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黒龍、ツンデレ疑惑
ー五龍神の田無神社
田無神社(東京都西東京市)の境内に祀られている五龍神のうち、黒龍がとにかく撮りにくい。鎮座している台座がほかの龍神に比べてかなり高く、ご神体全体をスマートフォンのレンズ内にどうにか収めようとすると、必ず台座の角が映り込む。上手く撮るには面倒でも自撮り棒か、脚立が必要になりそうだ。次回はきちんと準備し、心積りした上で訪れたい。
連載「五龍神の田無神社」:「長蛇の列にありがとう」「瓢箪から駒な事実」「ホンモノの金龍」
撮影困難
黒龍はこの神社の北方を護る龍神。植え込みの木々の茂みの中にある台座に祀られていて、まるで小学校にある二宮金次郎の銅像のよう。ご利益は健康増進、家内安全という。うろ覚えだが、黒龍の台座は高さが成年男子の身の丈ほどあり、かなり高かった記憶。
そんな台座に鎮座しているせいで、黒龍に近寄るとどうしても見上げる格好になり、ご神体自体はそれほど大きくなくても、撮ろうとすると角度的にご神体全体が映り込まない。黒龍から一定程度距離を空け、引いて撮ろうとすれば、今度は生い茂る木々の枝葉に邪魔されて、どうもうまくない。
どうして黒龍はこんなに撮るのが難しいのか。理由は分からない。撮ると不都合でもあるのかと勘繰りたくなる。この神社の境内にある青龍(東方の守護竜神)、赤龍(西方の守護竜神)、白龍(南方の守護竜神)の台座はいずれも、せいぜい膝丈ぐらい。おかげで、ご神体全体を撮影しやすい。
インターネットを調べても、黒龍の写真は下からのアングルばかり。皆、それなりに苦労して撮影している姿が伺える。自撮り棒か、脚立があれば、上からのアングルで撮れ、ご神体全体をレンズに収めることができるはずだが、そうした写真は現時点で見つかっていない。
メッセージ
これは黒龍からの挑戦かもしれない。撮っても構わないが、それなりに準備して撮りに来いー。そんなメッセージだとすれば、黒龍の撮影だけが骨が折れるのも理解できなくもない。「撮らせてあげるけど、簡単には撮らせてあげないんだからね」という声も聞こえてきそう。
それって、ただのツンデレじゃねーか。黒龍、ツンデレ疑惑。
(この項、終わり)
余談
この日に撮影した青龍、赤龍、白龍、黒龍を、後日あらためて眺めると、青龍、赤龍、黒龍の三龍神は、いずれも上の方、あるいは前の方に向かって咆哮していて、荒ぶる龍神に見える。これに対して、白龍だけはやや下の方を向き、わが子を慈しむような印象。白いご神体と合わさり、どこか聖母のような雰囲気がある。この違い。興味深い。
(写真:『りすの独り言』トップ画像/田無神社の黒龍=りす撮影)
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