テトリスしすぎたら手を壊しました

秋に色づいた葉もほぼ全てが落ち、最近本当に寒くなりましたね。外を歩いて帰ってきたら手がかじかんでまともにゲームできたもんじゃないです。そうそう、手が動かないといえば――

この記事は、しゅほりさん開催のテトリス Advent Calendar 2024の22日目の記事になります。

今日は私のしくじった話を聞いてもらおうと思います。特段面白おかしく書こうとも反面教師にしてほしいとも思ってなくて、こういう事例があったよということを淡々と書いていく感じになるかもしれませんが、最後までお付き合いいただければ嬉しいです。医学的な話も少し出てきますが、私は医療に詳しい人ではないので、この記事に書いてあることを鵜呑みには絶対しないでください。

えーこの度、激しい動きをするゲームのやりすぎで、ジストニアという病気になりました。
悲しい。


症状

この病気の何が困るのかというと、特定の動きをする際に自身の意思とは異なる動きになってしまうことです。自分の場合は左の手の指に発症してしまいまして、PCゲームなどでキーボードを押す操作をするときに指が変に動くので

  • うまく押せない

  • タイミングが取れない

  • 違うキーを押してしまう

  • 連続で押すときの持続力が極端に落ちる

  • 押したときに変な感触になる(多分思ってる指の姿勢との乖離があるため)

ジストニア一般についての説明

(興味なければ飛ばしてください)

ジストニアは、筋肉の異常な収縮によって生じる運動障害の一つで、意図しない動きや姿勢の異常を引き起こす病気です。これは、中枢神経系の異常によって筋肉の収縮が制御されなくなることが原因で発生します。

主な特徴
異常な筋肉収縮
特定の筋肉や筋肉群が過剰に収縮し、意図しないねじれやけいれんが生じます。
持続的または間欠的な症状
症状は一定ではなく、動作やストレス、疲労によって悪化することがあります。
影響を受ける部位
局所性ジストニア: 特定の部位(例: 手、首、顔など)に症状が現れる。
全身性ジストニア: 全身に症状が広がる。
分節性ジストニア: 隣接する複数の部位に影響が出る。


原因

ジストニアの原因はさまざまで、以下のように分類されます:
一次性ジストニア: 他の病気がなく、主に遺伝的要因に関連するもの。
二次性ジストニア: 脳損傷、中毒(薬物や金属など)、感染症、他の神経疾患などが原因。
特発性ジストニア: 明確な原因が特定できないもの。


主な症状例手足のねじれ(書痙など)。
首が異常に傾いたり、ねじれる(痙性斜頸)。
まぶたのけいれん(眼瞼けいれん)。
口や顔の筋肉の収縮(口下顎ジストニア)。


治療法

ジストニアの治療は、症状を軽減し、生活の質を向上させることを目指します。主な方法には以下が含まれます:
薬物療法
抗コリン薬や筋弛緩薬、ドーパミン関連薬など。
ボツリヌス毒素注射
筋肉の過剰な収縮を抑えるために有効です。
理学療法
筋肉の柔軟性を高め、症状を軽減するために行われます。
外科治療
脳深部刺激療法(DBS)は、重症例で効果的な治療法の一つです。


日常生活への影響とサポート

ジストニアは日常生活に大きな影響を及ぼすことがありますが、適切な治療とサポートにより症状を管理し、生活の質を向上させることが可能です。定期的な医師の診察と治療計画の見直しが重要です。

ご自身の症状についてさらに詳しい情報やサポートが必要であれば、医師や専門家に相談されることをお勧めします。

ChatGPTの出力より

私の事例 (詳細)

ゲーム以外の日常生活でしんどい思いをしたり、痛みがあるわけではありません。純粋にキーボードを押す動作がこの病気によって妨げられるようになりました。右手については何も問題ありません。本当に左手だけです。また、スマホやコントローラーのようなキーボード以外の入力方法についても何も問題ありません。

入力が多くてタイミングの精度も求められるゲームにおいてこの病気は致命傷ということです。すなわち自分の場合はテトリスosu!です。どっちのゲームも、片方の手がうまく動かせないとその手に引っ張られてパフォーマンスが落ちてしまいます。これはつらい。

