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コールド・ブリューのめくるめく流行の謎 アイディアのタネvol.4

最近、というか正確にトレンドっていわれ始めたのは2016年のようなのですが「コールド・ブリュー」が流行っています。(今更この話って言わないで)

私は100以上のカフェを巡ってきたカフェ好きなのですが、コーヒー豆の知識もなく、流行に頓着せず、オススメされた豆のホットコーヒーばかり飲んでいました。
けれどもそんな私でも今年の夏、いよいよコールド・ブリューの普及が著しく感じるようになったのです。

コールド・ブリューって要は水出しコーヒーのこと。通常のアイスコーヒーのように味が薄まらないし、最初から水で出しているので一定期間保存がきき、香りも維持されるそうです。確か。

ここ最近気になって飲むようになりましたが、アイスコーヒーなのに爽やかな酸味と風味が鼻に抜けて、シンプルに美味しい、と思いました。でもなぜ今?昔からあったのに。

アメリカからの逆輸入。ブルーボトルの底力。


日本に限定して考えると2015年2月にブルーボトルが日本に及ぼした影響はとても大きかったと思うんです。
私は開店の行列に並びましたが、ただのコーヒーにこれだけの行列ができて、その周辺に次々と新しいコーヒースタンドができるなんてとても稀有なことです。
ブランディングとマーケティングが素晴らしい。清澄白河の街にどれだけのインパクトをもたらしたか。でもこれについてはまた別の話です。ここでは何が言いたいかというと、「コールド・ブリュー」がはやるきっかけの1つに確実にブルーボトルがあったということです。

2015年はサードウェーブコーヒーそれ自体がブームで、それだけで流行ったのだけど、そのトレンドも一巡した頃。ブルーボトルの次の一手が「コールド・ブリュー缶」や「コールド・ブリューボトル」などの販売でした。

ああもう、アメリカで流行っている「コールド・ブリュー」だなんて、そしてこのデザイン、なんてオシャレでクールなの・・・!?
実際に飲まなくても印象に残る「青いボトル」の描かれた洗練された雰囲気が漂っています。

サードウェーブもそもそもこだわりの豆のシングルオリジン&ハンドドリップを大事にする日本の喫茶店の逆輸入。今度は水出しコーヒーを「コールド・ブリュー」として逆輸入して出してきたわけです。

大手チェーンでも開発できる「コールド・ブリュー」

サードウェーブ系のコーヒースタンドが次々コールド・ブリューを販売したことはいうまでもないですが、さらにトレンドを後押ししたのは、コールド・ブリューが大衆化に適したジャンルのコーヒーだったということだったのではないかと思います。

そう、あのスターバックスもコールド・ブリューを出してきたのです。どんなにサードウェーブにシェアをとられても、それを真似してスターバックスが1杯1杯のんびりハンドドリップするわけにはいきませんが、水出しで保存のきくコールド・ブリューはチェーンでも提供するオペレーションが構築できたんです。

さらにさらに、2018年になって、タリーズやペットボトルでもコールド・ブリューが本格的に商品化。すごい!

つまり、サードウェーブの象徴であるブルーボトルコーヒーとセカンドウェーブの頂点たるスターバックスがこぞってコールド・ブリューを取り入れて宣伝マーケティングを仕掛けたことで一気に波及し、業界内で真似されてトレンドとして広まったというのが私の仮説です。

初心者からCoffee loverまで受け止める!懐の大きいコールド・ブリュー

翻って、消費者の目線で見てみたとき、なぜコールド・ブリューはその心を掴んだのか。
そのターゲットゾーンが広いところも注目したいポイントです。

コーヒーが好きな人たちからすると、コーヒーってブラック&ホットで飲むのがベストです。が、夏はどうしても暑いからアイスコーヒーになってしまって。ただ、アイスだと風味が落ちて豆それぞれの味がぼやけてしまいます。
そんな中、水出しのコールド・ブリューなら酸味が特徴的なコーヒーも、柔らかい口当たりで、美味しさもそのままにいただけるのです。

カフェ巡りが好き!Instagramでオシャレカフェをたくさん投稿してる女性陣もサードウェーブ系のカフェで新商品として扱われる、しかもコールド・ブリューだなんてネーミングのコーヒーは大変魅力的です。季節感出せるしハッシュタグを思わず使いたくなります。

コーヒーに詳しくない、缶コーヒーで十分、チェーンで十分という人にとっても、コールド・ブリューはとても飲みやすいです。スタバでマキアートにもりもりトッピングするよりもずっと敷居が低い。

つまり、汗っかきのサラリーマンが営業の合間に飲むコーヒーとしても、
トレンドに敏感な女子大生がインスタ映えも意識してい飲むコーヒーとしても、
コーヒースタンドで旬のコーヒー豆を一番美味しい飲み方で楽しみたいコーヒージャンキーが選ぶコーヒーとしても、
敢えて選ぶ理由があるコーヒーなのです。

今日、スタバでコールド・ブリューを飲みながら、実はこのコーヒーすごいのかもしれないとふと思い、アイディアのタネに加えておきたくなりました。飲んだことない方、酸味の強いコーヒーやくせのあるコーヒーが苦手な方でもジュースのように飲めるのでオススメですよ!


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