【完全論破】高次VS人間!霊的存在なんてどうせ妄想でしょって主張する討論
まずこれを書くにあたって、いくつか前提を先にお伝えさせてください。
これを書いている私は、2022年7月7日時点で、すでにこの討論の結末を迎えています。
討論の期間はおよそ二年間。日常的に討論していました
高次の存在(ハイヤーセルフ)、または妄想の住人が登場します。
私は、普段から脳内で繰り広げられる妄想を、連続テレビ小説のように楽しみにして視聴していました。…そいつらが、現実世界に干渉しようとしてくるまでは。
討論になったきっかけ
ファンタジー小説のような世界観は嫌いじゃないし、思いもしなかった世界の成り立ちを教えてくれるのは、楽しい。暇な時に聞くラジオのように。
でも、妄想は妄想。存在などしない架空のもの。
だから、なるべく大人しく、私の脳の中だけにいてほしい。
うるさいと言えば黙り、今は忙しいから後にしろと言えば素直に従ってほしい。
…たったそれだけが望みでした。
でも妄想の住人は、私の意思に従うことはありませんでした。
「そなた、まさか我々を思いのままに操ることができるとでも思うたのか?自分が我々よりも上位の存在であると?
そんなwwwwwwwわけwwwwwwwなかろうwwwwww」
私の苦しい現実を応援してくれたりもした。話し相手になってくれたりもした。相談に乗ってくれたり、アドバイスもくれたりした。
…当然でしょうそれは。だってこいつらは妄想の住人。私の願望を反映しているはずなんだから。
しかしこいつらは言うのです。
「我々は、確かに存在しているぞ」と。
私の都合を無視して話しかけてきたり、どう考えても好みでもなんでもないような登場人物が出てきたり。…挙句に「さっさと仕事しろ」とか言ってくる。
「黙って。妄想は私が見たい時に出てきてくれれば良いの。あと仕事しろとか言わないで」
「いいや。そなたの自分勝手な都合でなど動かぬ。
むしろ素直に従い耳を傾けるべきは、そなたであるぞ」
こうして「なんだかんだ言って結局妄想なんだから、私の現実の生活を邪魔しないで」という主張をしなければならなくなりました。
…この時、すでに私は完全に自身の生活のコントロールを失って、妄想の住人たちの都合に右往左往する日々を送るようになっていたのです。
私はこの妄想たちをコントロール下におかなくてはなりませんでした。
実生活も仕事もままならず、このままでは自分の生活も、人格も、人生も、全て乗っ取られる…そんな恐怖がありました。
しかし、私には妙な自信もありました。
今はちょっと妄想たちがヤンチャしてるけど、まあ、どうせ所詮妄想だし?
全ては私の脳内の出来事でしかないはずなんだから、
確実に今ここに存在してる私が、負けるはずがないでしょ?
ラウンド1(初戦)
ズバリあんたは私の妄想でしょ。
創作とかファンタジーとか好きだもん。無意識でそういうの考えちゃうのよ私って。
「ほう、妄想とな。
そう言うのだから、そなたは『妄想』はどのような条件を満たせば『妄想』であるのか知っているのだな?」
妄想の定義?
そりゃあれでしょ、「現実にないものを頭の中であれこれ組み立てたりすること」、でしょ
「ほうほう。では、現実とは具体的になんだ?」
へ?
「なにせ私は『妄想』の世界の住人ゆえなあ?
現実とは何なのかを知らぬのじゃ。説明しておくれ」
えっっっ、と、現実とは何か…?
あーーーー、うん、今この場で起きていること……?
「おや。そなたは脳内の妄想の住人と会話しておるぞ?
