慣れてたまるか
ー不安だらけの日常
政府が不要・普及の外出を控えるよう要請する緊急事態宣言。いったん落ち着いたはずの新型コロナウイルスの感染者数が東京、大阪ともに急増し、自由を縛るこの宣言が三度出されそうな雰囲気がある。今や、ほとんど耳にしなくなった新常態(ニューノーマル)。これは緊急事態宣言が出されては解除され、出されては解除されを永遠に繰り返す、そんな日常を指すのだろうか。これに慣れろというのなら、あまりに救いがない。
皮肉な結果
NHKによると、15日の東京都の新型コロナ感染者は729人。700人を超えるのは2月4日以来という。緊急事態宣言が解除されて以降、最も多く、「来週、再来週の急拡大が懸念されている」という。
大阪府が発表した15日の府内の新型コロナ感染者は1208人。3日連続で1000人を超えた。1日の感染者数としては前日の1130人を上回って過去最多。感染者増に歯止めが効かず、一段と警戒感が増している。
東京、大阪ともに、緊急事態宣言に比べて区域に絞って適用できる「まん延防止等重点措置」を講じ、感染者を抑え込もうとしてきた。ただ、効果が見られないどころか、逆に増えているのはあまりに皮肉だ。
新常態
緊急事態宣言が三度出されるといった憶測も日増しに強まっている。会社の先輩はしたり顔でいう。「ニューノーマルって、宣言が出されては解除されが日常的に繰り返す状況のことだろうと当初から思っていた」。
個人的にも先輩がいう状況に程近いものを思い浮かべていた。ただ、実際にそうした事態が現実味を帯びてくると、涼しい顔などしてはいられない。そんな状況はどうにか避けてほしいと切に思う。
"頼みの綱"だった新型コロナワクチンに関しても、完全に安全が担保されたものとは言えない。報道によると、英製薬大手アストラゼネカのワクチンは摂取を取りやめる国が相次いでいるという。身の回りは不安だらけだ。
そんな日常に慣れてたまるか。
(写真:大阪府が発表した15日の府内の新型コロナ感染者は1208人と、過去最多。感染者増に歯止めが効かず、一段と警戒感が増している=フリー素材などを基にりす作成)