こくごのじっけん

実験までのいきさつは前の投稿をご覧ください。

今回、国語教育学ゼミ3年の9人に調査対象となってもらい
STEM教育 インクルーシブ教育システム Society5.0
の3語を用いて、
A:個人で3語の意味を調べ、テストを受ける
B:3人1組で分担して意味を調べ、共有してからテストを受ける
という取り組みをしてもらいました。


⌛️実験の手順とかかった時間⌛️

①各語の説明があるサイトのURLを共有し、1語500ないし700字くらいの説明を読んでもらう。(A:約3分30秒で把握、B:約2分で共有開始)
②Bはグループで知識を共有。サイトの参照も許可
③テストとアンケートに回答(A:約3分30秒で開始、B:約7分で開始)


✒️テスト内容✒️

メタ知識で解かないよう、易しすぎないように説明文に出てきたキーワードで理解力を測ろうと設問しました。
その取り組みや効果の概要を正確に捉えられればわかるかなというところ。
Society 5.0の問題は、説明の中に出てきていますがあまり馴染みのない「第四次産業革命」に惑わされる人が多く悪問だったようです。

満点は、Aが3人中2人(1人は「第四次産業革命」の誤答)、
Bが6人中1人という結果に。
かかった時間・正答率を見ると明らかにAのほうが効率が良いです。

🖋アンケート結果🖋

ここで反省点。プロフェッショナル活動をしたことがない人がAにいたという痛恨のミス。😇
プロフェッショナル活動と回答した1人がこの人。
もう1人は、Bで2点をとった人でした。

でも、パフォーマンスが低い人が多かったにも関わらず、プロフェッショナル活動が好きな人が多い様子。
回答を見るに、
コミュニケーション・アウトプットができること、
自分の説明に質問されることで理解が深まる、ということが魅力的なようです。
以下がその感想です。

みんなの真剣な回答に感謝です。さすが教育学ゼミ。優等生ばかりです。


🤔それぞれのメリット・デメリット🤔
これらの回答をふまえて、2つの活動の特徴をまとめます。

A:個人作業
◯(文章量が一人で抱えきれるものであれば)得る知識量が多く、かかる時間が短い(効率がいい)
◯すべての情報を参照できる
△他者に説明してアウトプットできない
→一つ一つの知識が定着しにくいかも?

B:プロフェッショナル活動
◯他者への説明でアウトプットできる
◯説明への質問をされることで、より理解が深まる
◯コミュニケーションがとれて楽しい(好きな人が多い)
△時間がかかるわりに自分が調べた以外の知識が定着しづらい
△自分の情報しか参照できず、聞くことでしか知識を得られない

つまり、
この時間的効率記憶の定着の観点から、活動を
目的に応じて使い分けることが大切です!

そのためには情報量とその内容で判断することが肝要です。
たとえば、レポートを書くために同じ話題の論文を読むとします。
3本程度であれば多少時間をかけても一人で3本読んでしまったほうが内容を確実に把握でき比較・整理するのも容易ですが、
一人で10本読まなければならないという状況になるとさすがに相当な時間を割くことになり、しかも似たような話題であれば「この情報どこの論文のどこだっけ…」となってしまいます。
つまり10本分の情報をきちんと整理しておかないと、情報を確実に保持し続けることは難しいものになるのではないでしょうか。
ここでプロフェッショナル活動が有効性を増してきます。

プロフェッショナル活動は協力者の脳に知識が分散されるため様々な効果があります。
・1人1つの詳細な情報を持つことで情報が混在しにくい
・インプットしなければならない量が少ない分アウトプットに時間を割ける時間が多く、1つ1つに関する情報を(みんな真面目なら)きめ細やかにできる
・みんなが要点をまとめてくれるので(過不足なければ)効率がいい
つまり協力者が真剣に取り組んでくれればかなり効率的に情報収集ができます。
しかし自分で集めた情報でないことのリスクを踏まえることが大切です。
シェアする情報はあくまで二次情報ということを踏まえ、より正確なものとするために質問などのコミュニケーションを欠かさないようにしましょう。


🧐授業でプロフェッショナル活動をどう生かす?🧐

これらのことを踏まえると、
・情報を正確に整理してアウトプットする
・アウトプットして、またそのことについてコミュニケーションをとって定着させる
・相手が話した(もしくは書いてまとめた)情報を、コミュニケーションをとって正確に理解する
能力を高めたいときに有効であり、
・一人で扱いきれない情報を取り扱う
ときにさらに効率が上がり有効です。

プロフェッショナル活動の最大の課題は自分が収集していない情報を他人から補うことなので、
それを克服するよう反復したり質問したりする、聞く能力を育てれば、プロフェッショナル活動はとても効率がいい作業形態であるように思います。


😊おわりに😊

今回の実験方法では自分が割り当てられた資料の参照を許可していたため
アウトプットがそこまで機能していなかった可能性があること、
事前に時間を計りますと説明したせいか
十分に情報を説明出来ない人、聞き出せない人もいるまま
テストへ移行してしまったようであることが反省点です。

もっと新しい見方、具体的な活動例などご意見いただければ嬉しいです!
最後までご覧いただきありがとうございました☺️

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