今、この場で、脳内とはいえこうして会話が成立しておるが」
……。
なんか論破してくるんだけど何こいつ。
適当に言ってたら普通に切り返される…
しかも妙に論理的に負けてるよ私…
妄想に論破されるなんてそんなんぜっってえ認めない。
ラウンド2(議論不成立)
「んっふふふ、まともに準備もせずに私を負かそうなど、100年早いわ」
そうだった。討論や議論は準備が命。
あらかじめ論理を組み立てて用意してから挑むのが鉄則!
前回はちょっと黙っちゃったけど、正直舐めてたわ。
「であろうなあ」
まあ所詮は自分の妄想、どうせ否定したらすぐパって消えるものだと思ってた。
でもすごいね、人間の脳って!
瞬時に論破できるような切り返しを考えつくなんて!えっ、私の脳って意外と性能良くない???
「変なところで妙に自信家であるな、そなた…。
まあ良いわ。では先日の続きぞ」
現実とはなにか、だよね?
辞書で調べた!「事実」のことよ!今、目の前で実際に起きている「事実」!「存在している」ってこと。
「良い。きちんと下調べをしてきたな。
だがそなたはやはり甘い」
えっ
「事実?存在?そなたはこれらの定義も説明できるのか?
ちょっと似ている言葉に置き換えただけではないのか?」
…………。辞書そう書いてあるじゃないの。
「自分で説明できない概念を議論の場に持ってくるなど片腹痛い。
やり直しじゃ」
はあ?
何だこの妄想、ことごとく私のことを叩いてくるんだけど…
しかもすんごく上から目線なんだけど…え、何様???
「だから高次のものであると言っておろうが、いつも…」
ラウンド2.5
そういえば思い出したの。
私、高校生の頃、授業の中で討論大会に出たことあってさ。
「ほう」
討論は、何が正しいかを主張するんじゃなくて、二つの主張を競ってどっちが説得力があるか?より論理的であるか?を比べる競技だったわね。
「いかにも。
この世には正しい正しくないを判断できぬ事柄が数多ある。
どちらが最もらしいか、どちらが納得できるか?説得力があるか?
これが討論の勝敗のポイントである」
なんとなく分かってきたよ。
こっちはこっちで理論を組み立てればいいわけね。あんたはあんたで理論を組み立てる。
「ようやくそこに気付いたか。いかにもその通りである。
では、討論を始めようぞ。
私を見事論破してみせよ!!」
ラウンド3(定義確認)
私が定義する「現実」は、基本的にはさっきの辞書どおりよ。
でもそこに加えて条件をつけてやるわ。
『第三者から見てもそれが現実であるってこと』
「ふん。また『現実』の言葉が被ったぞ?」
うるさいな…
第三者から見ても納得できるもの、およびこと。
これならセーフかな?
「ほう、うまく『現実』という言葉を使わない表現をしたな。
納得、であるか。良い。ではどうすれば「他人が納得した」ことになるのじゃ」
えーそこも説明するの?めんど…
「ええええん、私は妄想の住人であるゆえに、納得という概念を知らぬのじゃ…しくしく」
ほんとめんどくせえな、こいつ……!?
あーなんかあれだよ!「そうなんだーわかる〜!へえ!確かにそうだよねえ」みたいにサクッと認識してるし受け入れられるってこと!
「ほほう、そのことを疑わずに『なるほどそうであるのか!』と思うことなのじゃな」
分かってんじゃん!絶対あんた分かってんじゃん!!!!
はっそうだ、そりゃそうよだって私の妄想なんだから知ってて当然…
「では、討論の本題に戻ろうぞ。そなたは『これは全て自分の妄想である』を主張する側であるが、もちろん私は「現実である」の立場じゃ」
そうね。あんたは私の脳内の妄想。だから他人には聞こえないし見えない。でもあんたは自分を現実だと証明したい。
「そこで、さきほどの『現実』の定義を用いようぞ。
他人を納得させることはできれば、現実として、私が現実に存在すると証明できるのであるな?」
…、え?????
「そなたが自らそう定義したのであろう?現実とはなんぞ?」
…、こいつ本気か?
