭力のCMの歌の人……なんてイメージが強いだろう

2017年の秋、突如として本名である西川貴教名義でデビュー
2019年にはツアーも敢行し、これまでともまた違う彼のアーティスト活動が始まっていた

3年ぶりとなるこのツアーは、少しずつ規制が緩和されてきたライブ現場のスタイルとは異なり

数々の規制を設けた上での開催となった

原則着席での観覧、かつへッドバンキングや背もたれから体を離し身を乗り出す行為すら禁止と

正直やり過ぎなほどの制限があった

これには理由があり
様々な媒体を通してファンとの交流を行って行く中で
そもそもの有観客ライブ開催への反発、ライブ参加への不安の声が多く

何よりファンの安全と安心を考慮した結果だ

同時期に行われているライブと比較すると安全面は最高だと言えるが
ライブの盛り上がりとしての要素を根こそぎ奪われた状態だ

果たしてどんなライブになるのか


ステージには5つの縦長スクリーンが設置されており
映像演出もあるのだろう

セッティングされた機材はロックバンドそのものだが
聴かせるライブになるのか、盛り上げるライブをするにしても空回りしないだろうか


そんな事を考えていると会場が暗転

5つのスクリーンに映し出される空中からの夜景、ヘリコプターのエンジン音に無線通信の音声がまるで映画のオープニングのよう

これは2020年9月にdtvで配信された番組Rootsの内容だ

滋賀県の三井寺で西川貴教がライブパフォーマンスをした模様が映像作品として届けられ話題となった

オープニングのSEが流れ出すと同時にサポートメンバーが次々と登場

まずはドラム、山﨑 慶
バスドラの重低音をゴリゴリに鳴らし、これは配信ライブとは格が違うとファンのテンションを一気にライブモードへと引き込む

続いてDJ Yamato
自由自在に流れる音を操り、高度なスクラッチを披露
フロアの手拍子や拳を上げてのノリに拍車がかかる

ベース ニ家元 亮介
濃厚なスラップでまだまだとフロアのバイブスを上げていく
ここまで全てSEに合わせてのリズミカルなセッションだ

ギター 菰口 雄矢
先輩ギタリストからも天才と称されたメロディアスなギターの音色が加わり
西川貴教バンドの音が出揃った
なんだこの極上すぎる音の融合は

そして本日の主役、西川貴教が登場

ポルシェを模したお立ち台に片足を掛けてフロアを見渡した後
天に指を掲げ

「As a route of ray‼︎」


そのままオープニングナンバー、As a route of rayへ雪崩れ込む

人はあまりにカッコいいものを目撃すると、規制や不自由などどうでもよくなるのか
口元はニヤケ、感動で目から涙が溢れ、リズムに合わせて全力で拳を上げていた

スクリーンでは三井寺でのライブ映像も同時進行で流れる
更にライブハウスの照明演出に、配信ライブでは無かった生楽器の爆音が加わることでとんでもないライブが爆誕していた


「会いたかったぞ大阪ー‼︎」

続けて原曲にダンサブルなアレンジを加えた
JudgmentとClaymoreを続けて披露

どちらもシングルのカップリング曲ながら充分すぎる存在感だ

そしてFear, and Loathing in Las Vegasとのコラボ楽曲、Be affectedで汗だくになるほどノリノリのピークを作り上げとんでもないスタートダッシュを決めてみせた


「2年ぶり、ようやく帰ってこれました大阪‼︎ 本当に嬉しいです‼︎ この2年という時間は、僕達から、あまりにも沢山の物を奪っていきました……………今日ここに来れなかった奴ら、チケットは取ったけど、来る事を悩んだ人達もいると思います…………その想いを全部受け止めて、今日は最高のライブをします‼︎」

「なんと言われようがその先の………その先の向こうへ今一度突き進む‼︎退かぬ・媚びぬ・省みぬ‼︎ 俺が………」

「西川貴教だ!」


コロナ禍前まではよくオープニングナンバーとして君臨していたRoll The Diceだ
ほぼ低音で構成されたこの曲も、ライブになるとDJのアレンジが加わり縦にも横にもノれる曲へと変貌

「今日と言う日は、皆に残された人生の最初の1日!今日から始まる、ヒストリー」

His/Story
鉄板とも言えるこの2曲の繋ぎはファンの体に染み込んでいるようだ、一体感が更に高まる
本来ならコーラスが魅力の曲ではあるが、今回は代わりにステージのメンバーが歌ったり
聴こえるはずだったフロアのコーラスに耳を傾けるシーンもあった