見苦しいと思いますが、手元動画をつけておきます。ぱっと見て分かりやすいのはTETR.IOをしてるときの手元です。すごい大げさな動きしてるように見えますが自分の意思ではどうにもできません。めっちゃ置きミスします。ちなみにスペースがハードドロップ、Fが右移動、Dが左移動です。

osu! mania ↓ 右手がコンスタントに打てるのに対して左手は暴れます(めっちゃノーツこぼしてます)

タイピングは辛うじてできました。違和感は感じていますが、力を入れて打たなくて良いのでかなりましな部類です。↓


ここからはこの病気との生活について語ります。

前兆

今思えば、前兆はいくつかあったのかもしれないですが、代表的なのはTETR.IOのテトラリーグシーズン1が終わろうという頃(2024年の春~夏くらい)です。ミノの左移動に割り当てていた左手薬指が時々怪我するようになりました。原因は、キーをひっかくように押していたせいで、隣のキーキャップの角に指がぶっ刺さってたからです(左移動は当時Sキーだったので、多分ZやXの角です)。この頃は「最近てとりおやってなかったしなー指衰えてるなー」くらいしか思ってませんでした。その後、無事レートを落としてシーズン1をフィニッシュしました。
それからは、休みの日にゲームを結構頑張るようになりました。そこそこの負荷をかけていればきっと強くなるだろうと信じて、ゲームをする日は文字通りたくさん打ち込みました。

キー入力数を数えてくれるやつ

診察を受ける決意

ひたすら頑張ってはいたんですが、改善しないどころかなんか下手になっていくというか、なんか押しづらくなってない?病院に行くことを意識し始める。しかし、本当に足を運ぶ前には葛藤がたくさんありました。

  • そもそもこれは病気なのか?

  • 病院行ったところで治るのか?

  • ただの年齢による筋力の衰えでは?

  • 動かないっていっても、普通の人と比べたらまだものすごい動くよね?

病院行っても、はてなマーク浮かべられそうで怖かったです。ただ、このまま病気かもわからず不安で過ごすのは良くないなと感じ、重い腰を上げて病院を予約。
病院の先生はとても親身になって聞いてくれました。「何に困ってるの?」という質問にはドキッとしましたが、正直に話しました。「PCゲームをよくやるんですけどー……」

通院

1回目

総合病院に行ったら、受付で整形外科を受診するよう案内されました。
色々簡易的なテストをしてもらい、レントゲンを撮り、結果整形外科的には特に異常なし 神経かもしれないから神経の先生に診てもらおう 続く

2回目

久しぶりにMRIを撮りました。
先生「外的な異常は見つかりませんでした。病名を診断するのであれば、指のジストニアだと思われます。脳からの信号にノイズがのってしまい不随意運動を引き起こす状態になっています。書痙みたいに、文字書きで食ってる人がペンをうまく持てなくなるのと同じです」
私「……たしかにテトリスも職業だしなぁ」
先生「効くと言われている薬出すので飲んでみてね」 続く

3~6回目

効く薬を探すため、飲んでは結果報告を繰り返しています。より専門的な先生に診てもらったりもしています。
先生「結構強いの?」
私「まぁ人並みよりは強いと思います…」
先生「大会とかでてるの?」
私「すごくローカルなやつなら…>_<」

現在に至る

薬の服用生活

さて、診察を経てこれは脳からの信号の異常ということが分かりました。私のケースは、日常生活にはほとんど影響がないことや、発症の部位・条件が限定的であることから、手術のような大事にはよっぽどじゃない限りならないと思われます。手術は脳に電極入れるとか言われてるので怖いです。また、この病気は、指の運動をする際に無意識で行う動作プログラムが書き換わっている状態のため、リハビリして意識的な部分で改善しようとしても難しいです。よって薬の服用で治るまで根気強く戦うことになります。また、服用する薬は基本的に「脳から発される過剰な信号を抑える」ものになります。
100%想像ですが、乗っているノイズだけを取り除くのは難しいのでしょうね、薬には色々と副作用がありました。いくつか飲んだ薬から挙げると、

脳のデバフ

他の信号もまとめて抑制しちゃってるんじゃないかな?確実そうだけど仕事には大いに支障。人の話が頭に入ってこない、覚えられない。ニコニコうんうんしてやり過ごした。(※職場のメンバーにはあらかじめ事情を説明しております)

意識が吹っ飛びそうになる

薬が一番効いている期間に座って作業していると、周期的に意識がふわーっとしてきて軽く飛びそうになった。怪しい薬ではなくちゃんと薬局で処方された薬であることを断言しておきます。

