女心と秋の空
ベランダの朝顔の鉢植えで見つかったエビガラスズメの幼虫。奥さんは当初、これから本格化してくる冬の寒さを前に、この幼虫を室内で保護したかったようだ。ところが、その考えは急に変わる。「女心と秋の空」とは、実に上手く言ったものだ。この急転直下の裏には、どうも幼虫が食べていた朝顔の種がありそうだ。
朝顔の種
ベランダの朝顔は、奥さんによると、手塩にかけてきた「自慢の朝顔」とのこと。毎年、種を収穫し、それを植え直し、18年夏で6世代目になる。端から見る限りでは、気まぐれに水やりする程度だけだったのだが、それでも奥さんなりの思い入れがあったのだろう。
発見したエビガラスズメの幼虫が食べていたのは、奥さんが収穫を狙っていた一番出来が良い種。「この種は来年期待できそう」という。エビガラスズメの幼虫が、種の表皮を破って口を突っ込んでいる姿を見て、奥さんが苦虫を噛み潰した表情を浮かべたまま、カチコチに固まっていた。
心変わりはこれがきっかけだろう。エビガラスズメの幼虫を室内に入れず、そのままベランダで放っておく旨を宣言した際には「早々と育児放棄宣言だ」とうそぶき、ジト目を向けてきたが、それがまるで嘘だったかのようだ。完全なる無関心。何だか怖い。
尋ねたところ、今年はまだ一つも種を収穫していないらしい。そのため、自慢の朝顔を19年夏に継げないと焦っている模様。この幼虫が寒い中で過ごすのは可哀想と思う一方で、大切な朝顔の種を食べた怒りが、この幼虫を室内で保護ようとする気持ちを瞬間冷却したようだ。
怒りが哀れに思う気持ちを上回ったんだな、くわばらくわばら、、、(^_^;)
※関連リンク(エビガラスズメの幼虫シリーズ):「闖入者に入国拒否、そのワケは」
(写真〈上から順に〉:6代目の朝顔=奥さん、種に頭を突っ込むエビガラスズメの幼虫=りす、エビガラスズメの成虫=こんちゅう探偵団)
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