「ドラムス‼︎山﨑 慶‼︎」
「DJ‼︎Yamato‼︎」


2人のパフォーマンスを挟み次はサビの疾走感がたまらないREBRAIN in Your Headへ突入

もうここにいる全員が沢山の規制を強いられていることなんか忘れているだろう
ルールの範囲内で最大限の楽しみ方をしていればもう満足すぎるくらいの充実感があった

「今日ここにいない奴らの分の想いを込めて……」

西川のハイトーンとスクリーンに映し出された宇宙のような星空のような演出が印象的だったHear me

まだライブに来れない人がいる事、その人達がまたライブに来れる日まで活動を続ける決意を噛み締めるように歌い上げた

「あなたは、誰かにとってのスーパーヒーロー」

手を左右に振れるようなアレンジが施されたHEROで前半ブロックを締め括った
ここで一旦MCへ

「はぁ〜よくない……良くないですよホントw
こっちはただでさえ色んな想いをこう感じながらやってるからもう胸がいっぱいなのに……ちょいちょいこんなんなってる人(泣く仕草)いて……なんかこっちまで貰っちゃうんですよw
意外と後ろまで見えてますからね⁉︎こんな(泣き真似)して‼︎良くないですよ⁉︎w」


「まぁ〜こっちがそんなんなってる時でも……あなたは関係ないですよね?感情無いもんね?」

メンバーにも話をふる、まずはドラムの山﨑 慶から

『いや……僕ドライアイなんですけど………さっきの曲の時は泣きそうになってました』

「あぁそうなの⁉︎泣き……そう……結局泣いてはねぇじゃねぇか?www流石『鉄の漢』www」

『いやちょっとこう……ウルウルはきててw』


「あぁね……鉄の漢は否定しないのね?www」


「まぁでもw何でなんやろうね?リハだと全然平気なのに……ねぇ?w」

ギターの菰口 雄矢

『いやホントそうなんですよ、Here meとHEROは今のところ毎回胸がいっぱいになるんですよねー』

「やっぱりそうだよねぇ?Yamatoさんは?
何ちっちゃい声で喋ってんだよ⁉︎
お前昼公演のこんにゃくDJ引きずってるんだろ⁉︎」

DJ Yamato

『あれ内緒って言ってたのにぃw』

「いいじゃない!wから揚げ揚げ太郎みたいなw」

『今日からそれでいきますw』

「はぁ〜あw はい、これで一応全員しゃべりましたね………なんですか?何かありますかニ家元さん?w
あなたはいいんです‼︎みんなの気持ちとか考え無くても‼︎w
自分に集中して下さい‼︎w」

ベースのニ家元 亮介

「あの皆さんこの人ね、こないだツアー始まったばかりなのに危うく捻挫しかけてましたからね⁉︎w」


『ステージ暗くてそこの(ドラムセット前)の照明が分からなくてw でももう覚えました!認識したから大丈夫ですw』

「本当に〜?あなた前回のツアーも捻挫してたでしょ⁉︎」

『しかも(会場)ここですw』

「後ね、最近この人演奏中に勢いつけてジャンプする事を覚えてたんですけど………よく見てて下さいw 着地する時にこう……プリンをお皿に落とした時みたいになんかぶるぅぅぅん‼︎ってなるんでwww」


「はぁ〜どうするのよw 次まぁまぁシリアスな感じの曲だよw どう入るのw」

そうは言いつつもまるで舞台のような台詞回しで見事に次曲へと繋ぐからこのボーカリストの振り幅は底知れない


ダークでシリアスなElegy of Prisonerでまたライブモードへと切り替えると


「さぁ大阪‼︎ せっかく来たんだ‼︎ 脊髄燃やして行けぇぇぇ‼︎」


と熱すぎるほどアッパーなUNBROKENへ
間奏のギターフレーズが堪らなくかっこいい

そしてベースの重厚感で音の迫力が更に増す

それでいてこの曲も踊り狂えるアレンジが施されているので熱狂の時間となった


「お待たせしました‼︎ ビリビリする時間がやって参りましたよ‼︎」


BIRI×BIRIは元々がゴキゲンでイケイケのナンバーだが更に底上げされたアレンジでフロアを痺れさせる

遂にはサポートメンバー全員が持ち場を離れてステージ前方に集結
手拍子を煽るシーンもあり、このはちゃめちゃ感が楽しくて仕方ない


一呼吸置いて


「西川貴教として活動を始める時、もう一度歌や音楽と向き合い、僕自身の表現力を見つめ直すと決めました………そこに、熱い奴らが集まってくれて……多彩な楽曲を一緒に作り上げたり……バンドメンバーだって……西川貴教としての活動がまた動き出すのをずっと待っていてくれました………50過ぎた人間が何を今更と思うかもしれない……青臭いことを言ってしまいますが……まだ夢を見たいんだよ‼︎ そしてその先に……間違いなく……お前らがいてくれるなら‼︎俺は挑戦し続ける‼︎その覚悟をこの歌に‼︎」


