強敵チョコ
ーバレンタインデーと「もなかかお」
バレンタインデー(2月14日)と言えば、チョコレート。一歩踏み込み、本命チョコ、義理チョコは分かる。次に「友チョコ」。これもどうにか分かる。ただ「逆チョコ」「自己チョコ」「強敵チョコ」まで来ると、もはや意味が分からない。バレンタインデーの少し前。親しい先輩男性から自宅に贈り物が届いた。中身はチョコレートのお菓子。これがいわゆる強敵チョコというヤツかー。そう言うと、夫婦で顔を見合わせて笑った。
関連リンク(連載「バレンタインデー」シリーズ):「"チョコの宝石箱"ーバレンタインデーとリンドール」「きっかけに一役ーバレンタインデーと姉のチョコ」
多様性
インターネットによると、主に女性同士で互いにチョコを贈り合うのを友チョコ、男性が女性にチョコを渡すのを逆チョコ、自分でチョコを買って自分で食べるのを自己チョコというらしい。そして、男性同士が互いにチョコを贈り合うのを強敵チョコとのことだ。
この強敵チョコという言い回しが実に上手い。漫画『北斗の拳』に出てくる名フレーズ「強敵と書いて『とも』と読む」から連想してつくったに違いなく、見るたびにクスッとする。誰がつくったかは知らないが、100点満点を差し上げたい。
特に日本では、女性が意中の男性への告白として本命チョコを贈るとされていた。ただ今となっては、もはやその意味合いは薄い。今はダイバーシティー(多様性)の時代とよく言われるが、バレンタインデーのチョコの意味合い一つとっても、それが当てはまる。
懐かしの菓子
先輩男性からもらったチョコ菓子は、洋菓子店「京都北山マールブランシュ」の「もなかかお」。2種類のこだわりもなかで、自社焙煎のアーモンドを使った滑らか食感のミルクチョコレートを挟み込み、日本人好みの味わいに仕立てたという。
京都北山マールブランシュのチョコレート専門店「加加阿365」のみで販売しているそうだ。大きさは大人二口サイズで食べやすい。高級感があってとても上品な感じだ。食べると、幼い頃の記憶にある森永製菓のチョコ菓子「ぬ~ぼ~」が思い浮かぶ。
奥さんはピンときていなかったが、インターネットを調べると、同じ意見の女性を見つけた。曰く、「1個50円程度の『ぬ〜ぼ〜』に似ていると言うと、マールブランシュの人には怒られそう」。ほかにもいそうだ。マールブランシュは休日になると、行列の出来る店らしい。
ホワイトデー
もらったチョコ菓子を強敵チョコと呼んだが、実際のところ、強敵というのはおこがましい話だ。先輩男性は、縁あって知り合った別の会社の管理職の人。年齢もずっと年上だ。夫婦揃って随分と可愛がってもらっている。実情に即して言うと、下賜チョコか!?そこまで謙る必要もないか。
今度、敢えてホワイトデーを選んでお返ししよう。
(写真:『りすの独り言』トップ画像=りす撮影の画像を基にりす作成、加加阿365が限定販売するもなかかお=同)