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「初詣中毒」疑惑(下)

ーパワスポ、それが理由!?

「初詣中毒」が疑われる奥さん。気付かれないようにあれやこれや探りを入れて、出た結論は「シロ」。馬橋稲荷神社(東京都杉並区)に誘った理由は、どうやらこの神社が都内の隠れパワースポットだかららしい。昨年(2023年)パワスポ好きの知人から情報を入手し、これまで行く機会を虎視眈々こしたんたんと狙っていたとか。何という執念。初詣中毒と同じくらい恐い。

連載「『初詣中毒』疑惑」シリーズ:「『初詣中毒』疑惑(上)ー願掛け、そこまで必要!?

新たな脅威

この先、パワスポ巡りに付き合うことになると考えれば、初詣中毒の方がまだ可愛らしい。初詣というからには期間がある程度限られている。さすがに2月や3月に初詣ということにはならないだろう。

ところが、これがパワスポ巡りとなると、時期など関係なく、奥さんが行きたいと声をかけてきたときに付き合う羽目になる。残念なことに、そこまでパワスポに興味がない。ただ誘いを無碍むげに断りたくもない。

誘われるたびに胃がキリキリするような難しい選択を迫られそうだ。いま考えても仕方がないので誘われたときに考えよう。都合が悪いことは先送り。大人の常套手段。生きるための知恵。

双龍鳥居

馬橋稲荷神社は、昇り龍と降り龍の2体の龍が鳥居に巻き付いている「双龍鳥居」がパワスポ好き界隈で有名らしい。双龍鳥居に触りながら願掛けすると、昇り龍が天に願いを届け、降り龍が願いを叶えるとか。

龍が巻き付いている鳥居は珍しく、都内ではこの神社を含め、品川神社、宿鳳山高円寺内にある稲荷社の3カ所のみとのこと。それが転じて、都内の隠れパワスポと呼ばれるようになったのかもしれない。

奥さんはこの神社でお参りした後、それほど離れていない宿鳳山高円寺内にある稲荷社に寄ろうとしたが、それはさすがにご勘弁いただいた。詰め込み型の散歩は仕事みたいでどうも苦手だ。

つれない返事

ことしは辰年。それにちなんで双龍鳥居のあるこの神社に参拝はなかなか粋だと奥さんに声をかけたところ、奥さんは「それは取り立てて意識していなかったよ。ずっと行きたかっただけ」とつれない返事。

せっかく褒めたのに。どうしてくれる、この気持ち。(終わり)

余談

奥さんがここまでパワスポにご執心とは思わなかった。ただ思い返せば、スマートフォンの待ち受け画面に、明治神宮にあるパワスポ「清正井」の写真を設定していたし、過去に知人と一緒にパワスポ巡りしたという話を聞いた気がする。今後は忘れないように記憶しておこう。他方、パワスポ巡りによるご利益はあったのだろうか。とても気になる。

(写真:『りすの独り言』トップ画像=馬橋稲荷神社の本殿/りす撮影)

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