ここからラストスパート
Eden through the roughから再びスクリーンには三井寺でのライブが同時進行で映し出される
情熱と決意の込められた歌声に引き込まれて
フロアの拳も一層熱く上がる


更に休み無しにASCAとのコラボ曲、天秤-Libra-へ
THE アニソンといった作りになっており、ライブ終盤のここにきてまた新しいタイプの曲が出て来るのは、新人と自称はしているが既にとんでも無いアーティストへと昇華されているのを感じる


「いやぁ〜本当に楽しかった〜、この時間をずっと楽しみにしてて……今日こうしてライブをやって本当に良かったです‼︎ 次が最後の曲です………俺の全てを込めて……さぁ!行こうか大阪‼︎」


本編最後を飾るのはCrescent Cutlass


歩みを止めない覚悟、新たな夢を追いかける決意
そんな熱意がステージからフロアへ
フロアからステージへレスポンスされるような盛り上がりと感動的とも言えるクライマックス


「ありがとうございました‼︎ また必ず帰ってくるから‼︎ またな大阪‼︎」


アウトロのフェードアウトと共にステージを後にするメンバー達


溢れる感情を全て拍手に込めて彼らを見送る

これで終わりでも大満足
だが叶うのならもう少し
拍手はすぐにアンコールを求める手拍子へと変わった


しばらくすると赤い照明と共に警報音が鳴り響く
サポートメンバーが颯爽と再び持ち場に付くとあのフレーズが

01 01 01 01……………


ヒーローが再びステージに舞い戻りアンコール1発目
令和初の仮面ライダー主題歌 REAL×EYESだ

LUNA SEAのJとのコラボも話題になった名曲

これもまたライブ化けが凄まじい
演奏の疾走感と重厚感が増し歌声もスコンと抜けて耳に届くこの感じがたまらない

特撮のイベントも開催が難しい令和の時代
中々主題歌を生で聴ける機会も少ない中でこうしてライブハウスで堪能できるこの時間はなんてプレミアムだろう


「明けない夜は無い、止まない雨はない」


プレミアムな時間はまだ続く

Another Daybreak
こちらは劇場版の主題歌だ

フルコースの料理を食べていて
メインディッシュの後にデザートが来ると思っていたらまた別のメインディッシュが提供されるかのような

それくらい豪華な2曲だった


「いや〜本当に楽しかったです、ありがとうございました。
でも、改めて、ライブって言うのは皆さんの、余計な声援があって成り立つんだなぁとw
僕達が極上の鍋を用意して皆さんに提供したつもりでしたが……やはりそこに皆さんが上手そうにガン見してたり、皆さんの唾なんかが入ったりしてwそうしてライブって鍋は最高に美味くなるんだなとw
またいつか、皆さんの唾入りの鍋が食べれる日が来るまでw また大阪でライブが出来るようがんばります……」


「まぁ中々ね、ようやくライブが出来たとこですがアルバムまだ1枚しか出してないしw
2枚目は今作ってる最中なんでw また新しいものを早く提供できるようにねw 楽しみにしていて下さい」

「せっかくなんで、ぶっ飛んだ奴らとぶっ飛んだ曲をやる事になったので、最後にその新曲を‼︎」


正真正銘本日ラストの1曲はまだリリース前の新曲、ももいろクローバーZとのコラボ曲
鉄血†Gravityだ

最後にこの活動の近未来を披露してくるこの締め方は
このライブで魅せたかったこれまでの活動の総括と、近い未来に起こる更なる進化を予感させるような予告編のようだった


もうライブが終わると言うのにこのワクワク感はなんだ


寂しさより期待や希望が溢れてくる


「最高だった!今日やって良かったよ大阪‼︎また必ず会いに来るからな‼︎」


彼が言うのだから間違い無いのだろう
轟音で本日のライブはエンディングとなった

最後にやり切った爽やかな表情で西川とサポートメンバーが1礼

声を出して、立ち上がって称賛したい気持ちをグッと堪えて手が真っ赤になるほどの拍手で気持ちを届ける


着席だが汗だくになるほどのライブ
それでいて誰一人ルール違反をせずにやり切った
アーティストとファンの絆の賜物だ

この一体感に最高の演出と演奏
規格外の歌声に表現力
こんな贅沢なライブ
もうしばらく今いるファンだけで独占したい

そんな気持ちにすらなるようなとんでもない時間だった

ただ、西川貴教が夢を追いかける事を辞めない以上
独占する間なんて無く、気が付けばチケットが中々取れなくなってしまうのだろうな


As a route of ray
Judgment
Claymore
Be affected
Roll The Dice
His/Story
REBRAIN in Your Head
Hear Me
HERO
Elegy of Prisoner
UNBROKEN
BIRI×BIRI
Eden through the rough
天秤-Libra-
Crescent Cutlass
En.
REAL×EYES
Another Daybreak
鉄血†Gravity

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?