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ハッピーエンド
自己紹介
10代の頃は、何の疑問もなく「きっと幸せになるんだろうな」とおもっていた。乙女のようにハッピーエンドを信じてやまない。なんとなくむてきな、そして愚かな時代だった。
膵炎に侵されて、学校にいけない日がつづいても いじめられてともだちがひとりもいなくても 両親にめぐまれていなくても、
わたしにはピアノとカメラがあって、それらは私の期待に応えてくれた。
カメラはだいすきな窓から見える空を私の目に映るよりも綺麗に映してくれるし、ピアノは音を鳴らしただけで優しい音を反響してくれる。
まぎれもなくそのときのわたしにとって、ピアノとカメラは魂でつながるともだちだった。
ーーー
19歳、いざ外の世界に出る時、わたしは人と目を合わせることができなくなっていた。
長年、病気を信じてもらえなくて、ひどいいじめにあっていたからかもしれない。
病院に行っても薬しかくれなかったので、自分で対人恐怖症、視線恐怖症、HSP、心理学系のあらゆる本を読みこんだ。
一冊出会った「こうするといい」のようなものをかいてある、もう読みすぎて描き込みすぎてぐちゃぐちゃになった本をにぎりしめて、美大予備校の扉を叩いた。
そこには、精神の波のない普通の人たち、いじめてこない、やさしくしてくれる人たち、がたくさんいた。
わたしの人生は孤独を脱し、ここからはじまったのかもしれない。