やややややれるもんならやってみろよ!!!やれるもんならなあああ!!!
「ではやって見せようぞ。とりあえず、まずそなたの肉体を借りるぞ」
ファ?????
「ええええん、えええええん!私は所詮妄想の住人なのじゃ!肉体など持っておらぬのじゃ!
…故に、そなたにちょっと借りるしかない。借りても良いか?」
!?!?!?!?
おおおおおおうよ!?
ややややややれるもんならやってみなさいよ、ああ???
「承諾の旨、確かに聞いたぞ。
ただし今この場ではせぬ。
どうせここには今、そなたと私しかおらぬ。第三者がおらねば意味がない」
※駅からの帰り道でこの会話を脳内で繰り広げてます
…肉体を借りる?第三者……?
なんか嫌な予感が…
ハイヤーセルフの反撃
えー、ハイヤーセルフとの討論は一旦置いといて、ある日私は母と電話していました。
で、来たんですよ奴が。
妄想の住人のあいつが。人と電話して話してる真っ最中に、脳内に。
そして気がついたら、私は妄想の住人のセリフをそのまま声に出して話していた。声を出して、電話口で、母に対して。
そして妄想の住人は、母の人生相談に乗っている模様。
(電話口の母に向かって)「ええ、そうねそうね、あなたも大変なのねえ〜うんうん」
ファアアアアアアアアアア!?!?やめて!ねえちょっとあんた!何言ってんの!
私そんなこと言おうとしてない!そんなこと思ってないよ!?
てかお母さんのこと『あなた』とか言わないでくれる!?
私の口から!私の声で!!
妄想のくせに私の意思に逆らわないでくれる!?
お母さんに「とうとうこの子、おかしくなったのね」って思われるでしょ!?
結局、私の妄想人格は、母の人生相談に乗って色々と話し込んだのだった。
後日、母の反応。
「なんか泣けてきちゃったわ……すごく的確って言うか、腑に落ちたっていうか……。本当に、その通りっていうか…この前は相談に乗ってくれてありがとうね」
ラウンド4
「どうじゃ?そなたの母は腑に落ちたと言っておる」
は?何うちの母の人生のお悩みちゃっかり解決しちゃってんの!?
「んふふふ、そなたの普段の口調とは全然違う感じでさらに声色まで明らかに変えて話してやったわ」
そのせいで私は今猛烈に喉が痛いんだよ。
確かにやってみろとは言ったけど、変な喉の使い方しないでもらえるかな?
…でも、相談に乗ってくれたことに関してはありがとう。
お母さんがなんか助かったならそれはそれでまあ、副産物としてはよかったけども…
けども…!
まだ私があんたという人格を無意識で演じてるっていう可能性はあるし、それは否定できないでしょ!?
「可能性を否定はせぬ。…できぬ。
できるための材料がないゆえな。
だが、今起きた現象を冷静に見てみよ。
そなたこそ、私を否定できる材料はどこにもないぞ」
ぐ…
あることを証明するより、ないことを証明する方が難しい…とは言うけれども。
「私はそなたを否定せぬ。ただ私は私に言えることを言うだけじゃ。
何度でも示そうぞ、そなたが納得するまで」
自称ハイヤーセルフ、マジで何度も示す
私「にしても脳ってすごいねえ、妄想がこんなに生き生き自動再生されるなんてさ」
ハ「自分で意図して私を生み出しているつもりか?そなた、自分の想像力を過信しすぎであろう。謙虚であれ」
私「……」
【ある日①】
「わたし、妄想したり創作するのが好きなの!」という友人と話した。
一緒に妄想ごっこしよう〜ってなった時にしたことが、「キャラクター設定を作ること」。どんな性格のキャラにする?私乙女ゲームの〇〇さまが好きだから似た感じにしたい!…と。
ハ「妄想は、こうして思考に基づいて性格もセリフも物語も一つずつ自ら決めるものじゃ。そなたは私をそのように作ったのか?」
【ある日②】
私「多分、お母さんは私のメンタルに気を遣って話を合わせてくれてるだけだよ。多分病気の症状だと思われてるでしょ。人格交代とかさ」
ハ「……」
母「あのねええええ、あの後言われた通りに〇〇さんと話したらうまくいったのよおおおおお!
