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海外のどうかしてるB級ホラーゲームの実況が好きで集めてみたよ

最近ホラーゲームの魅力に気付きまして、ゲーム実況を通じて幅広く楽しんでいます。

バイオハザード、The Last of UsといったAAAタイトル、リトルナイトメア、VISAGEといった、映像が美しく、ストーリーとしても作りこまれた考察のはかどる海外産ホラーゲームもIbをはじめとする国内フリーホラー発のゲームもいいのですが、異国の地でつくられる一見「B級ホラー」なゲームが大好物です。

短く終えられるものが多く、怖さの魅せ方が尖っていて、奇想短篇集を楽しむような趣があります。
でも、意外とその観点から良質なコンテンツをまとめたものがないんですよね。
で、いつも「あれなんだったっけ、面白かったんだけど」となってしまいます。

そこで、他でもない自分のために、一見すると、荒いつくり、意図のわからない設定や唐突なストーリー展開などで、「バカゲー」かあるいは「完成度の低いゲーム」に見えてしまうのですが、それが味を出していてつい感動してしまったホラーゲーム(の実況)の厳選まとめをつくろうと思い立ちました。

暫定5つですが、少しずつ増やしていきたいです。

1)Manny’s(実況:レトルト)

無人島に突如現れたファーストフード店に何もないわけがない

このまとめを書くなら最初に取り上げたいと思ったのがこちらです。
無人島に流れ着いた主人公が死を覚悟して絶望した夜、不意に目の前に現れた「Manny's」というファーストフード店。
店員さんは1人しかいないものの、心細かった彼は安堵で頽れそうに。
そこに差し出されたファーストフードメニュー。お金は当然持っていないのに、お代はいただいています、と言われ違和感を覚えます。
そう、1日目はよかったのです。
実はこのManny'sには裏があって・・・!?という内容。

これがですね。思いもよらぬ壮大な展開を経て、エンディングも複数用意され、無人島での魚釣りなどやりこみ要素も。
終始、本当に狂ってる!頭おかしい!と思うのですが妙に癖になる人物造形や荘厳な音響に魅せられ、最後は本当にすごいもの見てしまった…という感動の余韻が残ります。一本の味わい深い映画を見たような充実感です。

レトルトさんもこの謎の魅力に夢中になってしっかりやりこむのですが、これによってみられるボーナスコンテンツもまた、コメディタッチで制作者のこのゲームへの深い愛が感じられてよかったです。

2)Squirrel Stapler(実況:しろこりGames)

森のかわいいリスを愛する女性の死体にホチキスではりつけて美しくしよう★

通称「リスホチキス」。
リスをホチキスで貼りつけてはいけないルールの森の小屋に女性(主人公の愛する人)の死体。その彼女に、リスをホチキスで貼りつけて覆って、リスのように美しくすると、5日後に神が降臨するらしい。
ということで毎日規定のリスをハントしてホチキスで貼り付けていくゲームです。

何を言ってるんだろうって思いますよね。
最初から最後までずっとこの調子です。

そもそもこの実況でしろこりさんがジャンルとして「短編ホラーハンティングシミュレーター」というジャンルのゲームとして紹介しているんですが、それは何。きいたことないよ。

あまりの意味のわからなさからつい見始めたら、荒いポリゴンの3Dの割に音響はとてもよいし、ハンティング要素のゲーム性も割と高く、こちらが狩るだけでなく狩られる側にもなりうるのでとてもスリリングで引き込まれます。ラストの「神降臨」の真相も気になってつい最後まで見てしまいました。

特に終盤の音楽のもりあがりっぷりがすごすぎて鳥肌が立ち、最後まで見てよかったと心から思いました。
神ゲーでした。神降臨するだけある。

3)Dishwashing Simulator(実況:三浦大知のゲーム実況)

閉じ込められてるけど皿洗いしてたら意外と快適に暮らせるからまぁいっか

真っ暗な部屋で目覚める。あたりを見回すと、汚れた皿が数枚、それから流しに洗剤とスポンジ。他にすることもなく皿を洗い始めるところからこのゲームは始まります。皿洗いしてきれいになったお皿を暗い穴に投げ込むと謎の報酬が手に入り、報酬をたくさんもらったらどうやら食糧や生活必需品、皿洗いを効率的にするさまざまな機械が購入できることがわかります。
しかたないので、エレベーターで別のフロアにいき、謎のダンジョンで何かに襲われたり罠にはめられたりしながら皿を集めてよりたくさんの報酬を得られるように努めます。

確かにタイトルはDishwashing Simulatorで皿洗いするゲームには違いないのですが、こんなところに閉じ込められて皿洗いするのおかしくないですか?

