俳句で"オレアチ漫遊記"(弐拾弐)
信楽焼は、滋賀県甲賀市信楽を中心に作られている陶器。この焼き物の名前を聞いてすぐに思い浮かぶのは、たぬきの置き物だ。実際、甲賀市を訪れると、至るところにこの置き物を目にする。今回、"note仲間"やまきちさんが俳句の題材に選んだ素材は、甲賀市内の道の駅に飾られていた信楽焼のたぬきの置き物の写真。甲賀忍者の衣装をまとい、実に愛くるしい。
連載「俳句で"オレアチ漫遊記"(※)」は、りすが書いた旅行記「オレとアチキの西方漫遊記(※)」のワンシーンを取り出し、それをテーマに俳句修行中のやまきちさんが句を詠む企画。この旅行記はすでに完結している。
夕暮れ時の句:
題材テーマ:「オレとアチキの西方漫遊記(39)ー薄い記憶と濃い記憶」
季語は「月の出」で秋をさす。このたぬきの置き物があった道の駅。立ち寄たのは夕暮れ時で、空に月が小さく顔を覗かせていた。やまきちさんによると、聞いたそのままの風景をそのままストレートに詠んだという。
たぬきの置き物は「他(た)を抜く」「太っ腹(腹鼓)」に通じ、縁起物として知られている。商売繁盛のため、店先に置くのもそのためだ。こうした事情を踏まえ、句中では「福たぬき」と表現したそうだ。
やまきちさんから常々、正直に感想を伝えてもらわないと腕が上がらないと言われている。だから、おこがましいのを承知で言わせてもらう。あまりに真っ直ぐに詠まれた句なので、どこか物足りない感。一捻り欲しい。
こんなところで宜しいかね、やまきちさん。
(トップ写真:りすとやまきちコラボ企画のイメージカット=りす作成)
題材リンク:
「俳句で"オレアチ漫遊記"」シリーズ:
「オレとアチキの西方漫遊記」シリーズ:
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