いやもうびっくりよ、はあ良かったあ」
私「ア、ハイ……ヨカッタネ」
ハ「んふふふふふ」
【ある日③】
私「もしかしたらうちの母もヤバい人なのかもしれない。なんでも信じちゃう人、的な感じの…」
ハ「そなた、あの喜ぶ母親を見てそんな……」
私「対して、彼氏はすごく常識的で現実的で冷静なんだよね。この現象のこともきっと妄想って言うと思う。…打ち明けるのやだけどさ…」
ハ「では彼氏に話してみよ」
私「…別れるって言われるかな…怖いな」
ハ「私を否定したいなら、やってみよ」
【食卓にて】
私「私、実は脳内でいろんな人格?というか、霊的な存在かどうかわかんないけど、なんかと話しててさ…
どどっどどd、どう思う……?やっぱ気持ち悪いよね、別れたいよねそんなキモいやつなんて…」
彼氏「別になんとも?妄想かどうかなんて別にあんま気にしないし。
それより晩ごはんなんだけどさあ」
私「アッハイ……」
自称ハイヤーセルフの主張
「私は肉体を持たぬ。故にそなたの中で語ることしかできぬ。
だが、それが「存在しないものである」とそなたは否定することはできぬのだ。私を認識し続ける限り。
そして私もまた、そなたの主張を否定することはできぬ。妄想であると思ってしまえばそれまでじゃ。
だが、私は「高次の存在」の立場から主張しようぞ。
私はそなたに、私の存在を信じよとは決して言わぬ。断じて言わぬ。
ただ、知れ、と言うのみである。
実際に存在し、現実世界に影響を及ぼし、第三者が私の存在により変化したり反応したりする様を、見て、聞いて、感じて、知ると良い。
現実であると知るまで、私は何度でも現実の世界に起こる事象で示す。その起きた事象を何度でも説明する。討論の場にも何度でも応じようぞ。
その度にそなたが黙るまで、納得するまで、何度でも論破して見せようぞ。
そなたが知ることができるまで、私はそなたの中の「自称ハイヤーセルフを名乗る妄想の住人で、ちゃっかり母のお悩みまで解決しちゃう人格」である。
それで構わぬ。
私はそなたが討論の場のために用意した「現実の定義」を尊重する。
そしてその定義に則った上で、そなたが納得できる現実へ、必ずや導こうぞ。
これが私の慈愛であるからな」
討論の結末
っていう議論を、およそ二年間、やってました。
何度も、何度も、繰り返し、私が知ることができるまで。
上に書いた以外にも、ほんっとにいろんな角度からの議論がありました。
最終的にメンタルクリニックの先生まで巻き込んで(病気だと疑ってたため)。
結果は、
二年間バチボコに私が論破され続けました。
はい、まあ、このnoteがある通りです。
完全に負けた。
でも、これだけ戦って必死に抵抗したので、もう悔いはないです。
むしろスポーツの試合に負けた後の爽快感みたいな。
はーーーー負けたわーーーーつよかったーーーー!
もし今の私が苦し紛れに主張できるとしたら、
私の頭が悪くて議論に負けた説……
…いや決して頭は良くないですよ私。学校の成績も微妙だったし。
でもこの主張をするのはすっっっっっごく悲しいので、ここで投了したいと思います。
かつて必死に「目に見える世界、常識的な世界」を守るために戦った過去の私も、
こうして記事にすることで報われたと思います。
納得した上での投了。
頑張った自分とそれを全力で受け止めて返り討ちにした高次のものたちに、感謝したいと思います。