そもそも主人公はなぜ閉じ込められているのか?脱出することはできるのか?

いろいろと疑問を抱えながらとにかく皿洗いするしかなく、一応筋となる物語は存在し、少しずつプレイヤーの立場が明らかになっていきます。が、この三浦大知さんの実況もそうなのですがだんだん皿洗いするプロセスが面白くなってきてしまって、脱出などそっちのけで皿を効率的に洗いたくなっていく。このゲームの謎の中毒性により、脱出を求めなくなっていくプレイヤーの心境が一番のホラーなんじゃないかという気がしてくるのです。

ストーリー自体は割と短く終わるのですが、シミュレーターとしては終わりがない、本当に謎の多い魅力的なゲームでした。

4)Help Me 助けてください(実況:キヨ。)

謎の怪物に助けられたり殺されたりしながら生存エンドを目指すのです

突然の危機に襲われ、ドアの外か窓の外に逃げるか、ベッドの下に隠れるかを問われるところからこのゲームは始まります。
だいたい選択肢は2つありどちらかを選ぶと死亡してしまう理不尽なホラーアドベンチャーゲームなのですが。
サムネイルをご覧になっていただくとわかるようにこの味のあるイラストが期待を裏切ることなく紙芝居のように展開されるので「恐怖」より「困惑」が感情としては上回ります。

キヨいわく、海外の激安ホラーゲームは日本語翻訳ガバガバのヤバいやつが多いといい、彼はそういったゲームを好んで実況しているのですが、これはとんだ発掘品でした。

日本語訳は期待通りにボロボロなのですがそれすらこのゲームの味わいに思えてきます。数々の突然の死を表現するイラストはグロいものばかりですが、この絵のテイストだとなんだかほのぼの見れてしまう不思議。

こんな海の向こうのフリーホラーみたいなコンテンツがゲームだとさらっと購入できちゃう国境のない感じはすばらしいとしみじみ思ってしまうのです。

5)Bad Parenting(実況:あまり驚かないガッチマンはホラーゲームばかりやっている)

画面と日本語の拙さに油断してたら伏線回収に鳥肌!の悲劇的な物語

Play Stationあたりのゲームソフトを思い出させる荒いCGに、ザ機械翻訳と思われる拙い日本語訳。そんな海外フリーホラーということで、油断していました。

やけに評価が高いといっても、いわゆる「胸糞」系のストーリーだという前評判で、普通ならスルーしてしまうところですが。
古き良き映画のような音楽の流れる、あえてレトロ感を出したような、オシャレなオープニング画面に心惹かれるものがありました。そして見始めたところ、夢中でラストまで駆け抜け、すっかり気に入ってしまいました。

ほとんど仕事(?)で家にいないお母さんと、逆にまったく仕事せず飲んだくれて引きこもるお父さんを両親に持つ少年が主人公。彼が謎の人形と会話するところから物語が始まります。

最初、これは誤訳?これはバグ?と感じられるシーンの連続に意味が分からず困惑します。しかし、終盤に畳み掛けられる伏線回収に、決してハッピーエンドではないものの、素晴らしい作品だったと感じずにはいられません。そして、全部わかったうえで最初から見直すと、最初疑問に感じたシーンにも意味があり、細かい部分まで練られたストーリーだと改めて気付かされるのです。

実況するガッチマンさんはパパでもあるので、理解を示しつつこの悲しい結末の余韻にしばらく浸っており、その様子も印象的で。「どうかしてる」ように見えて、作り手の魂を感じる作品でした。

海外B級ホラーゲームの多様性と着想力に萌える

いかがでしたでしょうか?
バカと天才は紙一重と言われるように、神ゲーかいわゆるクソゲーかは紙一重(バカゲーかつ神ゲーは両立するのですが)。

そんなぶっ飛んだことどうして思いつくんだろう。
どうしてそこは雑なのにここはこんなにこだわってるんだろう。

あまりに想像を超えることばかりで、疑問符の処理が追いつかず、頭の中がぐるぐるかき混ぜられます。

そして、同時にそんな疑問点も些細な問題に思えてくるほど、ストーリーやゲーム性に夢中になってしまうのです。

今のところあまり誰かとわかり合えることがないのですが。

普段ゲーム実況が大好きで人別の分析をしたり、自らフリーホラーを作ったりもしてるので、こういうジャンル別にまとめる取り組みもいろいろできたらいいなと思っています。

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