ガザ侵攻から一年。を小さな畑で想う
2023年10月7日から、一年が経つ。
抗議活動のシンボルでもあり、自由を求める闘いの象徴として使われてきたスイカと、畑の休憩時間に分け合ったスイカは、果たして接合していただろうか。
この夏の酷暑から、畑の面々を幾度となく救ってくれたスイカ。あの瑞々しい一切れを頬張るたびに、それが自由を求める闘いのシンボルだと思いを寄せられていただろうか。
目の前のことに頭が一杯になり、スイカを目の前にしてなお、絶え間ない暴力によって命を脅かされている人々や、大切な人を失った人々や、無国籍となった人々や、極めて困難な生活環境で予測不可能な一分一秒を過ごす人々や、故郷の地で暮らすあらゆる権利を奪われた人々に対して、思いが及ばず、言葉にできなかったことに対する罪悪感は、時を経てより一層増していく。
暴力は様々に形を変え、パレスチナ伝統の野菜や果物の在来種が姿を消し、土着の農業文化や懐かしい風景すら、消されている。人とのつながり、豊かな自然との関わり合いが、削り取られている。
私たち、畑に集う面々は、夏を乗り越えられたことに互いを労い合い、芽が出れば喜び合う。こうして、周りの人々をいたわりながら、私たちの人生は続く。続く限りにおいて、沢山の喜びや祝福があるだろう。それでも、アラブ世界で現在も続く、重苦しい現実から切り離されることはない。罪悪感を拭い去ることもない。
真夏の畑に何度も現れたスイカ、その断片的な光景を思い出し、ジェノサイド、民族浄化、占領、アパルトヘイトに対する抵抗のシンボルを想起し、パレスチナ解放の声をあげることができたはずだと、そんなことを思った。
2023年10月7日から一年。でもその日から始まったのではない。バルフォア宣言は100年以上も前の話だ。罪のない命を奪う権利は誰にもない。いついかなる時も、ない。
freepalestine. ceacefirenow.