ギャップ萌え
ーGWプランに秘策あり(3)
タカセ洋菓子(池袋本店、東京都豊島区)は、こしあんがぎっしり入ったアンパンがよく知られているそうだ。「カフェ好きなら誰でも知っている」と得意げに話す奥さん。そのドヤ顔を見て、わずかにイラっとするも、こんなことで揉めるつもりは毛頭ない。華麗にスルーを決める。どこか懐かしさを感じる店の中に入ると、菓子パンや洋菓子が整然と並んでいる。その様子に奥さんも気分が上がっているようだ。
連載『GWプランに秘策あり』シリーズ:「(2)ー追憶のタカセ洋菓子」「(1)ーカギ握る『安・近・単』」
老舗ブランド
店内はコロナ禍にかかわらず、客の姿が目立つ。1階の販売コーナーはレジ前に4、5人の支払い待ちの列ができている。2階の喫茶室、3階のレストランもほぼ満席だ。この店には"一見さん"が入りにくい雰囲気があるが、それ以上に創業100年の老舗ブランド「タカセ」の知名度が客を呼び込むのだろう。
複数のインターネットサイトによると、ミュージシャン・尾崎豊(故人)も、この店のスイーツを好んで食べたらしい。ネットメディア『フライデー(Friday)デジタル版』では、同氏の父親が"息子"にケーキを買うため、板橋店(東京都板橋区)に通ったという逸話を掲載している。
コーヒーラウンジ
ここまで来てようやく、最上階の9階にこの店が運営するコーヒーラウンジがあることを知る。そもそも初めて入った店で、喫茶室(2階)、レストラン(3階)があることさえも知らなかったのだから、知らないのも当然と言えるが、ビル一棟丸ごと使って店舗展開しているとは思わない。
この店について、先ほどまでドヤ顔で解説していた奥さんも、どうも知らなかったらしい。それどころか、ラウンジという呼び方に「違う店なんじゃない」と半信半疑。ドヤ顔から一転、今度は幾らか怯え顔だ。ビル最上階のラウンジと聞き、どこか臆するところがあるようだ。
オドつく奥さん。ドヤ顔とのギャップに萌え。(続く)
(写真:"昭和レトロ"な雰囲気が漂うタカセ洋菓子。1階の販売コーナー前にできた支払い待ちの列=りす撮影)
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