俳句で"オレアチ漫遊記"(弐拾壱)
連載「俳句で"オレアチ漫遊記"(※)」は、りすが書いた旅行記「オレとアチキの西方漫遊記(※)」のワンシーンを取り出し、それを題材に"note仲間"のやまきちさんが俳句を詠む企画。連載にあたって提供した写真素材のうち、今回、やまきちさんが選んだ素材は、面河渓(おもごけい、愛媛県久万高原町)から高知県高知市に向かう道中、道すがらに生えていた風になびくススキの画像だ。9月半ばとはいえ、夏を思わせる暑さの中、このススキの姿は秋を感じさせてくれ、記憶に残っている。
旅行記「オレとアチキの西方漫遊記」は、2019年9月に東京から四国、関西、東海の各地方をクルマでめぐった記録。すでに完結している。
いわくつきの句:
題材テーマ:「オレとアチキの西方漫遊記(42)ー同じ道ではつまらない」
季語は「すすき」で秋を示す。この句を個人的に「いわくつき」と評したのには、込み入った事情がある。やまきちさんが選んだ写真は面河渓から高知市内に向かう途中に撮ったもので、時系列に沿うならば、「冴えない表情のワケーオレとアチキの西方漫遊記(25)」から切り出したワンシーンと言える。ただ、やまきちさんはそれを敢えて無視したそうだ。
その理由について、やまきちさんによると、このときのわれわれ夫婦はまだ旅程の前半で、「この句で表現している『旅の日の疾し』を感じているように思えない」とのこと。むしろ、旅行も終盤に差しかかり、名残惜しさが出始めた「オレとアチキの西方漫遊記(42)ー同じ道ではつまらない」がふさわしいと感じたいう。そこで今回、時系列を捻じ曲げたそうだ。
敢えて良し
旅行記を書いたこちらとしては違和感しかない。とんだ俳諧見習いだ。とはいえ、俳句そのものは個人的に趣きを感じたし、旅行記を細かく読んで洞察してくれていることが分かり、そこそこ嬉しい。そこで、こちらも敢えて良しとすることにした。「結構、チョロいな」とほくそ笑んでいるやまきちさんの表情が思い浮かぶが、それは気にしないことにする。
やまきちさんが選んだこの写真。実はお気に入りの一枚だ。感謝。
(トップ写真:りすとやまきちコラボ企画のイメージカット=りす作成)