わが家限定の風物詩
ー七夕と汁なし担々麺(下)
七夕の日(7月7日)に敢えて中華料理屋で汁なし担々麺を食べる理由を奥さんに尋ねたところ、返ってきた答えは「特にないよ」。ただ、この日にサプライズしようとは企んでいたようだ。織姫と彦星は一年に一度しかデートできない。しかも、雨が降ったら次の七夕に延期。いわば、サプライズみたいなものだから、この日のサプライズイベントはすべて七夕にちなんだものだという理屈らしい。迷いなく言い放つ気持ちが実に逞しい。
似たもの夫婦
こじつけにここまで胸を張れるのは、一周回って逆に立派だ。こちらも決して人のことは言えない。この日の午後に「入谷朝顔まつり(朝顔市)」に誘った理由は、例年の実施期間が七夕を含むからという独りよがりっぷり。似たもの夫婦だ。苦笑いを浮かべつつ、汁なし担々麺に入った花椒のヒリヒリ感、ビールの苦みを楽しんだ。
彦星が牛使い星だから、大事にしている牛にちなみ、牛ステーキを食べるというサプライズイベントでなくて幾らかホッとしている。もっとも、牛を「神聖な動物」として崇めるヒンドゥー教徒が人口の8割を占めるインド。この国は世界指折りの牛肉輸出国といった事例もある。だから、そこまで神経質になっていない。
インパクト大
正直なところ、奥さんがどんなに"サプライズつながり"を主張しても、七夕と汁なし担々麺の相関は個人的に見いだしにくい。ただ意外にも、毎年七夕になると、この汁なし担々麺を思い出しそうな予感がする。その程度には、インパクトがあるサプライズと言える。
七夕に汁なし担々麺ー。わが家限定の風物詩になりそうで恐い。
連載「七夕と汁なし担々麺」シリーズ:
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