息子のリアル読み聞かせチャレンジ④
長いようで短い1ヶ月ですね。文字や物語への興味がゆっくりだった息子との、初の毎晩連続【30日】読み聞かせチャレンジ。取りあえずクリアしたこの期間の作品たちを、テーマ別に構成してまとめてみました!今やすっかり、眠る前の本選びに始まり、お話を読み進む内でも自分なりに台詞や感想を言ってくれるようになった彼。そして姉達のとき勿論そうだったように、母子の大切な時間が積み重なっていくことをとても嬉しく思います。では今回は大好きな昆虫絵本から!
①『アゲハのへんしん』須田孫七/写真:榎本功ほか/ひさかたチャイルド
男の子の定番、こういった関連の作品は今までもいくつか見てきましたが、最高…!!と断言してしまうほどの素晴らしい構成でした。4歳児(当時)くんも、そうだ!と激しく同意しておりました。主人公となる男の子が、見つけた卵から成虫になるまでを日記のように語ってくれるのですが、素朴な描写選びと丁寧な写真、リアルタイムで進行する”自然”にいつのまにか臨場感たっぷりにわくわくしてしまいます。男の子が虫かごを使わずに、庭(?)のみかんの木に棲み着いた”アゲハの幼虫"を、適度に距離を保ちながら見守っているのも、いい。
どんな小さな命であっても、対等に感じられるか、軽んじるかは、出会う作品やもちろん、周りの大人がどう接するかで決まってしまう。いつかは忘れてしまう気持ちでも、小さな生き物への敬意に満ちた愛情を持てる息子でいてほしい。そんな風に思いました。
②『カマキリの生きかた』筒井学/小学館
自然&虫の写真絵本シリーズで、こちらも、とても素敵な作品に出会えました。凄い!確かな考察をもとにした言葉が、詩になっている。淡々と、襲い襲われる辛いシーンも避けずに、息子も最初はぎゅっと目をつぶって回避していたけれど、後から何度も見返していました。子供の頃、私だって知っていた、感じていたようなこと、大人になると何故か忘れてしまうんですね。冬も夏も、私たちの足下で、無数の知らない命が生を繋いでいることすら。息子は今、当たり前のようにそれに気づいています。子育ては、こうしてもう一度、子供時代の自分に出会い直す体験なんじゃないかな、とさえ思います。
③すごい虫ずかん ぞうきばやしを のぞいたら/じゅえき太郎/監修:須田研司/KADOKAWA
ページから3Dで飛び出してくるかのような、インパクトの強い昆虫絵本。当館でも人気が高く、男の子が頬を紅潮させて、いつもカウンターへ持ってきてくれる定番人気作です。息子も、表紙のカッコイイカブト虫の姿から心つかまれ、終始、大好きな虫の名前を連呼しながらの読了となりました。とてもリアルなのに、温かみのあるイラスト、そして丁寧な生態コメントまで、目を奪われているうちにちゃんと耳を傾けてくれます。年間を通してリピート必至の、元気をくれる虫たちの世界、いつでも飛び込めるように部屋の片隅に待機させておきたい一作です。
初めての男の子育児。「どうせ絵本なんてそれほど興味ないだろうな」、と自分に都合の良い言い訳をして、上の子二人のバタバタに気を取られていたこともあり、絵本と触れる機会を早いうちに作ってこれなかったことは、私自身の反省です。でも、「こうでなきゃ」「今じゃなきゃ」が親の強すぎる気持ちになってしまうと、それはやはり、子供には言葉にしなくても伝わるプレッシャーとなってしまう。彼は彼なりのペースで、彼なりの好きなもの、大切なものを見つけて、5歳となる今までにすでに沢山のものを私に教えてくれました。それでも、絵本や物語が子供に教えてくれるもの、親である私にも学ばせてくれる事は無数にあります。小さな一歩でも、最初は数ページ読めればくらいの気持ちで、チャレンジを始めて本当によかったです。
まだあと少しご紹介続きますのでぜひ!重なるお悩みがあったら、何かの参考にして頂ければ幸いです。