ひらがなエッセイ #23 【ぬ】

    あれ、寝てる間にヘッドスピンでもしたのかな？ と思う位、枕元に【抜け毛】が散乱している今日この頃である。

    年を重ねて行く度に毛量が気になり始め、効くのかどうかもわからない高いシャンプーやコンディショナーを購入して使用しているが、枕元の【抜け毛】を見る度にため息しか出ない。やれ昆布がいいぞ、だとか、ひじきだワカメだ何だと試してみたがどれも眉唾物だ。あぁ、失った物や失う物に未練などないと思って暮らして来たが、今、ハッキリと失いたくない物がある事に気が付いた。それは髪の毛である。私は思春期を迎えて以来少し長めの髪の毛をワックスでくしゃくしゃにして暮らして来たので他の髪型はした事がない。坊主や短髪が似合う人が羨ましいよ、とほほ。

    【抜け毛】について調べてみた。

    ブラッシングやシャンプーなどで自然に抜け落ちた髪の中に細い髪や短い髪が多く混ざっていると注意が必要です、と書かれてあった。どうやら成長前の細い毛や短い毛が抜けるって事は、お前の頭はもう死んでいる状態らしい。マジか、どれどれ、枕元を探して見たが、そのような毛は見当たらない、いける、これはイケるぞ、まだまだ大丈夫、ありがとう地球、これで明日もモテモテだわ。なんつって。しばらく調べを進めて行くと、薄毛に医学的定義は存在しませんと書かれてあった。どないやねん。

    結局の所、ストレスを溜める事が髪の毛に良くないらしい。割り込みしてくる人より、その割り込みに腹を立てた人がハゲるなんてやり切れないぜ。

    大事な髪の毛の為にも、イライラする事なく、穏やかに暮らして行きたいもんですわな。