ことのはじまりは、雨の土曜日
それ、は、実に思いがけず、急なはじまりだった。
おん♂、シャムの入った雑種。8歳5ヶ月。ヒトで言うところの中年に差し掛かったところ。保護猫出身。
夏だっただろうか。おんを撫でているとの右の臀部あたりに、脂肪腫っぽい、平べったいデキモノがあるのに気がついた。調べてみると猫には脂肪腫は頻発のようで、大きくならなければ放置でも構わないとあった。様子を見るか、と放置。
9月はじめ、何かの拍子に、おんの背中の模様が軽く痙攣しているのに気がついた。少し気になったので動画を撮影。
軽い痙攣は、それからもちょくちょく見られた。仕事が落ち着いて何もなかった土曜日の午後、自転車で5分の獣医さんにリュック型のキャリーに入れて。今のおうちに引っ越してからは初めてかかる獣医さん。
午後診は16時から、私が着いた16時ちょうどにはすでに猫を連れた患者さん2組、犬連れが3組ほどいらした。診察室も待合室も動物で分けているようで好印象、ではあったが、猫はわりと時間がかかっており、呼ばれたのは17時前だった。
診察室で経緯をざっと説明、キャリーからおんを出し、なんだか腰が抜けている様子に獣医の先生と苦笑(思えばここでもう少し腰が抜けていてはおかしい、と思うべきだった)。脂肪腫だと思うので、細胞診をしたいとの旨。手際よく細胞診、塗抹標本を作ってる間少し待合で待っててくださいとの。
細胞診の結果、特に悪そうな細胞は居ないとのことで、大きくなるようだったらまた来てください、あと痙攣は皮膚が過敏になっているようだから、とノミ・ダニ用のお薬を滴下してもらい、お会計、帰宅、となった。
帰宅してキャリーからおんを出し、なんか診察室で腰が抜けちゃっててさー、と旦那に病院でのことを話し、、、、
え、なんかおかしくない?
おん、おうちに帰って来たのに、なんでまだ腰が抜けてるの?
歩き方、変じゃない?
大急ぎでさきほどまで居た病院に電話。すぐ来てくださいとのことで、雨が降り出した中、またおんをキャリーに入れ、病院へとんぼ返りになった。