スフマート


しばらく前に 
私の軸を織り成す存在の一つが
忽然と姿を消した

好意を伝えていたのに 
敬意に近く 
その背中に答えを探していた

未だ 
ブリーチーズを食べる女の笑みが 
脳にこびりついたままだ

あなたが本当に 
果物ナイフを携えた
露出狂だったのかはさておき 

それでも私は 
言葉越しにあなたという存在に
高揚し惚れていた

孤独に嫉妬や怠惰を語る私も 
ある意味では露出狂なのかも知れず

一線を越えるか否かという瀬戸際で 
結末を探るあなたが遂に消え

餌を貰えない迷い子猫は
餓死の一途を辿る 
本なら幾らでもあるが

出回り評価されたお墨付きよりも 
密かにあなたの血肉を啜りたい

あなたの言うとおり 
文章を書くと碌でも無い羽目になるようです

たとえこの結末が必然だったとしても 
言葉を通じ知れて良かった

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