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あのスイーツはどこへ

ー心の穴を埋めたい

カフェ・ベローチェのオープン35周年キャンペーンが終わり、大好きなコーヒーゼリーが通常価格に戻ると独り騒いでいたら、そういえばと奥さんが切り出した。だいぶ前、この店で販売していた「ほろにがプリン」を急に思い出したらしい。「あのときのあのスイーツはどこに行ったのやら」と、虚ろな眼差しでブツブツ言いだした。その様子はどこかホラーだ。

関連リンク(連載「心の穴を埋めたい」シリーズ):「ベローチェ、値引き期間終了ー心の穴を埋めたい

ほろにがプリン

インターネットで調べると、ほろにがプリンは、ベローチェが2021年夏に期間限定で販売していた。われわれ夫婦は、この年の7月11日に食べた。価格396円(税込み)。定番のコーヒーゼリーとそっくりなシルエットだが、味わいはまったく別物。「ただ、これはこれであり」は、当時の個人的な感想。

ほろにがプリンにだいぶ執着している様子の奥さん。いつもコーヒーゼリーをオーダーするから、たまに毛色の違うスイーツが食べたくなるという。だったら、ケーキなど別のスイーツを食べれば良いのではないかとも思うが、当人にしか分からない感覚があるようなので、敢えてスルーする。

まやかし

ただ、コーヒーゼリーとほろにがプリンのどちらかが好きかを問うと、「コーヒーゼリー」と即答。ポイントはトッピングしてあるソフトクリームとの相性らしい。奥さんの好みでは、エスプレッソ入りのマイルドな苦みがあるプリンよりも、ほろ苦いゼリーが合うとのこと。実に明快な答え。

あの虚ろな眼差しとブツブツは何だったのか。とんだまやかしだ。
(終わり)

(写真:『りすの独り言』トップ画像=フリー素材などを基にりす作成)

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