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「やりたいことがある時は、とりあえず始めてみよう!」と思えるようになった
「とりあえず始めてみて、ダメだったらその時に考えればいいと思うよ」
通っているメンタルクリニックの主治医が優しく言ってくれた。
この時、「メンタルケア心理士」という資格を取るための通信講座を始めようか悩んでいた。そのことを相談した際に、言われた言葉だ。
そういう風に考えたことがなかった。
やるからには結果を出さなきゃ、成功しなきゃと思いながらそれまで生きてきた。
私の母が、「物事は結果が全て」という考えだったこともあり、母の考えが幼い頃に植え付けられていたのかもしれない。
「でも、最後まで通信講座を続けられなかったら、お金も時間も無駄になってしまうんじゃないかと思って」と、私は主治医に不安を吐露した。
すると、「もし通信講座を最後まで続けられなくても、自分はここまで出来たんだということが、自信に繋がると思うよ」と、優しく言ってくれた。
その言葉が私の背中をそっと押してくれた。
そして診察が終わったあと、通信講座をネットで申し込んだ。
「通信講座を最後までやり遂げて、無事に資格を取れるのだろうか」という不安はまだ少しあったが、主治医の言葉に背中をそっと押された私は、「えいやっ!」と通信講座のサイトの「申し込む」というボタンを押すことができた。
それから約半年間、通信講座を挫折せずに続けることができた。通信講座の修了試験とレポートで、満点に近い点数を叩き出し、晴れやかな気持ちで終えることができた。
あの時、主治医が言ってくれた言葉が、今でも迷った時に私を助けてくれている。
そして、「何か新しいことを始めたい時は、とりあえず始めてみれば良い。もしダメだったら、その時に考えれば良い」という、それまでの人生になかった価値観を、主治医が私にそっとプレゼントしてくれた。
あの言葉のおかげで、「新しく何かを始めるハードル」が少し下がった気がする。
主治医の言葉と、あの日診察室を優しく照らしていた太陽が、私の背中をそっと押してくれたから。