眠気

眠くなることがありますと副作用として1番目にかかれているのに、抗えない眠気という眠気まではあんまり感じなかった。でも他の副作用のせいでゲームする気にあんまりならないので結局寝た。

気分がハイになる

眠くなるんじゃなくて活発になったりもしました。これ薬の副作用だと思っているんですけど、自分のことが怖くなるくらいアクティブになって、RTAでもやっているかのようにあらゆる動きを素早くこなしたくなる症状を経験しました。これなんて呼ぶんでしょうか。仕事や掃除がとても捗った。生産効率はパーソナルベスト更新してた。指は治らんかった。

あとは副作用じゃないのですが、そもそも治療中は激しい動きをするゲームのプレイが非推奨になる都合上、単純にテトリスやosuをする時間が減って下手になってたと思います。
病気のせいで落ちる指の動かしやすさ & 時間経過のせいで落ちていく実力 & 薬による改善度合い の評価方法は正直良くわからなかったです。少なくとも薬で劇的に改善した感じはまだないので、あんまり効かなかったと報告しています。

発症原因についての考察

「前兆」のセクションで、最近衰えてきた気がするからゲーム頑張ったと書きましたが、発症を決定づけたのは多分このせいじゃないかと思っています。右手と左手を比べたときに差があったのは小さい頃から知ってたのですが、弱い方の左手に負担をかけすぎたのだろうなと今では思っています。負担をかけるにしても、運動後に適切なクールダウンをしてあげればまだましだったのかなとも思います。

これからのゲーム人生

一番大事なところです。方針について色々思うことを書き並べました。

テトリスを引退するかどうか

私は16年間対戦テトリスをやってきているので、人生の多くをテトリスに捧げちゃっています。この先も続けられるのなら続けたいです。しかし、今回病気になっちゃったように、今後障壁が増えてくるのではということを考慮するとこのあたりが引き際なのかなとも思ったり。

osu!を引退するかどうか

引退でしょうね……。ランキングはもう上げられる気がしないです。もし指が治ったとしても、指を壊した犯人の筆頭候補がosuである以上、ガチプレイはもうできないんじゃないかと思います。ペンを左に持ち替えてosuモードだけ左利きになるとか、チャレンジできることは無くはないけど・。・

他のゲームを頑張るかどうか

先述の2ゲームを離れている間、最近はブルアカを始めて頑張ってたり、雀魂に久々にログインして1日を溶かしたりと、実は楽しめるゲームはすぐ傍にあったことに気づきました。未プレイのゲームは人より多い自信があるので、発掘しにいってもいいかもと思いました。

他の入力方法について

私が障害を感じるのは、一般的な形のキーボードを押す動作です。よって、変わったキーボードであったり、コントローラーであればそれを回避できると思います。

やってみた

(あ、あれ、意外と舞えてる?)
PS4コントローラーでの最高VSスコアを達成しました。キーボードでの最高VSスコア(Season 1)はちょっと覚えてないですが、並ぶくらいのスコアだと思います。ただ、コントローラーだとどうしてもPPSが出にくいのと、ハードドロップが頻繁に暴発するのが課題です。速度が上回ってる相手に勝つのが難しい!苦しいけど楽しい。

実は私テトリスフレンズ(故)を始めた頃まではコントローラー勢でした。あの頃はラグに限界を感じてキーボード勢になったのですが、ここに来てコントローラー勢に回帰して上を目指すのってなかなかドラマチックじゃないですか?

指が治るのを待つ間、もうちょっと頑張ってみようと思います。長い戦いになると思いますが、もし治った頃にはキーボードよりもコントローラーのほうが上手くなってたりしそうですね。


なにかテトリスの話しろよ

申し訳ございません 🙇
TETR.IO シーズン2で使えそうなオールスピン集で許していただけないでしょうか。
https://tinyurl.com/2cjylft3

最後に

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。読者の皆さんも体に気をつけて、適度な運動と休憩を取ってテトリスしましょう。私みたいに詰みかけないようにしてください。それと、体に異常を感じたときは病院に行きましょう。不安を抱えたままでいることはゲームをする上でマイナスにはたらいてしまうので。

今回のアドカレの私のおすすめ記事はこちらです。選定理由は、私が昔作ったスライドが引用されているからです。

残すところわずかとなりましたが、テトリス Advent Calendar 2024を最後までお楽しみください。


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