源平制覇と理不尽な怒り
「やった!2019年はついに源平制覇だよ」と、何の前触れもなく奥さんがこう言った。あまりに唐突でまったく意味が分からない。散々焦らされた挙句、ようやく引き出した源平制覇についての説明は「今年はすでにゲンジボタル(源氏蛍)、ヘイケボタル(平家蛍)の両方を鑑賞したから」とか。そして、この後、奥さんの理不尽な怒りに晒される。
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エスパーに非ず
「一緒に行ってどうしてそれが分からないの?」ー。ちょっとキレ気味に奥さんが続ける。だが、分かるはずがない。それまで黙々とパソコンで調べ物をしていたし、奥さんは奥さんでずっと無言でスマートフォンをいじっていたし。この状態で分かれば、超能力者(エスパー)確定のフラグが立つ。
それどころか、驚かされたのはこちらの方だ。沈黙が続く中でのいきなりの「源平制覇」発言。一瞬、気が触れたのかと思った。「実は隠れゲーマーだったんです」というカミングアウトかとも疑う。幼い頃に流行った歴史シミュレーションゲーム「源平合戦」がその場で思い浮かんだためだ。
それでも感謝
ゴールデンウィーク(GW)に行った伊豆・大川の「ホタル鑑賞の夕べ」でゲンジボタル、その後に参加した中里郷土の森(東京都練馬区)のホタル鑑賞イベントでヘイケボタルをそれぞれ見ていたらしい。それでホタル鑑賞の源平制覇が成立した模様。
都内のイベントは、ホタル鑑賞会として今年2度目になるため、どうしても行きたい奥さんの誘いに渋々付き合った格好。最初から源平制覇という言葉を使ってくれていたら、もっと気持ちよく行けたのに。どうも都内のイベントに行った後、たまたま調べて初めて知ったのが実情のようだ。
ただ源平制覇を知った今になっては誘ってくれた奥さんに感謝。
(写真〈上から順に〉:都内でも姿が見られるヘイケボタル=基礎生物学研究所、歴史シミュレーションゲーム「源平合戦」の画面)